• もっと見る
«(6)宗教的問いをするのは医師であることが多い | Main | 火の誓い 河井寛次郎»
認知症になるリスク要因は14、予防も可能 [2024年12月19日(Thu)]

認知症になるリスク要因は14、予防も可能

 被災地では、要介護状態になるひとが増えます。東日本大震災での教訓です。  そして、すべての家庭で、高齢者は同じように要介護状態になるリスクがあります。

 次のように、認知症になるリスク要因が14もあります。イギリスのランセットの委員会が発表したリスク因子です。数値が大きいものがリスクが高く、また、みな予防できるのです。
 これらの因子は、認知症だけではなくて、うつ病、生活不活発病のリスク因子もあります。 そして、要介護状態、早期死亡のリスク因子も含まれています。

図)予防可能な認知症リスク因子
192号グラフfinal.jpg

 高齢になると、生活不活発病(足が弱って歩行困難になる)、うつ病、認知症のどれか、または、併発して、要介護状態になるおそれがあります。
 特に、冬、被災地、雪国、一人暮らしなどによってリスクが高まるでしょう。

 認知症やうつ病などを予防したいので、私どもは、高齢者向けの「心の健康体操」をすすめて、実践しています。  ランセット委員会の研究によれば、14因子が認知症のリスク因子です。

被災地で特にリスクが大きい

 被災地では、大きな避難所暮らしから、戸建ての仮設住宅に移る段階になります。これから冬にはいります。すると、次のリスクが重なるおそれがあります。
    1)外出することが少ない=「運動不足」
    2)対人交流が少ない右矢印1孤独感を感じやすい=「社会的孤立」
    3)被害が大きいことに悩む、生活がつらい、身体の病気がある=「抑うつ」になるおそれ
    4)認知症、うつ病、生活不活発病などについて教育されない=「教育歴」
    5)個人によっては「難聴」「視力障害」「飲酒」「高血圧」「高LDL-C血症」など
 これから、冬になります。上記のようなリスクがありますので、集会所などに集まって、予防的なプログラムを実施するとか、お茶、楽しく遊ぶなどをしたほうがいいのです。「居場所」です。地域のリーダーのすすめで、地域の指導員がするといいのでしょう。出てこれないひとがいれば、訪問する方法もできればいいのです。
 居場所に参加していたのに、来なくなる人がいたら、うつ病や身体の病気になっているかもしれないとして、訪問すれば、早く発見して、支援につなぐことができます。
 高齢者は、うつ病、自殺のリスクも高いです。

全国すべての高齢者にもリスクが

 被災地に限らず、全国の高齢者にリスクがあります。「孤独・孤立対策」の対象になる状況のひとはみな、認知症、うつ病、生活不活発病のリスクから、要介護状態のリスクがあります。もちろん、全国的に高齢者は、うつ病の増加、自殺の増加があります。
 だから、みな、「居場所」への参加が大切です。出てこれないひとには、訪問サービスができればいいのですが。

 私は引退が近いので、いつまでも通うことができませんので、現地に「心の健康体操」指導員になるひとの育成をしたいです。被災地にも連携してくださるところをみつけて、育成プログラムを開催することを模索します。

 「地方創生SDGsの官民連携プラットフォーム」では、ターゲット3.4としての「自殺防止」を登録しましたが、みていただけるところがありません。別な方法が必要だと感じています。
 そして、地域に担い手がすぐには見つからないかもしれません。私どもの代に実現しなくても、こういうものは地域住民のためには効果的だと思いますので、将来検討していただきたいと思います。

【関連記事】

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5518
★この団体も消滅のきざし
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5313
★能登で大地震 〜 長期にわたって
 うつ病、PTSD、睡眠障害のおそれ
 認知症、生活不活発病、要介護状態も
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5338
★孤独・孤立対策にうつ病の視点を
 認知症、生活不活発病、要介護状態、自殺などの予防の視点も
Posted by MF総研/大田 at 17:47 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL