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医療従事者のうつ病・自殺(1)医療者自身でさえも自殺が多い [2024年09月05日(Thu)]

【医療従事者のうつ病・自殺】(1)医療者自身でさえも自殺が多い
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 日本の若者の自殺率の第一位であるが、全体的に自殺が多いなかで、医療従事者の自殺が極めて多い。専門家らしくみえるが、医療従事者でも、自殺防止の行動対策(予防法)の遅れ、うつ病になってから 薬物療法でも治らない場合の対策(治療法)が十分でないことを裏付けているだろう。
 生命ほど大切なものはないのに、医療従事者でさえも多くのひとが亡くなっている。

 図は2023年の自殺数のうちに、「専門的・技術的職業従事者」の区分があり、総数2006人(男性1806人、女性200人)だった。このうち、医療従事者(ABE)が多いことがわかる。特に、看護師が多い。

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(出典:警察庁「令和5年中における自殺の状況」p31 図表2-16 職業別自殺者数、このうち「専門的・技術的職業従事者」の内訳、多い順)

 医療関係の職種に従事しているひとであるから、種々の原因(使命感から過労、人間関係、パワハラなど)から最終的には、抑うつ症状がおきて、自殺されているだろう。第一次の疾患名はなにであれ、抑うつ症状を併発したのだろうという推測である。医療従事者だから、抑うつ症状には、抗うつ薬があることはご存知だろう。にもかかわらず、自殺が多い。
 どうして、看護師に自殺させるのか。
 うつ病にならないような対策がうまくいっていないこと、すなわち、「予防対策」が効果がないのだろう。
 抑うつ症状が起きるような疾患(うつ病が多い)になっても、治療が十分ではないのだろう。抗うつ薬があることは知っていて、一部はその治療を受けただろう。
 予防対策、および、治療対策が「本家」でも十分ではないのだ。

 どうすれば、うつ病にならずにすむか。
 看護師の自殺が多いのは業界に構造的な問題が解決されていないのではないか。
(以上、予防、以下、治療)
 どうすれば、なった抑うつ症状、自殺念慮を治せるか。
 抗うつ薬で治らない場合、どうすればいいのか。
 どうすれば、自殺しなくてすむのか。

 本家が範を示して一般国民に教えるべきでは?

 こういう事情もあるので、何人かの医師が精神療法の併用をすすめるのである。医療関係者自身のためにも望ましいことだろう。せめて、どこかの大学病院のある大学で、精神療法を本気で治すところを一つ作ってほしい。厚労省主導で。

(続く)


【連続記事】メンタルクリニックが「治らない患者」であふれ返る深刻な理由
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 課題がある精神医療の領域〜さらに和田氏や西城氏が紹介していること

★自分の職場の「医療従事者」のうつ病・自殺が多い
 自分自身や同じ職場の同僚を治せない精神医療

★精神科医は薬物療法で治せない人を治す精神療法やCBTをどう評価しているか
Posted by MF総研/大田 at 08:09 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL