その5)このような対策が考えられる [2025年12月11日(Thu)]
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ここ、2日にまたがり、ブログを更新できない状況でしたが、回復しました。
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ヴィクトール・フランクル
〜それでも人生には意味がある
第2回の(10)配偶者と同居していても自殺が多い日本
〜その5)このような対策が考えられる
高齢者の自殺が多い日本です。
自殺対策は今後どうしたらいいのでしょうか。
1)高齢者は、配偶者がいても自殺されています。
→ https://blog.canpan.info/jitou/archive/5783
2)配偶者には「愛」されていたはずなのに「愛」とは何か、フランクルの3つの価値分類では、「体験価値」です。
→ https://blog.canpan.info/jitou/archive/5784
3)人の意識の働きには、身体、心理、精神3次元があるように、配偶者の「愛」にも、配偶者の「愛」にも3つの次元があるというのが、フランクルの哲学です。
→ https://blog.canpan.info/jitou/archive/5785
4)配偶者がいても自殺が多いです。その原因・動機は、経済・生活問題、家庭問題などにより、うつ病を発症し、希死念慮が強くなったことが多いと推測されます。「健康問題」のうち、経済・生活の悩み、家庭の悩み、からもうつ病になり、それも「健康問題」に含まれているでしょう。そして、経済、家庭問題ではなくて、がんなどの身体の病気からうつ病になるのも「健康問題」です。
→ https://blog.canpan.info/jitou/archive/5786
つらいことが起きますが、生命を失うこと(自殺で)ではご本人もご遺族の悲しみが大きすぎます。
「価値」の選択、評価ができること、生命を失うこと(自殺)以外のことで乗り切れると、フランクルも西田哲学も教えてくれています。
フランクルは「自己距離化」といいますが、ブームになった「マインドフルネス」も似ています。ただし、瞑想の時、一人食べる時、歩く時です。
自己洞察瞑想療法(SIMT)は、そうでない時にも、自己距離化の実践を行います。
SIMTでは、すべての意識現象を観察するので、すべての時間で、「自己距離化」になります。ただ、「自己超越」があります。自分を見つめるだけではないのです。「自己超越」が重要です。
現在、放送中のテレビでは、第3回以降に、「自己超越」の側面が詳しくなります。フランクルのロゴセラピーは、身体、心理、精神の3次元を強調しますが、ブームのマインドフルネスは、身体レベルの「自己距離化」です。「自己超越」が詳しくありません。だから、うつ病の「治療」法にはなりません。SIMTは、「精神」レベルです。さらに、その先もあります。
次のようなことが、SIMT(後期西田哲学を活用したもの)での自己観察、自己距離化、自己超越の方向になります。フランクルのロゴセラピーと類似するところがあるでしょう。
@ つらいことが起きても、冷静に観察(ここが認知の局面)して、うつ病にならない反応(価値への思考、発言、行動への表出)の仕方
=自分の独習で認知、行動を変えていくならば、「予防」の実践です
A うつ病になったが、死なないで、回復の実践をして、治して、以後は、「価値」のために生き抜いていく
=自分の独習で認知、行動を変えて「治す」ならば、「治療」の実践です
これを一人で身につけたいですが、フランクルによれば、「自己距離化」と「自己超越」に該当するでしょう。
つらいことが起きても、自分の心のありさまを、離れた位置から見るようにして自分の感情が自分の独自の基準であることを認識して、自分の人生の「価値」を崩壊させず、価値を実現する方向への態度、発言、行動を現在進行形で選択、決断、表出。
本人が、悩みに取り込まれて自分で身につけられない場合、他のひとが客観化した位置から眺めて、価値実現行動ができるような心に成長するように支援することができます。他のひとが行う「精神療法」の提供になります。フランクルがいうように、身体、心理、精神の3次元レベルの統合した深い「精神療法」になります。だから、ブームの「マインドフルネス」とは違います。(注7)
@ そばにいる配偶者が支援
A そばにいる子どもが支援
=つらい本人の様子をみていて、悩みの解決の支援をする。問題解決の行動を代替する。
B 医師の専門職が支援
=薬物療法や種々の治療法があります
しかし、上記でも「希死念慮」がなくならない場合、精神療法があります。医師または、以下の専門職による支援。
C ロゴセラピスト(フランクルの開発した精神レベルの療法)
D シムティスト(マインドフルネス瞑想療法士) (注6)
SIM Therapist (Self Insight Meditation Therapist)
E それを超えるもの
=人の働きには、さらに、「精神」(西田哲学では「行為的直観」)を超えた働きがあるという。フランクルについて、今回のテレビ放送では、第5回で「超意味」を言います。自己を超えたものを日本では昔から宗教者、芸術家(世阿弥、千利休、芭蕉、近代では小説家など)なども述べており、西田哲学では自己の内奥の絶対無といい、自我でなく絶対の自己否定態としての人格として生きるひとがいるというのです。フランクルも西田哲学も、「宗教」レベルがあるというのです。ここは、フランクルは、医師ではなく、宗教者が指導する領域であるといいます。
ただし、日本では、このレベルをいう宗教者を見つけるのが難しく、支援を受けていないで苦しむひとが多いようです。
テレビ放送の3回目〜5回目をみると、上記の@〜Eをもっと充実させられるでしょう。
(注7)ブームの「マインドフルネス」は、各人の意味、価値の場面での観察ではありません。「無評価」ですむ、瞑想時、歩く時、食べる時です。「身体」レベルの浅い意識の「自己距離化」です。「自己超越」の場面が多い人生局面では、できません。外国では、社会問題の見てみぬふりの助長など批判が起きています。この放送の第3回目のロゴセラピーの説明(自分を見すぎるな)を見ても、そのような印象を受けます。それを知ったうえで、限定した場面だけで行うべきです。
(注1)NHKこころの時代 テキスト 『ヴィクトール・フランクル 〜それでも人生には意味がある』勝田芽生、NHK出版
(注2)大田健次郎 『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社
(注3)フランクル『夜と霧』池田香代子訳、みすず書房
(注4)テキストの第5回で「品格のある人間」「ない人間」がもう少し詳しく述べられます。やはり、フラ ンクルと西田哲学は類似することがわかります。
(注5)フランクル『人間とは何か』山田邦男監訳、春秋社
(注6)SIMT=Self Insight Meditation Therapy。自己洞察瞑想療法。 公刊された書籍は、3つです。ほかに、マインドフルネス瞑想療法士の 講座に使用されるテキスト が多数あります。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5348
★自己洞察瞑想療法、SIMT ブームになった「マインドフルネス」(第1世代マインドフルネス)とは、違います
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5750
【目次】ヴィクトール・フランクルと後期西田哲学の実践論
〜それでも人生には意味がある
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Posted by
MF総研/大田
at 10:43
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孤独孤立自殺うつ病不安症
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