孤独感とうつ病 [2024年06月01日(Sat)]
孤独感とうつ病うつ病は、ありふれた病気である。誰でも発症する可能性がある。種々の悩み、ストレス、過労から発症する。しかし、現代の治療法は完全ではない。薬物療法では3,4割が治らない。5年10年抗うつ薬を服用しても完治しないひとがいる。抗うつ薬はセロトニン神経に作用するが、うつ病の脳部位はそこではなく、背外側前頭前野、眼窩前頭皮質、内側前頭皮質などに炎症が起きて、萎縮しているという報告がある。これらの部位は、人が自分の生きがい価値のある世界を見つけて、種々の困難がありながらも何とか対処していく行動を選択して、家族のため社会のためにいきぬいていく心の使い方に関係する脳領域である。 最近の学説では、うつ病は神経炎症説である。ストレスや過労により、免疫細胞ミクログリアから炎症性サイトカインが分泌され、それが前頭前野などの脳領域に炎症を起こし、社会 生活に支障をきたす。多くの患者が「死にたい」という自殺念慮を持つ。 精神科医の治療を受けないで死ぬ人、予約を待つ間に死ぬ人もいる。 薬物療法がセロトニン神経に作用させるが、効果がない患者が3−4割。5年10年も完治しない患者もいる。 ほかの治療法を研究、提供してほしい。 大切な生命が失われている。今年の4月までの自殺者数もあまり減少していない。このままでは、また、2万人以上になるおそれがある。 ほかの治療法を研究、提供してほしい。遠く離れた場所ではなく、現地に住む専門家が信頼できる。病状が悪化して通院できなくなることもある。現地ならば、アウトリーチできる。うつ病になった背景も病状も家族の状況も様々だから、全国すべての県にうつ病患者を「治す」支援をする団体を作ってほしい。これまで30年の経験では、 「死にたい」という「自殺念慮」を持つ うつ病のかたの「治療支援」には、大きなエネルギーと時間を必要とするから、全国の多くの完治しない患者の支援のためには、集団支援体制が望まれる。支援者もかなりのストレスを受ける。それを予測するのであろう、支援者になるひとは極めてまれである。もう、ボランティアに依存する問題ではないのではないか。医師の働き方改革で、精神科医による支援も受けにくくなるかもしれない。新しい人材による対策が必要である。 これまでの対策では、不十分であることは明白である。相談だけでは、脳の炎症は回復しない。相談対策だけでなく、「治す」団体を配置し、相談先からそこへつなぐ仕組みを作ってほしい。 長い人生のなかで、みんな家族の一員が「うつ病」になる可能性が高い。家族に死なれるほどつらいことはないはずだ。みな考えてほしい。 ![]() https://blog.canpan.info/jitou/archive/5338 【連続記事】孤独孤立対策にうつ病の視点を https://blog.canpan.info/jitou/archive/5329 【連続記事】地方創生SDGs ターゲット3.4 自殺防止 https://blog.canpan.info/jitou/archive/5313 【連続記事】大震災の被災地にうつ病、自殺が増加するおそれ |
Posted by
MF総研/大田
at 10:37
| 孤独孤立自殺うつ病不安症
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