高校生の自殺が多い
〜すべての高校に「養護教諭」を置く対策は? [2025年08月17日(Sun)]
高校生の自殺が多い
〜すべての高校に「養護教諭」を置く対策は?
子どもの数が減少しているのに、自殺は増加しているという深刻な状況だ。
子どもの自殺の原因として、多いのは、次のとおりだ。
小学生は、家庭問題。
中学生は、家庭問題、健康問題、進路に関する悩み。
高校生は、健康問題、家庭問題、学業不振、進路に関する悩み。
高校生は、詳細に分析されたデータがある。
全日制高校は、男子も女子も、学校問題がとびぬけて多い。続いて、健康問題。
定時制・通信制高校では、男女とも、健康問題が多い。次いで、学校問題だ。
高校では「健康問題」が多いのは、医師の診察を受けて、うつ病という診断を受ける
ことが多いためであろう。小中学生は、診察を受けていないので、少ないのだろう。
ただ、小中高とも、自殺した子どもは、診察を受けていなくても、うつ病になっていた子が多いだろう。
高校では、定時制・通信制の高校で、「健康問題」が多い。入学前から、精神疾患の傾向があって、
通学中に、さらに悪化して、自殺に至ると考えられる。中学生の時から、不登校、うつ病傾向があるので、
通信制高校を選択した子どもが含まれるだろう。
定時制・通信制高校では、精神疾患の傾向の子どもが入学している割合が高いと心得て、
その治す支援をも、取り入れることはできないだろうか。
通信制高校に、スクールカウンセラーを置いて、在学中のあいだに、スクールカウンセラーから精神疾患の治療の機会を与えることだ。
そうすれば、学校のコストは増加するが、学生からは高い評価を受けるだろう。
学校におけるメンタルな配慮をする教師として、保健室に
養護教諭がいるが、小中学校は、養護教員が義務づけられているが、
高校は、義務がないため、養護教諭のいない学校もある。
このことを問題にしたジャーナリスト、秋山千佳氏がいる(注、参照書籍C)。
「高校生の自殺がなぜ増えているのか」という記事だ。
高校に保健室があると、悩みをかかえた生徒は、そこに来て、養護教諭と会話する。
「何度も顔を合わせて、時間をかけて関係性を築いてようやく、誰にも言えない悩みを
明かしてくれるのです。」(C、p200)
こういう点が、1回きりの、SNS相談と違うところがある。
秋山氏は、高校生の自殺が多い理由の一つとして、高校には養護教諭がいないところがあるせいではないかと
いうのだろう。新型コロナウイルスの不安の中での、提言であるが、高校生の自殺の増加の原因は、コロナばかりではないから、いい対策になると思う。賛同する自治体なら、すぐできるはずだ。
「長引くコロナ禍の不安は、彼らを衝動的な死へと駆り立てかねない。そこを踏みとどまらせるのは、保健室で子どもを受け止める養護教諭のような、大人の支えがあるかどうかにかかっている。」(秋山氏、C、p202)
高校生の自殺の増加をくいとめる対策の一つとして、高校(定時制も通信制も)に、すべて、養護教諭を
配置する政策が考えられる。その教諭は、うつ病を治す認知行動療法のスキルを持っていて、保健室に来た生徒に指導すればいい。
または、うつ病、不安症、依存症を治すスキルを持つ特任心理士を高校に置くという対策でもいい。従来の心理士は、「傾聴」が主であり、それでは、うつ病などを治し自殺を食い止めることはできない。
それもしないならば、自治体に頼らず、賛同する心理士が団体を作り、治す支援をしていく。
渋井哲也氏がいうように、従来の人では不十分なのだ。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4798
★うつ病が治らない、心理療法の開発の遅れ
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4848
★うつ病の治療法の現在と問題
(続く)
(参照書籍)
A)渋井哲也『子どもの自殺はなぜ増え続けているのか』集英社新書、2025年5月
B)末木新『「死にたい」と言われたら 〜 自殺の心理学』ちくまプリマ―新書、2023年6月
C)雑誌『文藝春秋』2021年4月号
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【目次】子どもの自殺が増加
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Posted by
MF総研/大田
at 18:53
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子どもの苦悩
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