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自殺対策に心理職が加わってほしい  〜「相談」だけではなく、認知行動療法で [2025年08月19日(Tue)]
◆「うつ病」の深刻さが記述される文がダイアモンドオンラインに掲載されました。これが、治らないで自殺に向かうことがある。
私も似たような症状になったから、その苦しみがわかり、今もこの活動をしている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2f8ee063fe101395076e3e545236776c5edcc609
【話せない→読めない→観れない→そして…】うつになって「当たり前のことができなくなっていった」順番

◆政治家も学者も宗教者も理解していないという恐ろしい社会になった。
他者の苦しみを共感できない人間ばかりになった。
いじめ、ハラスメント、誹謗中傷、詐欺などが渦巻く日本社会。これら加害者に囲まれて、 誰でも被害者になる可能性がある。
◆がん、要介護状態も、誰もがなる可能性があり、これもうつ病をもたらす。
そして、・・・。
薬で治らないかもしれない。

自殺対策に心理職が加わってほしい  〜「相談」だけではなく、認知行動療法で

 全体的に自殺が多い。先進国の中で特に多い。子どもの自殺が増加している。

 これまでの自殺対策だけでは不十分という点で、参照書籍のA,Bで一致している。

 そこで、新しい対策として、心理職に、うつ病を「治す」支援まで踏み込んでいただく活動ができないか、検討していただきたい。

 次の記事で、札幌医科大学の河西千秋教授の論文(参照書籍:D)に関連して、私の意見を述べた。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4989
【心理職に期待】地域での自殺対策に心理職の関与が少ない

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4990
★心理職の関与が少ない理由が考察されている

 さて、その後も、2万人前後の自殺があり、子どもの自殺は増加している。

 参照書籍A,Bで見たように、対策が十分とは言えない。どうしてか。参照書籍Dでは、心理職の関与が少ないという。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4990
なぜ、心理職が自殺対策の関与が少ないのか
     「実は精神科医も一緒なのだが、一つは地域で活躍することのできるようなフィールドやポスト・対価が用意されていない要因はあると思う。」【要因1】

     「だがもう一つの要因は、心理職や精神科医ほど自殺予防の難しさを知っている職種はないということなのかもしれない(要するに、自殺対策について後ろ向きになってしまうのかもしれない)。」【要因2】

     「地域ではそもそも心理職や精神科医が地域に来てくれるとは想像もしておらず、端から期待されていないのも残念ながら事実である。」【要因3】(以上,参照書籍D:p533)【要因x】は大田が付加。
 このうち、【要因1】は、要するに、この件で働いても心理士に見返りがないのだ、特に、家族の経済を担う心理士の場合、収入がないと、やっていけない。
 これは、極めて自然で当然だ。

 この問題は、研究者にもいえるらしい。i忙しい研究者が、自殺対策に関係することに、時間をさいても、「論文」にならない。参照書籍Bでこういう。  従来、心理士は「相談」事業には参画していると思う。「傾聴」が多いだろう。 だが、それでは、脳の重要な領域(眼窩前頭皮質、背外側前頭前野と背内側前頭前野、海馬など )に生じている機能低下は回復するとは限らない。
 とにかく、自殺防止対策には、薬物療法だけでは治りにくい難治性のうつ病を治すことが重要だと思う。

 従来の心理士の「相談」事業としての関与でない、新しい事業「認知行動療法で治す」ことに関与していただきたいので、一つ具体的な提案をしたい。

心理士にインセンティブのある自殺予防対策

 現場を見ている心理士の中には、医師も各種の専門職も治すことができていないで、苦しむ患者がいることを見ている。その中には、できれば「治す」支援ができないかと考えている心理士が少数だがおられるはずだ。

 ある地域(県か大都市)で、一人でか、数人の心理士が団体を作り、認知行動療法(CBT)(マインドフルネス心理療法SIMTでもいい)を提供する。
 インセンティブ(特に収入)をどうすると得られるかは、集まってデイスカッションすればいい。実は、これは非常に重要である。複数の心理士で行う場合、納得させられる報酬規則でないと、不満の感情が起こり、分裂、退職していく心理士がでてくる。そういう不満の感情、それに影響される行動の結果推測の自己観察もSIMTでは実践する。自己の利益、組織の存続、クライアントの利益を配慮できる心理士でないと、エゴイズムの強いメンバーは組織の消滅をもたらす。個人の悪、組織の悪、個人の利益、クライエント(=社会の利益)の考慮は、SIMTの支援者が学ぶ倫理であるが、納得できないメンバーは去っていく。代表や一人のメンバーだけの利益を図る独裁的なエゴイズムは抑制しなければ(それも、SIMTの実践)、長くは続かない。構成する心理士のメンバーの自由と利益をはかりつつ、クライエント(社会)の利益(実際に「治る」)をはかるのは、とても難しいだろうが。

 次の方策である。

 クライアントの自己負担金と自治体や助成団体から、助成金を得られると、クライアントに<治る効果のある>認知行動療法を、低額で提供し、心理士は時間に応じて報酬を得る。数人で行うと、交替で従事できるし、広報が楽であり、自殺対策に熱心な自治体や助成団体から助成金を得られる可能性が高いだろう。あるいは、クライアントが所属する企業や学校、そして、治りにくい患者をかかえる病院と提携ができるかもしれない。こういうことは、「営業」「広報」であり、それが得意な心理士がやればいい。その仕事にも、報酬を与える。
 うつ病、不安症、PTSDなどを「治す」支援には、1年ほどかかるので、心理士の実働の仕方がほかのこれまでの支援行動とは異なる。 個人の相談、認知行動療法的な具体的・個別的な指導、アドバイスは、ひとりのクライアント(患者)を1年(重症なら2年)、同じ心理士が担当し続ける。
 ただし、自宅での実践が重要(機能低下した脳領域が回復するような効果が期待されるトレーニング)だが、実践方法の説明は、十人でも同時に同じ会場で「グループ」でできる。
 毎月1回か2回、心理士Aによる、グループセッションに参加して、あとは、心理士B,C,D、Eによる相談、個別のアドバイスを1年ほど受ける。(Aも個別の担当になってもよい)
 SIMTで支援する場合も、複数の心理士がいると、詳しい領域があるはずだから、団体で行うメリットがある。いじめ、子どもの虐待、進路、ハラスメントによる苦悩、過労、また、クライアントの職種などで、産前産後、教師、医療関係者、がん患者、など種々の領域にうつ病があるので、詳しい心理士が個別担当になればいい。
 心理士は、グループと個別の実働時間に応じて、報酬を受ける。

 どうやって、クライアントを得るか、広報、営業であるが、これは、複数の心理士なら、できるだろう。

 用いる「認知行動療法」(CBT)であるが、第3世代CBTと期待されたマインドフルネスは、うつ病の治療法にはならなかったが、もっと別のCBTが、あるだろう。その一つが自己洞察瞑想療法(SIMT)である。これも、うつ病に効果があることを、上記の団体で実際の臨床で実験して、数年間追跡して再発の有無まで確認して、その成果を論文にしていただきたい。
 SIMTは、感情の起きる自己評価基準の瞬間的観察、「価値」との関係の瞬間的観察、価値実現行動の選択を通して、行動の変容に力点をおくCBTである。
 このような自己洞察行動が、クライエントの脳内の炎症の回復に効果を及ぼすと思うが、それは、大学や医療機関にある検査装置で、クライエントの<治療前後>の脳の変化を観察していくことが望まれる将来の研究領域である。

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★うつ病が治らない、心理療法の開発の遅れ

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★うつ病の治療法の現在と問題

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★心理士の他、看護師、精神保健福祉士、作業療法士など現場の人も

(参照書籍)
A)渋井哲也『子どもの自殺はなぜ増え続けているのか』集英社新書、2025年5月

B)末木新『「死にたい」と言われたら 〜 自殺の心理学』ちくまプリマ―新書、2023年6月

D)雑誌「臨床心理学」125号(2021年9月、金剛出版)に掲載された論文。
「自殺対策と心理職―保健・医療における自殺対策と心理職に期待される役割」 (河西 千秋氏、札幌医科大学

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Posted by MF総研/大田 at 19:12 | 自殺防止は医者以外も | この記事のURL