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(4)土着と外来の「共生」〜日本文化の特徴 [2025年07月21日(Mon)]

(4)土着と外来の「共生」〜日本文化の特徴

 日本文化の特徴は、外来と土着の共生だといいいます。

 「日本文化は初めから外来と土着のハイブリッドなのです。「外来」と「土着」のどちらかを選ぶのではなく、また二つを混ぜ合わせて一つの総合文化をつくりあげるのでもなく、二つを併用することを選択したのが日本文化なのです。
 二者択一をせず、両方を並べて尊ぶ。その背後にはおそらく、「すべて存在するものは尊い」という世界観が控えています。」(p60)

 「私の考える日本文化の基本構造を示します。その構造とは、「外来と土着という二分法に基づいて、対立する二項を並立にもっていく構造」であると定義したいのです。」(p65)

 「何度も言いますが、日本文化は「一見して矛盾して見える二つ」でさえ「二項並立の構造」へと置き換えることで成り立っています。そうすることで、「対立」を「矛盾」に至らせないのです。」(p180)

 一つの組織の中でも、共生すればいいのです。共生、多文化共生、寛容が日本文化の特徴です。多数派説と少数意見派とが存立するのが、日本文化的なのです。
 しかし、近代の組織の中には、多数派や長老派が少数派や若手の説を排除するのが見られますが、寛容、共生を重視したという日本文化的ではないのです。宗教にも学術の組織にも、異なる意見を排除しているのが見られます。彼ら、組織を牽引するひとたちが、寛容、共生の尊い日本文化を学んで、実行していないのです。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5514
★6つの煩悩のうちの「悪見」とは
 〜 自分や他者に苦をもたらし、社会の発展を妨害

 だから「日本文化は絶滅するのか」と危惧されているのです。これでは、厳しい時代環境に合わせていこうという革新説や若手の自由と活躍を抑圧して日本は衰退します。

【検討中の文献】『日本文化は絶滅するのか』大嶋仁、新潮新書、2025年5月

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5688
【目次】日本文化は絶滅するのか

(続く)
Posted by MF総研/大田 at 17:54 | マインドフルネス心の世界遺産 | この記事のURL