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小中学生の不登校が最多34万人 [2024年11月01日(Fri)]

小中学生の不登校が最多34万人

 不登校34万人の報道があった。 文部科学省が「問題行動・不登校調査」の結果を31日に公表した。

 2023年度に全国の国公私立小中学校で「不登校」とされた子どもは、34万6482人となり、過去最多を更新した。 前年度から15・9%(4万7434人)増である。

◆NHK NEWS

◆毎日新聞

◆産経新聞

 次のことが指摘されている。

不登校の状況

 不登校は病気や経済的理由ではない要因で年間30日以上登校しない状況を指す。
 「学校生活に対してやる気が出ないなどの相談」が32・2%で最多、「不安・抑うつの相談」が23・1%と続いた。
 前回は「無気力・不安」を要因とする回答が最も多く、形式を変更しても前回と同様の傾向となった。

◆ 問題点
 専門家らの十分な支援を受けていないケースも多い。
 保護者は離職を余儀なくされ、うつ病になるケースもある。

◆ 対策
 文科省は居場所の確保などを進める。

◆ 指摘されていない問題点
  ただし、大田が考えるに、不登校は「病気が理由でない」というが、うつ病、不安症は病気である。それが、含まれていると思う。相談内容のうち、やる気がでない、不安抑うつ、生活リズムの不調(うつ病による睡眠障害の可能性がある=大田の見方)、などがある。

 相談内容から考えると、子どもの中には、うつ病、不安症などもある。これらの病気を教員も保護者も知らず、治療の助言をして、治すということができていないのではないか。あるいは、薬以外に治す場所がなく、治療を受けていないのではないか。
 病気でない不登校とみなしているので、「治療」がされず、長引いているケースが含まれていると思う。治療がされなければ卒業までに治らず、普通の高校にも進学できず、通信制高校に進学するか、それができなければ、進学を断念しているのではないか。通信制高校に進学した中に、精神疾患の生徒がいるかもしれないが、「治療」を受けられているのか。
 治療という視点も考慮しないと、中学後期、高校進学後に、「自殺」をもたらしているかしれない。

 こうした状況をつかんで「治療」という視点も入れた対策もとられるべきだ。
 また、なぜ子どもがうつ病、不安症などになるのか、原因をつきとめて予防対策をとるべきだ。なぜなら、大人がそういう環境、学校を作ったはずだから。
 このころの、うつ病、PTSD、不安症などが治らないのは、人生に進路に、大きな影響を及ぼす。

現在の医学等で回復できそうもない病気・障害等の苦

 子どもの不登校のなかには、発達障害のケースもあるだろうが、マインドフルネス心理療法SIMTで「治す」ことはできない(ただし、生き抜いていく心の成長はできる)と思うので、子どもにありがちな発達障害については何も述べてこなかった。

 うつ病、不安症、PTSDなどは、高校生になったら、薬物療法や精神療法で治せる可能性が高いので、絶望しないように、自殺しないように、ということを子どもも保護者も教員も理解していただきたい。そういう教育が重要であると思う。高校生になったら、SIMTのような精神療法を受けることができるだろう。

 今、別の連続記事で、大乗仏教の唯識を竹村牧男氏の著書で確認しているが、その当時の医療や技術、対策では治らないと思われること(病気、障害、文化的問題など)でも、それを苦悩するだけではなくて、人生を生き抜いて自分の価値を実現していく(利他)というこころの学習のためには、やはり大乗仏教のような実践を現代的に構成された方法を開発できるればいいのだが。
 たとえば、発達障害、がん、不治の病気、難病、種々の障害などのひとや経済社会的文化的問題で苦しむひとがその苦に耐えて受け入れて(忍辱)、いきぬいていく心の成長(持戒)をしながら自分のしたい価値(障害などがあってもできるスポーツ、芸術など)や同じ問題で苦悩する人のための場所を提供するなどしていく(布施)ことは、大乗仏教やSIMTを参考にした実践生活方法を開発できれば効果的であろう。すでに、そうしている人びとがいるので、その心の用い方を精神療法化することに類似する。
 こういう生き抜いていく心の用い方の実践ならば、高校生なら実践できるひとがいるだろう。大乗仏教も、そういうものであったのではないかと思う。すべての人の苦悩の解決をめざしているだろう。とすれば、SIMTのような現代の人ができるような実践方法を研究開発していけばいいと思う。こういうことは「宗教」ではない、人生哲学(布施、持戒、忍辱の実践を含み現代的な用語で体系化したもの)の実践論(現代人が実践できる方法)の実現である。

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Posted by MF総研/大田 at 18:57 | 子どもの苦悩 | この記事のURL