• もっと見る
«(4)千本倖生さんの嘆き〜進取の気概、利他の心、『社会のため』という大義、    間違いを認め謝れる人間性 | Main | 子どもの自殺防止 政府がプレスリリース»
(11)官民学医の連携協働 [2024年06月25日(Tue)]
◆夏休みに入った今、休み明けの9月2日に、子どもの自殺が多くなることが心配される
◆休み明けの子どもの自殺、対策を考えましょう
◆8月下旬に講演:わが子が休み明けに自殺防止のために

◆公認心理士による心理的支援は健康保険の対象になりました。
 しかし、PTSDを治す手法を用いないと治らない可能性が


◆孤独・孤立対策のプログラム および
 SDGs自殺対策と質の高い教育

http://mindfulness.jp/kodokukoritu/kodokukoritu-2024.htm

◆自殺防止、孤独・孤立対策、PTSD・うつ病を治す認知行動療法の普及を

マインドフルネス総合研究所
http://mindfulness.jp/

(11)官民学医の連携協働
  〜 自殺防止対策、孤独孤立対策

 以上のように、自殺対策、孤独・孤立対策を担う人々は、末木氏によれば、多岐にわたっています。 こういう人材が、勝手に活動しては、効果に限界があります。だから、 こういう人材が、「協働」することが必要であるといいます。

 「誰かの経験や勘に依拠するのではなく、科学的に効果の確認された政策を実施し、常に政策の進捗をモニタリングしながら改善を 重ねていこうと考えることに異論はないでしょう。」(p177)

 「こうした作業は、誰かの仕事ではなく、みんなの仕事です。・・・ さまざまな人が協力しないと、実現することができません。・・・ 行政・実践家・研究者が協働して初めて政策の効果を検証することが可能になります。」(p177)

 「政治家にも、行政官にも、実践家にも、研究者にも果たすべき役割があり、多くの人が協働しなければ物事は 適切に進みません。」(p183)

 「また、こうした役割は変化する社会の中における伝統的な職業に必ずしも反映されているわけではな く、既存の仕事の隙間になっている場合もままあります。昨今ではそのような変化し続ける社会に新しく生 まれた間隙を埋めるため、NPO 法人を立ち上げ、社会のために尽くす人々が大きな活躍をしています。 」 (p183)

対策も絶えず変化していくべき

 そして、対策は固定してはいけません。常に検証して、変えていかねばなりません。 「おわりに」で、こう述べておられます。

 「そして何よりも、こうした過程を適切にやり「続けていく」ことが重要です。この社会は常に変化しており、我々の 死生観や幸福観は変化していくからです。 「幸福で死にたくなりづらい世界」には決まった形があるわけではなく、 これは時代とともに変化していくものです。 だからこそ、我々にはこうした世界を作るための不断の努力が必要です。 それはそれでつらく、大変で、そして楽しくてやりがいのあることだと 個人的には思います。」(P184)

 うつ病の治療法も固定していては治らないひとが継続して苦しみ続けます。 自殺対策も、孤独・孤立対策にも、うつ病、そして不安症、PTSDなどの治療法も研究を続けて いただきたいです。
 私は40歳のころ、2年ほど病気不明の体調の不良(胃痛)と心の不良(仕事ができない、人と会話できないなど)で苦しみ、そういう人でも支援する禅僧について坐禅して完治、さらに修行しながらうつ病の研究と支援方法を研究したのが数年間でした。この間に「うつ病」であったとわかり、このような苦悩について一つの治療法を開発しました。
 その後の私のこの30年は、うつ病や不安症などを「治す」領域でした。 しかし、力不足で連携協働ができませんでした。一部の研究者が指摘するように、専門家も自治体職員も現在の職務でいっぱいです。新しい、この難しい領域は、無視傍観するしかないのだと思われます。
 しかし、これからの日本に必要な人材を自殺で失うことは 誠に悲惨、残念なことです。 これからの担い手は、官民学医の連携協働を実現していただきたいです。 ほとんどの国民が経験する可能性のある精神疾患ですから。

 PTSDの治療のために、公認心理士による支援が健康保険の対象になりました。脳に炎症が起きて容積減少が報告されているPTSDには、傾聴ではなくて、CBTでないと効果が小さいでしょう。クリニックで、臨床試験をして効果の高い心理支援方法を研究していただきたい。そして、PTSDには心的外傷があり、生き方に影響し、うつ病の併存、自殺もありえます。効果ある心理的支援方法を確立して、全国に展開してほしいです。

【参考記事】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/1807
【2009年】 小さな自治体では難しい。
人数が少ないので予算・人員を割いてまで対策に乗り出しにくい

注)末木新『「死にたい」と言われたら 〜 自殺の心理学』ちくまプリマ―新書

【社会問題が背景に】

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3461
★見て見ぬふりをする社会
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4413
★専門家多数派のエゴイズムを考える
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4128
★「大衆」は議論を軽視
 =多数派の驕り、「大衆の反逆」スペインの哲学者オルテガ
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4839
★大学人、研究者も自己防衛のために新しい行動を排除
 禅、仏教、マインドフルネス、西田哲学という自殺対策に関連する学問領域にも起きる=従来説、多数派説がいつまでも続き、新しい社会問題を解決すべく提案する新説(最初だからごく少数派として登場)を排除する。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4939
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4834
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2961
【重大問題】最前線は誰がになうのか

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2363
★金子みすゞ
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5338
【連続記事】孤独孤立対策にうつ病の視点を

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5329
【連続記事】地方創生SDGs ターゲット3.4 自殺防止


https://blog.canpan.info/jitou/archive/5313
【連続記事】大震災の被災地にうつ病、自殺が増加するおそれ
この記事は次の一部です。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5441
【連続記事目次】効果的な自殺対策、孤独・孤立対策とは?
Posted by MF総研/大田 at 20:36 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL