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大切な家族を自殺させないように [2024年06月03日(Mon)]
アメリカでは「マインドフルネス」(無評価で観察の瞑想)は批判と限界により、 第2世代に入りました。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5296
★日本の自己洞察瞑想療法SIMTは、とっくに「第2世代」です。行動の時に 観察します。無評価ではありません。自分や他者を苦しめるものでないか否か評価判断します。うつ病や不安症、PTSD、過食症などを完治する効果が確認されました。
うつ病が治らないと危ないです。「自殺念慮」という深刻な症状があるのがうつ病です。 何年も治らないと、 無視傍観されたような状態になっています。「孤独・孤立状態」になります。 どうぞ、 ほかの療法も研究し完治をめざす療法の研究開発を祈ります。

大切な家族を自殺させないように(1)

 自殺がなくならない。様々な原因から、最後には「抑うつ」から「自殺念慮」といううつ病の症状だろう。過労、経済、虐待、いじめ、がん、教育、犯罪被害、他の精神疾患、何でも最後の症状はうつにある自殺念慮の併発が大きいと思われる。うつによる自殺念慮が起きなければ死なないですむのではないか。死ななくていきのびて支援を求める、前頭前野などの生きるに必須の脳領域の活動低下が、支援さえも求めない異常な心理にするのではないか。

 背景に種々の苦悩があるので、将来も薬だけでは、治らないうつ病があるのではないか。たとえば、長期間の虐待で傷ついた脳と、過労で傷ついた大人の脳と、あるとする。薬だけで回復するだろうか。

 うつ病が治らず自殺する人が多い。薬物療法では3,4割が治らない。抗うつ薬がセロトニン神経に作用させるが、原因部位が異なるせいだとされる。完治割合が低いのは、うつ病の脳部位はそこではなく、背外側前頭前野、眼窩前頭皮質、内側前頭皮質などに炎症が起きて、萎縮しているという報告がある。

 最近のうつ病の有力説は、神経炎症説である。ストレスや過労により、HPA系からのストレスホルモン(グルココルチコイド)の分泌で、これが脳内に入り、免疫細胞ミクログリアから炎症性サイトカイン を分泌させ、それが前頭前野などの脳領域に炎症を起こし、社会 生活に支障をきたす。さらに最近、新しい学説が発表された。潜伏していたヘルペスウイルスSITH1が再活性化して、ミクログリアから炎症性サイトカインを分泌させて炎症を起こすという研究成果も公表された(慈恵医科大学近藤一博氏)。

 いずれにしても、前頭前野などに炎症が生じるとすると、そこが回復する治療法でないと、うつ病は治らない。 精神科医の治療を受けないで死ぬ人、予約を待つ間に死ぬ人もいる。相談事業だけでは長い年月治らず、社会復帰できず、孤独感をいだき、そのうち、何人か自殺する。

 いのちの電話によれば、相談を受けたひとの12%に「自殺傾向」があったという。うつ病が治らないことによる自殺傾向が含まれているはずだが、相談だけでは、脳の炎症は回復しない。傾聴の支援を続けても炎症が治る神経生理学的機序がない。

 アメリカでは、うつ病について認知行動療法(CBT)が盛んであり、最近は、第4世代にはいってきたという。認知行動療法は、うつ病に効果的だというのは周知のことだ。

 私も自己の心理を観察する「マインドフルネス」の手法を活用したCBTの一種、自己洞察瞑想療法(SIMT)で、支援してきた。SIMTは、瞑想時だけではなくて、生活の全場面において、感情が起きるしくみや感情の背景にある評価基準を観察するトレーニングを1年近く繰り返す手法である。長期間のトレーニングにより、行動の変容、そして、認知の変容が起こるようであり、脳の炎症部位を回復させると推測される。うつ病や不安症などが完治する事例が数多く報告された(注)
 医師の働き方改革で、精神科医の支援も限界があるだろう。

 そこで、いくつかの新しい対策を提案したい。もう、私はできないので、若手が2,30年かけて実現していただきたい。

’(続)

(注)マインドフルネス心理療法SIMTによる改善 事例。ホームページに掲載している。右にもリンクがある。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5338
【連続記事】孤独孤立対策にうつ病の視点を

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5329
【連続記事】地方創生SDGs ターゲット3.4 自殺防止


https://blog.canpan.info/jitou/archive/5313
【連続記事】大震災の被災地にうつ病、自殺が増加するおそれ
Posted by MF総研/大田 at 09:31 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL