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(2)大乗仏教の生活・修行の段階〜大乗仏教の核心〜「唯識」で見る [2024年10月27日(Sun)]

大乗仏教の核心〜「唯識」で見る
(2)大乗仏教の生活・修行の段階

 『禅門の異流 盤珪・正三・良寛・一休』の紹介をしようとしている。 遠回りするようだが、大乗仏教の本道をこれら4人はいったのである。それが、当時の仏教界への厳しい批判だった。それが現代でも続いているようなのだ。嘆くひとが少数おられる。だから、今なお、こういう古典(?)が出版される。

 宗教界がそうであれば、政治・経済・学問・教育などの世界にエゴイズム、ハラスメントが充満している のは当然である。仏教の活用として新しい「科学」であると称する「マインドフルネス学」にも、エゴイズムが起きた。仏教のエゴイズム批判を無視して、繰り返している。全く、エゴイズムはすさまじい。各界、各組織の重要な地位にあるものがエゴイズムの行為をし、人の苦悩の解決を妨害するのだ。こういうことをするなというのが大乗仏教であるはずなのに。

 この4人のエゴイズム批判は、大乗仏教の重要課題であったのに、現代でも通用するところもある。そういう視点から、本書をみようとしている。そのためには、そもそも大乗仏教とはどういうものか知る必要がある。

 大乗仏教の核心は、大竹晋氏によれば、@「自内證」、A「人間完成」、B「利他」であるが、現代の仏教は、これらに弱いという。 まず、B「利他」とは、他者のために働くことであるが、宗教ならば、人々の苦悩を解決する支援をすることであろうが、大乗仏教唯識では、具体的には、六波羅蜜のうちの、3つ、 布施、持戒、忍辱であるという。

 これも、現代の仏教には弱いというが、どういう内容か、竹村牧男氏の著書でみていく。 唯識は、大乗仏教の哲学思想を詳細に記述しているが、解釈がかなり難しい。次の本がわかりやすく説明している。 ここではこれを参照する。
    竹村牧男『知の体系』佼成出版社

大乗仏教の生活・修行の段階

 大乗仏教は、長遠の歳月をかけて、心の成長をとげて、仏になっていく道だという。どういう生活、修行をすればいいのかを修道論という。
 「修道論・・・仏に、我々凡夫が、どのようにしてなっていくのか」(竹村牧男『知の体系』佼成出版社、p194)

 長い修行生活を5つの段階として説かれている。資糧位・加行位・通達位・修習位・究竟位の五つである。

• 資糧位
• 加行位
• 通達位(見道)
• 修習位(修道位)
• 究竟位(仏の位)

 現在の仏教に欠けているものは、「利他」というが、それは、ごく初歩の段階、「資糧位」である。臨済宗で「見性」という悟りに体験があるが、それは、 「通達位」(見道)である。

資糧位〜基本的な修行の段階

 「資糧位は、基本的な修行の段階、これからの長遠の道程において、途中で退転しないよう、その道中の資糧を集めておく段階です。」(p195)

 資糧位は、基本的な修行を修していくのです、それには、様々なものがある。

 「この中、最も基本となるのは、やはり、六波羅蜜です。」(p199)

 「周知のように、六波羅蜜とは、布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧という、この6つです。」(p199)

 大乗仏教の基本中の基本が「利他」であり、それは、六波羅蜜の初めの3つ、布施・持戒・忍辱であるわけだ。 その内容は、次の記事でみていく。

(この記事は次の連続記事の一部です)
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5495
【目次】大乗仏教の核心〜「唯識」で見る

Posted by MF総研/大田 at 08:28 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL