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第1回の(7) 心因性うつ病にはいくつかの種類が [2025年11月09日(Sun)]

ヴィクトール・フランクル
 〜それでも人生には意味がある
第1回の(7) 心因性うつ病にはいくつかの種類が

  前の記事で、心因性うつ病について述べましたが、フランクルのいう「精神」の働きでは、いくつかの段階があるようです。    

◆うつ病

1) 身体因性うつ病

2) 心因性うつ病
  これに、いくつかの種類がありそう。下記。

3) 精神因性うつ病=フランクルのいう「精神因性神経症」。

 SIMTは、セッション3で「価値」の確認があるといいました。そして、継続支援を開始して、「価値の喪失があると、わかった場合」と言いました。 これは正確にいうと、いくつかに分類できそうです。
 うつ病の患者の中には、意味、価値を持っていて、社会や家庭のために働いていたのに、心理的(心因性)ストレスで、うつ病になるのですが、意味、価値に違う様相を見ます。

2−a) うつの症状はあるが、意味、価値は失わず、何とか働いている(意味、価値の遂行)状態。軽症とみなされるでしょう。

2−b) うつの症状があり、意味、価値の一時的な「休止状態」。従来の仕事などを遂行できないほどの重症。休職せざるをえない状況が典型で、その意味、価値に復帰を望む状態。価値の<完全な>喪失ではなくて、一次的な機能低下。

2−c) 心因性うつ病であったのに、長期の闘病の間に、その意味、価値の<完全な>喪失の状態になった。元の意味、価値への復帰を望まない。 退職し、意味、価値を広く喪失した状態。新しい意味、新しい価値がみつかっていない状態。「精神因性」に移行している。

 以上の3種です。
 2−c)の患者は、ロゴセラピーに類似の治療手法も必要であるようです。家族にすすめられて、SIMTを受け始めたクライアントの中には、完治まで実践できずに、治療を脱落するひとがいました。よく説明して、ロゴセラピーと類似の治療手法を重視する治療手法が必要なのでしょう。


◆ 意味・価値をになう眼窩前頭皮質の考慮

 うつ病には、背外側前頭前野、眼窩前頭皮質、帯状回認知領域、海馬などの機能低下が報告されています。意味、価値について担う脳の領域は、眼窩前頭皮質であるようです。うつ病の患者の中には、眼窩前頭皮質の機能が低下している患者がいるのは、よく知られています。

 フランクルも、ロゴセラピーは万能ではないというが、心理的ストレスから起きたうつ病は、意味、価値を喪失した状態ではなく、意味、価値を持っていながら、心理的苦痛から意味、価値への行動ができない状況であるからではないでしょうか。
 もちろん、SIMTも万能ではありません。上記の3種の違いによって、治療の手法の多様化を検討したほうがいいようです。

 精神因性に及んだ心因性うつ病は、眼窩前頭皮質の機能の低下があると推測されます。ここの機能が低下したうつ病患者の精神療法は、この領域が 十分に回復するようなものである必要があるでしょう。かなり長期にわたる精神因性とみられるうつ病は、眼窩前頭皮質機能の低下があるでしょう。

 精神療法も、研究課題は多いです。



(注1)NHKこころの時代 テキスト
『ヴィクトール・フランクル 〜それでも人生には意味がある』勝田芽生、NHK出版

(注2)SIMT=Self Insight Meditation Therapy。自己洞察瞑想療法。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5750
【目次】ヴィクトール・フランクルと後期西田哲学の実践論
 〜それでも人生には意味がある
Posted by MF総研/大田 at 07:58 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL