第1回の(9)フランクルのロゴセラピーが日本に多い自殺をなくすために
〜何か月で生きる意味をみつけることができるのか [2025年11月11日(Tue)]
ヴィクトール・フランクル
〜それでも人生には意味がある
第1回の(9)治療期間=何か月で生きる意味をみつけることができるのか
〜フランクルのロゴセラピーが日本に多い自殺をなくすために
心の観察をして、苦しみ、うつ病の症状、自殺念慮を乗り越えていく、マインドフルネス心理療法(第2世代)、SIMTでは、半年から1年近くかかります。
意味の完全喪失ではなくて、見つけていた意味の一次的な機能不全の患者がそれくらいで、完治していくのだと思われます。
何かの仕事などを持っていた人が心理的なストレスによって、うつ病になり、薬で治療しても治らないが、治って復帰したいという人、日本には、これも多いと思うが、そういうひとにはロゴセラピーは向かないのでしょうか。仕事に意味を見出しているのだから。
こういうひとには、SIMTは向いているようです。真剣に(=SIMTの論理を信じて)実践すれば、半年から1年で完治します。治らないので「死にたい」とまで苦しんでいた重症の心因性うつ病。眼窩前頭皮質の<一時的な>機能不全だったのでしょう。SIMTは、その継続的な自己の認知、反応(行動)のパターンを家庭生活の中で(退職せずにいる場合には職場の生活の中で)、観察、修正の実践を繰り返しますが、それが機能不全になっていた眼窩前頭皮質を活性化させるように働くのではないかと思っています。
一方、ロゴセラピーでは、どのくらいの期間がかかるのでしょうか。意味の喪失で苦しむ人は、日本では、長いひきこもり、10年、20年、そして、8050問題のところにあるのだと思われるのですが。
もし、ロゴセラピーの医師から、支援を受けて、まもなく意味を見つけることができて、ひきこもり、自殺念慮から解放されるならば、現代日本になくてはならない精神療法になるでしょう。
ロゴセラピーの専門家には、わかっているのでしょうが、手元にあるフランクルに関する著書、10点くらいから、「支援期間」について述べてあるところを探しました。
期間については、内因性か心因性か精神因性かによって違ってくるのでしょう。また、現在の精神疾患の分類では、どれに該当するのかも
考慮しなと、誤解を招くでしょう。
ロゴセラピーが、もっとも重点的に扱おうとしたのは、「自殺防止」でしょう。自殺があるのは、現在の分類によれば、「うつ病」でしょう。
しかし、うつ病の診断基準に合致しない「精神因性」の希死念慮があるかもしれません。
フランクルの著書を見ると、次のようです。
「強迫神経症」=不安症、強迫症、不眠症など
「強迫神経症」の心理の項の治療事例が述べられています。これは、現在の分類で「不安症(不安障害)」、および「強迫症」、「睡眠障害」に該当する事例が含まれています。不安症には、パニック症、広場恐怖症、社交不安症、全般性不安症、などが含まれます。
自殺が起きる「うつ病」ではなくて、不安症、強迫症、不眠症などです。これら「神経症」の場合、手法としては「逆説志向」が、用いられて、治療期間については、次の言葉あります。
◆逆説志向(不安症など)
「私の開発した逆説志向という方法である。このロゴセラピーの技法は、恐怖症の患者がとても恐れているその恐怖をまさに自分から望むように努力することによって治癒力が働くということを土台にしている。」(注3,p305)
たとえば、ある場面で、手が震える「振戦恐怖(震え)恐怖」に苦しむ患者の場合。
「さあ、一度、その人の前で少し震えてみせよう。
どれほど私が上手に震えることができるか、その人にお見せすうとしよう。」その結果――手紙によれば――振戦恐怖も振戦そのものもただちにおさまったという」(注3,p306)
◆治療期間(不安症など)
上記は、たった1回の支援で治った事例です。不安症などは、多くは、次のようです。
「何年にもわたる病歴がある患者の回復には、平均して、週に2回の治療を、全体でおよそ六カ月から一二カ月行うことが必要である。」(注3,p322)
それでは、「希死念慮」のある、「うつ病」はどうでしょうか。
手元にある文献をチェックしましたが、見つけることができません。この深い精神因性の神経症にも種々のものがあるためのようです。次の記事でさぐってみます。
(注1)NHKこころの時代 テキスト
『ヴィクトール・フランクル 〜それでも人生には意味がある』勝田芽生、NHK出版
(注2)SIMT=Self Insight Meditation Therapy。自己洞察瞑想療法。
(注3)ヴィクトール・E・フランクル『人間とは何か 〜実存的精神療法』山田邦男監訳、春秋社
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5750
【目次】ヴィクトール・フランクルと後期西田哲学の実践論
〜それでも人生には意味がある
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Posted by
MF総研/大田
at 06:54
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孤独孤立自殺うつ病不安症
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