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自己洞察瞑想療法SIMTは第1世代マインドフルネスとは全く違う [2025年01月21日(Tue)]

自己洞察瞑想療法SIMTは第1世代マインドフルネスとは全く違う

 ブームになった「マインドフルネス」とSIMTとの違い
 ブームのマインドフルネス=第1世代のマインドフルネス
 これを超えるマインドフルネスSIMT=第2世代のマインドフルネス
 全く違うマインドフルネス


 ブームになった「無評価で観察の瞑想」(第1世代のマインドフルネス、第1世代MD)は、精神疾患の治療法の効果がありません。しかし、これを超えた観察法である「自己洞察瞑想療法」SIMT(第2世代MD)は、うつ病、不安症、PTSDなどを「完治」させる効果があります。なぜでしょうか。観察する場面、範囲、態度、実践支援期間などが全く違うからです。
 仏教においても、初期仏教と大乗仏教は全く違うと言われます。そう、同じく「観察法」といっても、大きな違いがあります。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5011
(1)観察の範囲の違い ー生活場面・時の違い

E-3-SIMT3日米の比較new5.jpg

 第1世代MDは、静かな場面、つまり瞑想の時だけです。対面の時、仕事の時ではありません。「瞑想」の時だけです。

 SIMTは、すべての場面で観察します。「瞑想」時だけではありません。
 図の下の図のマスクしたところは、第1世代MDでは、観察されません。こういう場面では、「評価」するからです。 「評価する」「評価される」場面までも観察するのがSIMTです。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5012
(2)観察の方法の違いー無評価だけ、さらに6つの態度、本音・価値 行動中にも観察
   感情や本音(自分の評価基準)も観察

 第1世代MDのうち「簡素化マインドフルネス」では、一つの態度でしか観察しません。第1世代でも、「MBCT」は、7つの態度で観察します。これは、ややSIMTに近いのですが、場面が「瞑想」の時だけです。SIMTでは、感情が起きた時、そこには自分の評価基準があるから、観察するように指導します。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5215

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5549
 ヴィクトール・フランクルは、人はそれぞれ、創造価値、体験価値をもっているのでした。職場の世界、家族の世界がみな違っています。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2651
SIMTでは「価値」も観察

 ひとはみな、自分の生きがい、価値の世界を複数もっています。現在の瞬間の、見たもの聞いたものが、「価値」と関係するか観察します。思考に入ったら、価値実現の内容であるか観察します。
 行動しようとする瞬間、その行動が、自分と相手にとって「価値実現」であるかどうか評価します。ハラスメントではないか、誹謗中傷ではないかとも評価します。
 見る時、聞く時も、価値実現であるかどうか評価します。詐欺ではないか、誹謗中傷ではないか、などです。

 ブームの簡素化MDもMBSRもこのような観察はしません。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5013
(3)観察の範囲の違いー自己の深さの違い
 ー自己とは何かという存在論の哲学
 〜 自己の階層

 簡素化MDもMBSRも、自己は観察しません。SIMTは自己も観察します。西田哲学によれば、「自己」には階層があります。SIMTは、これを観察します。
 第1世代MDにあたるアクセプタンス・コミットメント・セラピー(ACT)も、自己の観察をいいますが、西田哲学、SIMTとは違っています。東洋の深い哲学のためです。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5013
に掲載の図=自己の階層

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2403
★自分とは何か=深いマインドフルネス

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5014
(4)観察の範囲の違い
  ーハラスメントする心理・エゴイズムの心理

 私たちは、みな、闇の心理、エゴイズムの心理、「自分の利益」をはかろうとする心理などを起こします。SIMTは、これも観察して、抑制します。
 第1世代MDでは、観察しません。

 第1世代MDは、アメリカでは「倫理的な問題」があると、批判が起きているそうです。 不正やいじめをみても「無評価」、うつ病などで苦しむ人をみても「無評価」では、「見てみぬふり」の非情な態度になります。うつ病の重い患者には、自傷、自殺のリスクを高めるという批判もあります。第1世代MDは、 アメリカでは、すたれていくでしょう。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5015
(5)観察の範囲、説明のしかたの違い〜禅との違い

 ただ坐禅するという坐禅も、行動中のエゴイズムの心理など観察しません。坐禅時だけです。

 以上のように、第1世代MDは、実に狭い範囲しか観察しません。
 うつ病などの治療には効果がない原因の一つです。

 以上の違いを見ても、第1世代MDが、うつ病などの「治療法」にはなりえないことがわかるでしょう。

 SIMTは、期間も違います。うつ病などを完治まで支援するためには、1年近く、実践します。 第1世代MDは、2か月が標準ですね。重症や薬でも治らないひとのうつ病、不安症、依存症などは、そんな短期間では治りません。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2464
グループセッションでやれば、このように多数を支援できる

 一人の支援者(MMT=マインドフルネス瞑想療法士レジスタードマーク)が地域にいると、グループセッションで、このように大勢のひとを支援できます。全国に展開したいものです。
 うつ病が薬で完治しない人がいます。精神科医のいない地域もあります。 MMTがいれば、 うつ病などが治り自殺しないですむひとが多くなります。

(編集中です)


この記事は、次の【問題点の展望・目次】の一環です。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5555
【目次】孤独・孤立対策・自殺防止対策・質の高い教育
 〜 治療法・予防法の研究・開発・臨床・教育
Posted by MF総研/大田 at 18:47 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL