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(9)精神療法でうつ病などを治せる医師は極めて少ない [2024年09月07日(Sat)]

(9)精神療法でうつ病などを治せる医師は極めて少ない

 自殺が多い。自殺は極めて深刻な出来事だ。遺族の悲しみははかりしれない。だから、どうしたら自殺を減少できるか。SDGsでも世界的な課題である。SDGs3の4に該当する。日本では若い世代の死亡原因のトップだ。だから、自殺の減少の対策の方向をさぐる。うつ病、双極性障害、パーソナリティ障害などが治らないと一部の患者が自殺する。

 薬物療法でうつ病などが完治しない患者が多いが、うつ病は認知行動療法(CBT)でも治すことができることが知られている。
 日本の医師による精神療法はどなっているのか。まず、 和田秀樹氏の著書で見よう。
    『「精神医療」崩壊
    メンタルの不調が
    心療内科・精神科で良くならない理由 』
    (青春新書インテリジェンス PI 701) 新書 – 2024/8/5、和田秀樹 (著)
 「うつ病、トラウマ(心的外傷)、発達障害など何でもかんでも心の病のレッテルを容易に貼るのに、それを治せる精神科医が絶対的に不足しています。」(p30)

 「薬物療法中心の精神科医は、・・・・本質的なストレスになつわるカウンセリングは行わない。というか、行えない。だから、プロローグ述でべたように、治らない患者さんがどんどん増えていく状況になっています。」(P74)

 「同じ状況にあっても、物事の捉え方(認知)を変えることで、ストレスの原因をうまく受け流せるようにする。その手助けをするのが認知療法です。
 しかし、そういうカウンセリングをちゃんとできる医師が絶対的に不足しているのです。」(P75)

 西城有朋氏もこういう。

 「そもそも、CBTができる精神科医は非常にすくない。・・・ また、看護師のCBTは想像以上に質的に低いという噂が聞こえてくる。看護師は心理療法の 専門家ではないので、これは致し方ない。」(『精神科医にご用心!』P214)

 心理士も、うつ病などを治せる人が少ない。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5461

 医師であれ、心理士であれ、精神療法(心理療法)で、うつ病などを治す行為はそれを提供しても家族を養うほどの収入を得られず職業にならなかったからだ。
 精神療法が職業とする人材がいない。家族や自助団体などが対策を提案しない限り、この状況は続くだろう。

 こういうわけで、一部の患者のうつ病が完治しないで、薬物療法を継続する患者がいるのだ。 うつ病が効果があるのは、6〜7割とされる。

 完治していないと薬物療法を受けていくが、5年、10年、20年の人生のなかには、大きな出来事も起きる。そういう時に、つらいストレスの対処法を身につけていないと症状の悪化により、深刻さを増す。
【連続記事】メンタルクリニックが「治らない患者」であふれ返る深刻な理由
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5458


Posted by MF総研/大田 at 21:22 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL