がんの患者の自殺が多い [2024年04月24日(Wed)]
がんの患者の自殺が多い自殺防止の活動をしていますが、自殺の原因として多いのが、健康問題のうち、がん(悪性新生物)やうつ病です。警察庁の発表です。 https://www.npa.go.jp/news/release/2024/20240323001.html ◆警察庁のホームページ 令和5年中における自殺の状況 このうち、「参考資料」のほうに、原因の詳細があります。 「悪性新生物」つまり、「がん」による自殺が多いのです。 ほかに、「うつ病」も多いです。 「がん」が自殺の原因ということは、がんになって「うつ病」をも併発して自殺なさったかたが多いでしょう。「がん」ではない「その他の身体疾患」で自殺というのも、病気になってそのつらさからうつ病を併発なさったかたが多いはずです。 がんやほかの身体の病気は、多くのひとが迎える危機です。がんやほかの病気になっても、うつ病にならず、自殺せずに、闘病しつつ、最後まで生きがい、つまり、自分の選択した生きがい価値のために生き抜いていきたいものです。 この心得が含まれている哲学に、西田幾多郎の「西田哲学」があります。哲学の理解だけではだめですが、西田哲学には「実践論」の哲学論文がありますので、それを現実に実行していくことが求められます。 https://blog.canpan.info/jitou/archive/2367 ★西田哲学は実践化されなければ意味がない(西田幾多郎の子孫の嘆き) がんに負けず生きがい価値のために生きる「後期西田哲学」の実践には、宗教的以前と宗教的なものがあります。宗教が嫌いというひとは「叡智的自己」として生きていく実践でいいのです。うつ病にならない心で「自分の生きがい」を最後まで実行していくのです。「宗教的」なものが嫌だと思うひとは、西田哲学の場合、「叡智的自己」の「行為的直観」で生き抜いていくのです。がんやうつ病などの治療を受けつつ、生きがい価値を最後の瞬間まで生きていくのです。さらに宗教的レベルの実践「宗教的」なものでないと満足できないと思うひとは、西田哲学の場合、「叡智的自己」の「行為的直観」を可能にしている働き、絶対に対象とならない自己の根源を探求することを述べています。古来、日本にあった深い宗教意識を場所的論理と逆対応の論理という哲学の論理を学びつつ現実に実践していくのです。がんやうつ病などの治療を受けつつ生きていくのです。 日本の道元が有名ですが、道元にも深いものがあったと言う解釈が最近出版された『道元の哲学』(竹村牧男、春秋社)です。 がん患者や難病の患者にメンタルケアをがんで自殺するひと、がんでうつ病になって自殺するひとの「メンタルケア」がどうしても必要です。がんを担当する病院が同時にメンタルケアをしてほしいです。入院中の患者や自宅療中のがん患者に自殺されては、家族ばかりでなく、がん担当医にとっても、つらい思いをなさるはずです。がん患者による自殺が少なくなれば、自殺の「原因」から、「悪性新生物」と「うつ病」が少なくなります。 この領域は、経済、福祉などの外的支援ではできません。ぜひとも、内面のメンタルケアを提供する対策をとっていただきたい。この領域は、欧米でもまだ多くはないはずです。欧米の禅僧やキリスト教の聖職者による「宗教の思想」による支援方法はあるでしょうが、日本人になじめるのかどうか。 日本の「西田哲学」は、「キリスト教」でさえも、西田哲学による論理で解釈できる読み方もあるといっています。その実践論は、逆に日本から欧米に紹介できるものになりえます。哲学そのものは、英訳、ドイツ語に訳されているでしょうが、実践そのものはまだ「輸出」されていないはずです。 がん患者は、仕事や趣味などの「生きがい価値」で生きなさいといっても、まもなく死ぬ、生きがいも消える、という深刻な苦悩においこまれるでしょう。家族もがん担当医師にも頼れず、深い「孤独・孤立」追い込まれるでしょう。この領域にも支援をしないと、自殺の減少に限界があるでしょう。 【関連記事】 https://blog.canpan.info/jitou/archive/4996 ★がん患者の心のケアに心理職が https://blog.canpan.info/jitou/archive/5329 【目次】今年も第2世代マインドフルネスでSDGs3.4 自殺の減少を https://blog.canpan.info/jitou/archive/5338 【目次】孤独孤立対策にうつ病の視点を |
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Posted by
MF総研/大田
at 21:22
| 孤独孤立自殺うつ病不安症
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