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がん患者のうつ病/自殺の防止に精神療法による支援を [2025年03月17日(Mon)]
【全体展望】 どの領域にうつ病・自殺のリスクがあるか
 〜 不安症、PTSDも

がん患者のうつ病/自殺の防止に精神療法による支援を

 自殺対策基本法が制定された(2006年)。そして、孤独・孤立対策推進法が施行された(2024年)。がん患者も、この支援の対象です。

◆がん患者のうつ病・自殺が多い

 がん患者は、うつ病になりやすい。そして、自殺も起きている。

 厚生労働省の資料(注1)によると、40歳以上の住民約14万人を20年以上、追跡調査したところ、11,187人ががんを発症し、34人が自殺したが、1年以内の自殺が、13人(0.12%)だった。
 「がん患者100万人/年にあてはめると、がん罹患後1年以内の自殺者は1,162人(全自殺者の約5%を占める)。」

 アメリカのスタンフォード大学のIan Kim 氏らが、最近、がん患者/サバイバー(CPS群)のうつ病が増加傾向にあると報告しました。 この4年間で、うつ病が26.53%→29.78%、不安障害は24.02%→28.08%に上昇しました。(注1)(右図1)
 がんでないひとも、15−16%くらいから、18%くらいに増加しています。
 最近、うつ病になる人が増加しています。 ◆がん患者に精神療法によるうつ病・自殺の予防を

 がんと宣告された人に、うつ病予防、自殺防止の対策が必要である。

 がんになると、うつ病になる人がいますし、1年以内に自殺してしまう人もいます。うつ病、自殺対策が必要です。なぜ、うつ病になるか、なぜ自殺するのか、その予防法などを理解して実行したいと思います。
 うつ病になるのは、つらい思考を渦まかせるためです。陰性の感情を起こし、炎症性サイトカインというタンパク質を分泌させてしまい、脳の前頭前野、帯状回などを傷つけて、うつ病を引き越します。治療しないと悪化して、自殺も起こります。
 自分や家族ががんになった場合、よく見守って、相談場所を紹介したりしましょう。自治体の相談窓口でも予防支援へつないでほしい。支援組織を広報してほしい。

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拙著もがん患者の深い「マインドフルネス」による支援の文献である。
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【書籍】 『死と向き合うためのマインドフルネス実践』
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【目次】 どの領域にうつ病・自殺のリスクがあるか  〜 不安症、PTSDも
Posted by MF総研/大田 at 17:02 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL