その4 地位・権力あるものの良心が弱い [2025年06月23日(Mon)]
マインドフルネス心理療法、SIMT (14)
仕事でうつ病になった場合
〜その4 地位・権力あるものの良心が弱い
うつ病が重くなると、死にたいと思う気持ちが起きる。
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★私が「死にたくなるほど」「不幸」であること
うつ病になり、自殺念慮が起きると、自宅に戻っても、以前、趣味で喜びを感じていたことをしても、自殺念慮は消えないことが多い。病気が治っていないのだ。
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◆職場でうつ病になると家庭でもどこでもつらい
だから、愛してくれる家族がいても、自殺が起きる。
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◆職場で上司・同僚、外の関係者から攻撃された
職場では、内外からの激しい攻撃が起きる。通常、上司、同僚など内からのストレスが多くて、うつ病になるが、最近は、外からのストレスも大きい。カスハラにおける顧客、保護者から教師へのクレーム、SNSによる誹謗中傷するもの、突然あらわれるプライバシーの暴露者、友人からの裏切り、などがある。
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◆他者からのハラスメントによるうつ病・自殺
彼ら、内外のものは、なぜ、そんなことをするのか。
彼らは、内心に「厳しい評価基準」を持つ。絶対に正しい基準なのではなくて、彼らの「自分本位」の基準であることが多い。裁判に訴えられて、法律違反として裁かれることがある。営利企業ならば、不買運動が起きたり、広告のひきあげなど、組織全体に大きなダメージを与えることがある。もちろん、加害者は解雇されるおそれもある。だから、組織のメンバーに、自己の欲望、自己保身でハラスメントをしてはならないと教育してもいいはずである。
地位・権力あるものの良心が弱い
誠実な人は、ハラスメントはしないものだが、違法な「ハラスメント」を行うものは、そうしない者とどこが違うのか。
(後期西田哲学の実践論としての自己洞察瞑想療法、SIMTによれば・・・)
【図5676】が、「価値崩壊」の反応をする者と、「価値実現」の反応をする者の内心である。
(図5676 価値実現の反応の時働く良心)
普通、ひとはみな、自分の「価値」の方向(ノエマ、対象)を見ている。仕事のこと、家族のためのこと、趣味のこと、などである。それを遂行するもの(ノエシス)は、自己である。その自己自身を深く見ることは、普通はしない。良心は自己の罪の意識をみる、「自由なる自己そのものを見る良心」(西田哲学、旧巻5,p176)という。
人はみな、自分で選択した家族、仕事(ノエマ)を遂行して、満足ならば幸福感を感じる。幸福な人生とは、自分で選択した「価値」を実現できることである。
ところが、他人の幸福を破壊するおろかな者がいる。他者の幸福、不幸を共感せずに、自分が幸福でありさえすればいいというエゴイストがいる。これでは闘争、殺戮の世界となる。
図の「価値実現」の反応は、第2世代マインドフルネスの、自己洞察による実践である。自分が言葉、行為を表出する時に、その結果が、自分の「幸福」になるか瞬時に推測してから、発語、行動しようというのだ。この時に、「自分」だけの価値、幸福をもとめるような言動で反応するのが、エゴイストである。そうせずに、自分の価値、幸福、と同時に、相手、他者の価値、幸福も破壊しないなと結果推測してから、発語、行動するのが「良心」と言える。
ハラスメントを行う者は、この良心がうまく働かないのだ。発言、行為するまさにその瞬間、その人がうつ病になるかもしれない、自殺に至るかもしれない、PTSDとなり一生不幸になるかもしれない、そうなってはいけないから、自分の言葉、行為を抑制しようという良心が働かない。
いま、不幸なことが起きている。政界、芸能界、ビジネス界、教育界、学問の世界、宗教界で、地位のあるもの、力あるものによる、他者を不幸にするような言動により、多くのひとの人生を滅茶苦茶にしている。
この世界は無数の人間の夢と希望を実現していく場である。人間の数だけある「価値」の世界が充満している「共生」の世界だ。ハラスメントは、その世界の一部を破壊する行為だ。その一部がつらい世界となる。共生世界が生きにくい世界となる。
そうしないように、自分の言動のまさにその瞬間に、自分と他者の価値を崩壊させないように、自分の悪に向かおうとする闇の心までも観察、抑制して生活するのが、後期西田哲学の実践論であり、それを学ぶのが、第2世代マインドフルネスの一つ、SIMTである。
高い地位にあるひとも、こういう心得を理解し、実践していただくとよいのだが。さもないと、一部のひとは、ハラスメント、違法として訴えられて、自分自身も家族(加害者の家族として)も不幸になるのだ。
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(続く)
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5658
【目次】無評価で観察(第1世代マインドフルネス)と
無評価でない観察(第2世代マインドフルネス)
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Posted by
MF総研/大田
at 12:39
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