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中高年の自殺防止に取り組むべき  〜地方創生SDGs 3.4 および、孤独・孤立からの自殺の減少 [2024年12月06日(Fri)]

中高年の自殺防止に取り組むべき
 〜地方創生SDGs 3.4 自殺の減少
 〜孤独・孤立からの自殺の減少

 最近は、若い人の自殺が増加しているので、その対策の検討が始まっている。それは、開始してもらいたい。

 ほかに、自殺者数が多いのは、中高年である。長い期間気づいているはずの問題であるのに、抜本的な対策が遅れている。

 40歳代、50歳代の自殺が多い。(参照:下の図)
 このような年代のひとには、まだ就学中の子どももいることが多いはずで、悲しみははかりしれない。

 発表された資料によれば、判明した原因で多いのは、「うつ病」である。これは、精神科の治療を受けていた人である。このほかに多いのが、がん、その他の身体疾患である。これは、精神科の治療を受けていない人である。なぜ、がんや身体の病気で自殺するのか。がんや身体疾患には、自殺念慮の症状はない(ごく少数のものがある)。これは、「うつ病」を併発したのだ。そして、精神科の治療を受けていないのだ。

 こうしてみると、うつ病も身体の病気も、多くのひとがかかる。いや、80代、90代までに、ほとんどすべてのひとがかかるであろう。

 大きな問題がある。
 一つは、うつ病になったら、精神科医の治療を受けていても、自殺する人がいる。これが、自殺統計で、原因が「うつ病」とされるものである。すなわち、精神科の治療を受けていたのだが、薬物療法の「完治率」が低く、治療を受けていても治らず、自殺するひとがいる。
 欧米では、うつ病には認知行動療法(CBT)も効果があると言われているが、日本では受けられるところが少ない。

 第2の問題は、身体の病気(がんや難治性の病気)になって、抑うつ症状が出てきたのに、精神科の治療を受けないうちに、自殺されていることだ。精神科の治療を受ければ自殺しないかもしれないのに、自殺されている。

 図のように、この2つの問題が、10年以上、継続している。抜本的な対策がとられていないのだろう。 地方創生SDGs3.4の課題でもある。孤独・孤立対策の問題である。孤独感が強い人は自殺のリスクが高い。孤独感からうつ病になってしまう。孤独・孤立のゆえに、治療しようという家族や支援者から気づかれず、自殺が起きる。

 どうして、自治体は対策をとらないのだろうか。
 自治体の職員も過労気味であるとか、ほかのことで忙しい? どういう対策をとればいいかわからない? 予算がない?
 企業などの団体や組織にもうつ病が起きるが、トップや管理職のうつ病についての理解がないのだろう。ハラスメント、過労は組織のトップ次第だろうが。
 ハラスメントや過労からも、うつ病、そして、自殺が起きる。
 医療関係者の自殺も多い。過労や心理ストレスなどの問題はここにもある。
 自治体はすることが多くて、対策をとれないかもしれない。
 では、個人が対策をとるべきか? 個々人も、自殺予防の心得を理解しているのだろうか。家族はどうか。
 この問題を30年みてきた。対策の先行きが見えにくい。ほかのひとはなおさら見えにくいだろう。突然、家族が、うつ病、自殺の危機になるはずだ。

(図)年代別自殺者数
p8-年代別自殺者数-図表1-5.jpg
(厚生労働省自殺対策推進室 警察庁生活安全局生活安全企画課)

(編集中です)


https://blog.canpan.info/jitou/archive/5382
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Posted by MF総研/大田 at 17:42 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL