(6)特に自殺のリスクが高い集団 [2024年06月10日(Mon)]
(6)特に自殺のリスクが高い集団
孤独・孤立対策への効果も
〜 無視傍観、そして、無関心ではいけません
〜 自殺防止対策、孤独孤立対策
自殺対策、孤独・孤立対策を担う人々の一つが「特に自殺のリスクを抱えている人々」への「心理職」などによる支援対策です。たとえば、末木氏は「自殺未遂者」など次をあげています。
「自殺未遂者のフォローアップは日本においても取り組みが始まっていますが、自殺未遂者だけではなく、自殺のリスクを抱えている人々が相談資源へアクセスできるような工夫をしていくことは、いずれにせよ重要なことです。虐待や災害を経験した人、囚人、性的マイノリティ、自死遺族の方など、将来の自殺のリスクが通常以上に高まりやすい属性はある程度明らかになっています。こうした方々への支援が充実するような社会環境を作っていくことは、将来の自殺率を低減させると考えられています。」(P161)
そのほか、私が報道などで知ったハイリスクの人々には、次のような方々がおられるようです。すなわち、カルト宗教2世、産前産後うつ病、在留外国人、海外に住む日本人、不登校がながびく子ども、ひきこもりが長引く人々、高齢の一人暮らしの人、被災地の人々、過食症、不眠症、慢性の痛み、依存症、双極症などです。
こういう領域には、特有の支援方法や支援スキルがあるはずですが、マインドフルネス心理療法SIMT(第4世代の認知行動療法)で、特有の感情、そこによくある評価基準を観察する拡張型SIMTを付加するのも効果的ではないかと思います。そういうひとを支援する団体で試験的にやってみることをすすめたいです。過食症、産前産後うつ病のかたは、すでに完治事例があります。
慢性の痛みは、種々あるでしょうが、膠原病と診断されて慢性の痛みをかかえた女性が、SIMTで完治した事例が1件あります。
機関誌「マインドフルネス精神療法」創刊号に体験記を寄せられました。たまたま、数年後にお会いできたことがありますが、痛みは再発していないということでした。慢性疼痛の神経生理学的回路が心理的ストレスの回路と一部重複しているそうですが、感情、感情を起こす評価基準(SIMTでは「本音」という)を観察するトレーニングを繰り返すことが関係しているようです。
パニック症は、自殺ハイリスクではないかもしれませんが、治りにくい人もおられるようですが、SIMTでよく治ります。(右の帯のなかの「マインドフルネス心理療法SIMTによる改善効果」から)
第3世代の認知行動療法(無評価観察の瞑想)では、「完治」という問題は結局、あまり報告されていないですが、SIMT(行動時も観察)は、どうしてこういう効果があるのか、
最前線の私には推測しかできません。そこを分析考察できるのは専門の「G研究者」でしょう。
「G研究者」は問題があることを末木氏が述べています。「マインドフルネス」の研究も同様の問題があります。あとで考察します。
双極症は、SIMTでも「完治」はまだ報告されていませんが、認知行動療法的な心得が症状の悪化を予防するということがガイドラインに記述されています。
注)末木新『「死にたい」と言われたら 〜 自殺の心理学』ちくまプリマ―新書
(続く)
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5338
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この記事は次の一部です。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5441
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Posted by
MF総研/大田
at 20:39
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孤独孤立自殺うつ病不安症
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