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【書籍紹介】深い禅に関係する昭和の時代の書籍 [2024年10月16日(Wed)]

【書籍紹介】深い禅に関係する昭和の時代の書籍
『禅門の異流 盤珪・正三・良寛・一休』(1)
 〜解説 竹村牧男(東洋大学名誉教授)

 深い禅に関係する昭和の時代の書籍が新しい装いで出版されました。 一体、「宗教」とは何か、仏教は宗教の核心を示しているのか。

『禅門の異流 盤珪・正三・良寛・一休』
 秋月龍a、講談社学術文庫、2024年9月10日

 ブックカバーにこう紹介されています。

 「強烈な個性をほとばしらせた禅者たちがいた。「不生禅」盤珪、「在家禅」正三、「大愚禅」良寛。そして「風狂禅」一休。かれらはいずれも、時の権威に背を向け、反骨をむき出しにして、まことに独創と言うべき道を選んだ。それはなぜか。かれらの言葉をふんだんに引き、かれらの激しく厳しい禅は「本流」にも劣らない「偉流」を成すことを、泰斗が説く。」

 禅は、大乗仏教の一派です。輪廻からの解脱を求める初期仏教(四諦八正道の)ではないということです。大乗仏教は在家として、家族と職業の生活の中で、この人生を生き抜いていく在家生活での実践を重視した仏教です。

 しかし、大乗仏教の経典も深い禅の教えも書籍も難解です。経典も学者、僧侶の解釈も、本もどういう視点から、読むか人によってまちまちです。 本書を紹介するにあたり、私の関心事の、マインドフルネス、現代人の心の救済、精神療法的、かつ、人生を生き抜く哲学などに関係があるのかという視点からのみ本書を紹介します。

 大乗仏教は、出家ではなくて、すべての人間の家庭生活、職業生活の中で、問題の解決をしていく心の探求です。 現代の仏教が、大乗仏教の核心を捨てていると「学問的に」解明した書籍がありました。このブログで紹介しました。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3930
書籍 『大乗非仏説をこえて』大竹晋、国書刊行会

 現代仏教で、失われた核心、弱いのが「利他」と「人間完成」と「自内證」と指摘しています。

 大乗仏教の経典を見ると、煩悩に気づき抑制することを強調しています。これが「人間完成」 でしょう。しかし、その前に、完成どころか、まず自分自身の 問題、「苦悩」があるはずです。その解決があります。自分で解決できたら、他者に教えて、他者の苦の解決になります。「利他」でしょう。

 利他でも人間完成でも、現代用語で言えば、自己の利益、独断で自己、他者を苦しめる思考、発言、行動をやめよということでしょう。自利、我利、我執、自分さえよければ他人をいじめ、排除、苦しめるエゴイズムの心理、他者を苦しめるハラスメントの心理や行為などでしょう。ここでは、総称して「エゴイズムの心理」とよんでいきます。

 「エゴイズムの心理」に執着すると、他者を苦しめ、うつ病などにおいこみ、自殺もさせます。 自分に向かうことがありますが、それで自分を苦しめます。 すべての人が、これを犯すことが常時あるので、観察して抑制していこうというものでしょう。 マインドフルネス心理療法SIMTでは「本音」の観察としてとりいれたので、理解していただけるでしょうか。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4589 
★本音の観察

 本書(禅門の異流)でも4人とも、僧侶や学僧を厳しく批判しています。どこを批判しているのかというと、人間完成を目指さないで自利をむさぼる、 悟りを自内證しないこと、在家の苦悩の解決のアドバイス=利他、をしないことといえます。

 こういう視点から、『禅門の異流』の4人の主張から抽出すると次のことがあります。

 4人とも、当時の禅僧が、悟りの体験(自内證)のないことを厳しく批判しています。本書に目を通すと、この点は、すぐにわかります。良寛、鈴木正三は曹洞宗ですが、悟り(自内證)がないと、僧侶を批判しています。この点は、西田幾多郎、鈴木大拙、井筒俊彦などが十分説明しているので、ここでの紹介は省略します。  ただ坐禅すればいいという禅や、公案を理屈で通過(実践せずに学問的の思考を尽くすことで通過)、では、自内證がない。これでは、「人間完成」、「利他」もない。一体、宗教とは何なのだ、と批判してきた一群がいるのは当然です。

 わかりにくいのが、この4人が人間完成、利他をいうのかという点です。

(続く)

こういう深い宗教・仏教が国民や若い学徒に教育されない問題
=現代の精神社会問題見て見ぬふり・無視・傍観、苦悩するひとが自殺していく、カルト宗教の被害にあう

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5338
【連続記事目次】孤独孤立対策にうつ病の視点をー2024年

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4714
地方創生SDGs ターゲット3.4 自殺の防止

マインドフルネス総合研究所のHP ターゲット3.4 精神療法の遅れ
http://mindfulness.jp/sdgs/20-02-target3-4.pdf

  https://blog.canpan.info/jitou/archive/4719
地方創生SDGs ゴール4質の高い教育をみんなに

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4924
【研究・学問の自由のない日本】
大学におけるハラスメント 〜 閉鎖的な構造、対策は進まず



【書籍紹介】深い禅に関係する昭和の時代の書籍
『禅門の異流 盤珪・正三・良寛・一休』

 著者秋月龍a、講談社学術文庫、2024年9月10日
 〜解説 竹村牧男(東洋大学名誉教授)

(続く)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5531
(11)時の権威を眼中におかず禅界の本流の腐敗・堕落に敢然として抗議した人びと
 〜禅門の「異流」で「偉流」の人びと

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5529
(10)仏までは長遠の[人間完成・人格完成」への道

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5525
(9)盤珪の利他の方法(5)心理禅の批判

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5524
(8)盤珪の利他の方法(4)公案禅の否定

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5522
(7)盤珪の利他Aの方法
  (3)生活の場での心得を平易な言葉で説明

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5510
(6)盤珪の利他Aの方法
  (2)身の上の批判ですむ・不生でいよ

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5509
(5)盤珪の利他Aの方法
  (1)日常語で質問せよ

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5508
(4)盤珪の悟道体験=@自内證

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5507
(3)4人の禅僧の生きた時代
    著者、秋月龍a氏いう(1992年)。「 私は、今後の 日本臨済宗は、これまでの白隠禅師中心に偏せず、大いに盤珪禅をこそ挙揚すべきであると信じている」
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5495
 【別の連続記事の目次】大乗仏教の核心〜唯識に見る
 『禅門の異流』で紹介した4人の禅僧を理解するために

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5494
(2)現代仏教は、@「自内證」、A「人間完成」、B「利 他」に弱い、と指摘されていたことの再確認。自己成長もなく、利他もしない、現代日本の仏教=大竹晋氏の論証
    解説の竹村牧男氏(東洋大学名誉教授)は、大乗仏教は現代に活用されるべきだと古く から主張されていた。(1985年)
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5493
(1)昭和の書籍が新しい装いで出版された
  江戸時代、および、それ以前の禅僧の業績であるが、現代に意義があるのか検討したい
Posted by MF総研/大田 at 07:39 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL