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オンラインを多くする子どもの脳の発達が停滞 [2025年05月24日(Sat)]

オンラインを多くする子どもの脳の発達が停滞
 〜相談事業だけでは自殺のリスクあるうつ病のひとをうまく治せない

 孤独・孤立対策と地方創生SDGsターゲット3.4の自殺防止対策の新しい事業を開始します。

http://mindfulness.jp/kodokukoritu/2025-7-ibasho.pdf
◆うつ病を治し自殺を予防する
【マインドフルネスSIMTを活用した居場所】

 薬で治らないうつ病の人が3−4割おられます。うつ病には「自殺念慮」という恐ろしい症状があります。 だから、うつ病が完治しないと、ずっと自殺のリスクが続いています。

 これは、厳しい事態です。治せるものなら、何とかしたいと思うのが人情でしょう。「見て見ぬふり」と言う言葉があります。 何かできるなら、治る方法がないものか、研究し続けます。

 川島隆太教授の本に着目しました。

 今、オンラインがブームです。オンライン・カウンセリングで、うつ病が治らないひとを治すことができるのか、考えはじめました。オンラインや電話だけでは、何かうまくいかないケースが多いのです。

◆オンラインでのコミュニケーションでは、「他者の気持ちを読みとったり、他者に共感したりするとき、脳で働く場所」が動かない。
それは、大脳の3か所。一つめは脳の前頭葉の内側、ちょうど額中央の奥のほうです。2つめが 側頭葉と呼ばれている場所の先端あたり。3つめが側頭葉と後頭葉の間あたり  【ブログ5648】

◆「スマホやパソコンによる「オンラインコミュニケーション」は、 情報を伝達できても心が通いあわず、対面によるコミュニケーション で自然に生じるような互いの共感・協調・協力関係などを、うまく築くことができない。」 (p163) 【ブログ5650】

◆オンラインの多い子どもの大脳の神経細胞が増加しない

 オンラインがはやりです。学校の教育、相談、家族・友人との対話、講義、ゲーム、、、、、。 オンラインばかりやっている人がおかしくなっているそうです。オンラインをやり過ぎる人の脳に障害が起きているそうです。

 「インターネット習慣がない、または少ない子どもたちは、3年間で大脳灰白質の体積が増加していました。 ほぼ毎日インターネットを使う子どもたちは、増加の平均値がゼロに近く、恐ろしいことに、 ほとんど発達が止まっていたのです。」(p146)

 「大脳灰白質」神経細胞が並ぶ層(p144)が発達しないのは、神経細胞の数が増加しないわけです。

 オンラインを多くする子どもの学力の低下がみられるそうです。

 私は、治りにくいうつ病の人を「治す」活動をしていますので、そこに注目するのです。 うつ病(大人の)の患者の脳が萎縮しています。眼窩前頭皮質、背外側前頭前野、帯状回認知領域などです。ここが萎縮しています。

 うつ病が治るためには、ここが回復すべきです。支援者がオンラインだけで、カウンセリングを続けたら、信頼感や直の対面の脳の部位は動かないのでしょう。信頼感を持たない支援者のアドバイスで、どこまで、実践してくださるでしょうか。
 マインドフルネス心理療法SIMTで、うつ病の患者さんを「完治」にまで支援するのは、信頼のある人同志でも、1年かかります。脳の萎縮した部位が用いられるようなアドバイスを、確かに実行すれば、回復するのでしょう。

 しかし、オンラインだけのカウンセリングは、お互いの信頼感が生まれそうにありません。川島教授の研究結果からです。となると、支援者を信頼できず実践せず、なかなか治らないかもしれません。

 たしかに、オンラインでつながった人では、詐欺や悪意を持ったひとによって、犯罪にまきこまれている事件が多発しています。長くオンラインで交流していたひとの間では、相手の人柄がわかりにくいです。信頼できるひとかどうかわかりません。

 7月からの居場所は、直の対面です。大脳皮質が活発に動き、神経細胞が増加してうつ病の治りが早いのではないかと期待しています。
 2013年に、『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』を出版する前は、オンラインはやりませんでした。よく治っていきました。わざわざ、遠方から来ていただきました。遠いひとは、新幹線や飛行機で。こういうカラクリがあったのかもしれません。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5648
【連続記事 目次】対面の精神療法・居場所参加が効果的
〜うつ病を治すためには、「オンライン脳」に学ぶ
〜川島隆太教授『オンライン脳』(出版社はアスコム)
Posted by MF総研/大田 at 21:33 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL