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(9)自殺対策を担う「行政や政治」 [2024年06月19日(Wed)]

(9)自殺対策を担う「行政や政治」
  〜 政策の全体のグランドデザインを
      描く重要な仕事
  〜 自殺防止対策、孤独孤立対策

 自殺対策には、種々の人材が関わっていますが、末木氏によれば、全体像を描く重要な仕事をする人材が、行政や政治家です。

 「最前線の仕事はそれで重要ですが、こうした最前線の現場を構築・支援し、戦略のグランドデザインを描く仕事が一方であります。それが行政や政治の仕事です。」(p169)

 末木氏は、戦争遂行の場合を例として詳細な説明をしていますが、図の右下枠のようになります。

 自殺対策も、不十分なところがないかどうか、行政や政治が検討して、政策遂行に織り込んでいくでしょう。 もし、行政や政治が気が付いていないところがあれば、指摘するのは、他の人々、そして「国民全体」だといいます。

 「政治家は国民の代表であり、つまるところ、国民全体がこうしたことに興味関心を持たなければ、何もすすまない ということです。」(p174)

D-1a-自殺対策10.jpg

 完治率があまり高くないのであれば、「自殺念慮」のある深刻なうつ病も「難病」のような気がします。他の難病は、患者、家族が結集して治療法を研究するように、国に陳情する報道を目にしますが、うつ病については、あまりそういうことがみられないような気がします。5年10年も通院し続ける・・。うつ病はそのようにさせてしまう病気なのでしょう。しかし、「自殺念慮」という深刻な症状があるので、新しい治療法を研究し提供していただきたい。国民全体が関心を持つべきでしょう。

 不登校についても、相談しても解決しないだろうと「絶望」がみられるようですが、「うつ病」が薬物療法で完治しなくても、CBT(マインドフルネス心理療法SIMTも)などをさがそうとせず 似たところがあるように感じます。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5240
★不登校最多、相談しない子ども4割、解決するとは思わない

 うつ病がしばらく治療しても治らないと、治療法がないのだろうと「絶望」して、治療法(認知行動療法など)をさがそうとしない傾向があるようです。
 2005年から2010年のころ、私が『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』(2013年出版)を出版する前は、たいした宣伝法があったわけではないのに、禅、西田哲学を背景にした「新しいうつ病の治療法」を受けようと、遠くから多くの方々が埼玉県までおみえになっていました。よく、紹介している「改善事例」のグラフは、そのころです。
http://mindfulness.jp/katudou/2023-tirasi-jirei.pdf
◆改善事例のグラフ(1年かかります)

 今は、SIMTを受ける希望者は極めて少数です。不登校の中にも、一部、うつ病や不安症の子もいるはずで、解決する可能性もあるのですが、「どうせ解決しそうもない」と思いこんでいることが多いのですね。
 学校で、子どもと保護者に、うつ病、不安症などについての治療法を教育しておくと、将来、「そうなのでは」という時が来た時に、解決するかもと探すかもしれません。

 どうして、最近のうつ病の患者さん、不登校の子どもを持つご家族は探そうとなさらないのか、不思議です。

(続く)

注)末木新『「死にたい」と言われたら 〜 自殺の心理学』ちくまプリマ―新書


https://blog.canpan.info/jitou/archive/5338
【連続記事】孤独孤立対策にうつ病の視点を

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5329
【連続記事】地方創生SDGs ターゲット3.4 自殺防止


https://blog.canpan.info/jitou/archive/5313
【連続記事】大震災の被災地にうつ病、自殺が増加するおそれ
この記事は次の一部です。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5441
【連続記事目次】効果的な自殺対策、孤独・孤立対策とは?
Posted by MF総研/大田 at 20:21 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL