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(10)ゲートキーパー 〜 自殺対策のために [2024年06月21日(Fri)]

(10)ゲートキーパー
  自殺リスクのある人を早期に発見し支援
  〜 自殺防止対策、孤独孤立対策

 自殺対策、孤独・孤立対策を担う人々の一つとして、末木氏は「ゲートキーパー」を挙げています。ただし、通常言われている意味とは違うそうです。

 「ゲートキーパーとは、自殺リスクの高い集団の中にいる、支援のための鍵になる人物です。」(p159)

 「たとえば、自殺率の高い地域における 精神科医や保健師、軍隊のような自殺率の高い組織における人事部の人間など」
 「こうした対人支援の鍵になりうる人に対して自殺や自殺と関連の深い 精神障害に関する心理教育を行うことによって、 自殺のリスクの高い人物を早期に特定し、継続的な支援を行うことは、特定の地域や組織における自殺率を下げることに つながるという研究結果があります。」(p159)

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 組織の中で、メンバーの自殺対策に近い立場にある人物に教育を施して、リスクの高い人を早期に発見する役割ですが、継続的な 支援を行うところまで任務に含まれるのですから、うつ病などの軽い段階のメンバーを「治す」ところまで支援するのであれば、 これは「最前線」の役割も果たしますね。
 被災地や病院にも置きたい人材です。自治体にもおいて、学校を巡回するのもいいのではないかと思います。不登校気味の子どもの相談を受けたことがありますが、別室登校の子や自宅にいる子に、早い段階で巡回してアドバイスするならば長期化しないようにアドバイスできることがあります。
 確かに、うつ病は軽い症状の段階は、現在の抗うつ薬は効果が弱いとも言われているので、初期段階で認知行動療法による支援 をする人材を組織に置くのは、とても効果ある対策だと思います。
 今は、認知行動療法(CBT)もあるということを知らない患者や家族が多いので、自殺が減少しない一つの理由でもあるでしょう。CBTもあることを伝える教育をして、初期の段階に支援を開始して重症化をストップしたり、薬物療法が効かない場合に、絶望しないように伝えることが大切だと思います。



(続く)

注)末木新『「死にたい」と言われたら 〜 自殺の心理学』ちくまプリマ―新書


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Posted by MF総研/大田 at 21:17 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL