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(4)千本倖生さんの嘆き〜進取の気概、利他の心、『社会のため』という大義、    間違いを認め謝れる人間性 [2024年06月24日(Mon)]

千本倖生さんの嘆き
  〜 進取の気概、利他の心、
    『社会のため』という大義、
    間違いを認め謝れる人間性
  〜 西田哲学が「先細り」(4)

 西田哲学が先細り、というニュースが走った。
https://www.asahi.com/articles/DA3S15957450.html
(朝日新聞ニュース)

 京都大学が「西田哲学の先細り」の危機感をいだき、卒業生の 千本倖生さんに相談したという。千本さんの言葉に、こうある。
     「松下幸之助さんや稲盛さんらから学んだ経営者の資質とは、「進取の気概、利他の心、『社会のため』という大義、間違いを認め謝れる人間性」
 「利他」をしない団体もあり、それを合理化する学問もある日本。松下さん、稲盛さん、千本さんらは、それではいけないというのだ。
 「利他」をしないということは、社会への貢献をしないことだから、社会はそういう団体に好感を持たないから、そういう団体は当然衰退するだろう。やがて、メンバーは路頭に迷うことになる。
 社会への貢献を放棄するとトップがいい、違反することを許さない団体は、社会から遊離しているから、長い年月の間に衰退するだろう。
 千本さんがいうのも、そこだろう。社会貢献を考えない団体は衰滅することを、西田哲学も教えていた。 次の記事でも、見た。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3475
★個人の自律性を抑圧する組織は衰退

 企業に限らず、変化してゆく社会環境に貢献できるように団体はメンバーに「進取の気概」、変わりゆく社会にあった「利他」のためになるように求めた いだろう。つまり、時代環境に合わせて団体の方針、理念、思想、製品サービスが変化していくことが必要だろう。メンバーに、研究、行動の自由を認めないと、それはできない。つまり、一時代前の方針は時代遅れとなる。時代遅れのものを若いメンバーにも押し付けるならば、還元主義、画一主義、全体主義となる。異質なものの共存、共生を許さない団体である。民主主義的ではないだろう。
 現代の日本での、共生思想にも背く。西田幾多郎、鈴木大拙も「共生」を主張していた。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4635
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5375
★鈴木大拙の「共生」
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4902
★大拙の共生。「禅者の社会観」(竹村牧男氏がとりあげた。2022年大田の拙著で詳しく説明)

 このことは、次の記事でも見ていた。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4935
★末木文美士氏=同化、排除でなく相互理解、共存共生

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4894
★未来をつくる力は多様性のなかにあるというのに大学から革新説を排除するのは困る
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3199
★西田や鈴木よりも自分が優れていると思う知識人

 このように、現代にも西田哲学、鈴木哲学は正しく理解され、社会の隅々まで、実践化されるべき哲学なのである。先細り、衰滅などさせてはならない。それなのに、日本人が否定すれば、日本の若者が、全体主義に抑圧されて、諦めて日本に失望して、日本全体が沈没していくのだろう。
 次の記事もこういうところを指摘しているのではないか。

「多数決は少数派に対する暴力」…「しようがない」で受け入れないで!大人も気付かない「多数決の問題点」
https://gendai.media/articles/-/131807
 団体のメンバーに諦めさせる

 団体、研究室、〇〇のトップが若手にハラスメント行為をする
 https://blog.canpan.info/jitou/archive/2993
  パワハラによりメンバーが自殺していく
 https://blog.canpan.info/jitou/archive/4590
  フランクル、西田幾多郎がいった「良心」「至誠」の心がない
 https://blog.canpan.info/jitou/archive/3329
 https://blog.canpan.info/jitou/archive/3497
  西田哲学の「実践論」=至誠で世界や他者のために行動して生きていくこと。
  坐禅や瞑想ではない。

 日本の多数の団体、大学、研究室にあるのではないか。日本全体が沈没していく。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3461
★見て見ぬふりをする社会

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4413
★専門家多数派のエゴイズムを考える

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4128
★「大衆」は議論を軽視
 =多数派の驕り、「大衆の反逆」スペインの哲学者オルテガ

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4839
★団体幹部、研究者も自己防衛のために新しい行動を排除

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3034
★革新説を排除するので、教育が古い伝統説多数説に偏ってしまう

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3658
★「ソラリス」個人悪と組織悪
   日本もあちこちに起きています

◆後期西田哲学の実用化の試みとしてのマインドフルネス心理療法SIMT
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5348
★自己洞察瞑想療法、SIMT
 Self Insight Meditation Therapy(SIMT)
 第4世代の認知行動療法。
 後期西田哲学の認識論、実在論、実践論をやさしい精神療法にしようという最初の試み。全く初歩段階の試みであり、今後も研究と臨床実験を重ねて改善、適応領域を広げたいところだが、推進する者は、高齢で、このまま、SIMTも衰滅しようしています。
◆マインドフルネス総合研究所のプログラムにSIMTが用いられるが、このSIMTの背景に、後期西田哲学の認識論、実在論、実践論がある。やさしい段階から入門していくように構成されている。

マインドフルネス総合研究所のプログラム2024年
http://mindfulness.jp/kodokukoritu/kodokukoritu-2024.htm

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5317
★マインドフルネス学の研究者から西田哲学が再検討されるか
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5450
【目次】西田哲学が先細り

Posted by MF総研/大田 at 20:08 | エゴイズム | この記事のURL