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学者、官(自治体)は最初にはできない、まずNPOがするしかない(その3) [2024年04月16日(Tue)]
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5393
マインドフルネス総合研究所の事業が内閣府のプラットフォームに掲載
 〜 孤独・孤立対策の5月「強化月間」の事業
5月12日の【居場所サービス・ひだまり】は、蓮田市教育委員会、および、埼玉新聞社のご後援をいただいています。

NHKが14年前とりあげたうつ病の実態
 〜 新しい治療法がすすんでいないから自殺が起きる
 学者、官(自治体)は最初にはできない、まずNPOがするしかない(その3)

 14年前の、うつ病の治療法の実情に関連して、当時の期待とそれが実現したかどうか現状を比較した。

 現場で動いている個人、NPOから見れば、学者、官庁は、見て見ぬふりせざるを得ないのが理解できる。特に、苦悩するひとに直接会うことに大部分の時間とエネルギーを注ぐのが、現場のひとだ。臨床現場にいない学者は、そういうことはしない。
 村木厚子さんがそんなことを言っている。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3928
★村木厚子さん・まず現場の活動者、それから学者

 もうあと何年、活動できるかわからない「後期高齢者」の私。学者(および、宗教者)のエゴイズムに苦言を呈しておく。思考、言動が後退しないうちに「本音」を表出しておきたい。その(3)である。

 14年前、NHKがうつ病の治療法の実情を放送し、書籍で紹介した。現在でも、まだ、3−4割は薬物療法では完治しないという。 家にいると、自分は社会に出て学校や職の価値世界に入っていけないと孤独・孤立状態で苦しくなって自殺が起きる状況が続いている。

  「この仕事に人生をかけて遂行していくもの」を西田哲学が各人の「価値」であり、それを遂行する働きを「行為的直観」であると教える。これを する時、他のことはできない、それをうまく遂行すると「満足」「幸福」であると感じる。とすれば、自分の価値を固守しようとする。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5018
【連続記事】専門家の倫理〜学者・医師・宗教者・マインドフルネス者
 このかたがたも自分の仕事を死守せざるをえない。それが、西田哲学が 教える「叡智的自己」である。専門家はみな叡智的自己である。自分に執着する。

 うつ病や不安症が治らず社会に出ていけないひとが大勢いる。 一体、どの専門家が、メンタルなケアをするのだろう。

 みな、真剣に考えてほしい。みなさんの家族、孫、親族がそうなるかもしれないのだ。

専門家はみな収入を得る現在の仕事を大切にするもの

 人はみな、自分の選択した仕事、価値のみを遂行しようとする。各人、自分の「価値の世界」しか具体的には知らない。各人は、自分の価値の世界でいきる。叡智的世界という。他の世界は具体的には知らない。家庭もそうである。家族は存在価値であり、自分の家族との世界を死守する。他の家庭の様子は、具体的ではない。

 薬が効かないうつ病の方の支援の認知行動療法は、多くの時間とエネルギーを使うから、ほかに仕事を持ち忙しい人には難しいであろう。 長期間治らない人が多いから重症である人や、長期間治らなかったので、社会で生きていく自信が低下し自殺念慮を持つひとが多い。 そういう人を支援する世界は独特の世界であり、支援者のエネルギーを使う仕事でもある。

 そのために、うつ病のひとを精神療法で支援する行動をする世界では、他の仕事を持つひとならば、休日にするしかない。 他に生業の世界を持つひとが精神療法で支援する世界には、週1日か2日の休日だけとなる。それで、支援者は少ない。 収入はほとんどゼロである。週5日働く世界(そこは別の世界である。ビジネス世界、学問研究の世界、医療介護の世界、宗教の世界、メディアの世界、など)からの給与、収入がある人ならできる。週1日か2日だが、家族世界時間が減少する。

 定年退職後は、年金で生活できるなら、精神療法で週5日働く世界に入ることができる。収入はなくていい。

 これでは、若い人が、長く治らないうつ病などのひとの支援を週5日ほどの生業にできるはずがない。だから、 若い人がSIMTで支援するカウンセラーを生業にできない。他の認知行動療法も同様だろう。収入は望めない。 病院が、カウンセラーに一定の収入を保証するなら別であるが、病院経営の費用が大きくなるから、そういう病院は多くはないだろう。

 医師の少ない地域はどうするのだろうか。北海道の精神科医療の危機が時々報道される。

 うつ病の周辺の領域(心理学、マインドフルネス学など)を研究する学者も、うつ病の人の支援にのりださない。自殺念慮があり、1年の支援が必要になりそうな難しいように見える仕事に、収入も期待できない状況で、宗教者も学者もこれを生業にするひとはいない。ボランティアで種々の支援を行うひとたちも、治らないうつ病の支援を開始するひとは極めて少ない。
 私の師・禅僧は、無料で支援する稀有な人だったし、精神疾患のひとも受け入れていた。大乗仏教の在家(他に生業で収入を得る人)が行う「利他」ということを信じることができるひとであった。こういうひとがいたので、自殺しないですんだひとがいた。

 うつ病が治らないひとが大勢(学者の説では3−4割)いて、そのひとたちを1,2年もかけて具体的に支援する世界で人生をかけて働くひとは少ない。 薬物療法の医師の世界とは異なる世界である。薬を全く使わない精神療法サービスを行う世界である。(医師による薬物療法との併用は奨励する。種々の薬物療法(うつ病、不安症が、がんなどの治療薬)を受けている患者さんに精神療法を併用するサービスを提供するそういう世界である。この具体的な世界ではほとんどすべての医師でさえも人生をかけた経験がない、生業にしたことがない。)
 自殺が多いという病気であるから、国民にとっては、薬物、精神の両方がともに存在してほしいはずである。お互いを排除せず、希望する患者さんが自由に出入りでき、他方で働く人をお互いに尊重すると「共生」社会となるのだが。金子みすゞや鈴木大拙が尊重するありかたである。

 こういう事情であるから、今の条件では、若手でも休日にしかできないが、休日には家族との世界を大切にするので、ビジネスなどを終了した定年後の高齢者しかできない状況である。しかもその世界に入る高齢者は極めて少ない。別の世界(芸術や趣味を楽しむ世界など)が好きであるひとが多い。

 これが、学者も宗教者も一般のボランティアのひとも、この仕事(他の療法で治らないうつ病患者を認知行動療法で治す支援の事業)を人生をかけてする(好きにならなければやらない)人はいない状況である。西田哲学が教える世界である。自分の選択した職、趣味などに人生、生命をかける存在=自己を「叡智的自己」といいい、そういうことをする自己の価値実現のスキルを行使する作用を「行為的直観」という。そして、みな、違う個性を持ち違う世界に生きている。それを「叡智的世界」という。他の世界を知らない。
 しかし、知らない他者の世界を破壊してはならない。西田幾多郎も戦争を批判していた。こともあろうに専門家が西田幾多郎を誤解して批判するひとがいる。それを見聞きする学生、読者は不幸である。将来、人生上で危機を迎えた自分の危機を救うかもしれない西田哲学を「悪いもの」と評価判断する(評価するマインドフルネス)だろう。

 うつ病や不安症、PTSD、依存症が薬物療法で治らない状況は、まだ2,30年は続きそうであるから、その支援は新しい事業、生命、人生をかける新しい「価値」となり、新しい叡智的世界の開拓である。

 従来の専門家(学者)でない一般人、NPOで、ほかの世界で名誉地位収入を得る生業がある人にはできないことで、しかも、この新しい叡智的世界が好きで人生をかける人しか開始しない事業である。

 今の条件が変わらない限り、新しい認知行動療法で支援するひとは今後も現れないだろう。どうなるのだろう。
 うつ病が薬物療法で治らないひとが多いという「うつ病などが治らないで苦悩する人に直接あって1年近く交流する叡智的世界は、「今ある世界の専門家でない」個人やNPOが「ゼロから1」(村木厚子さん)にしたいのだが、なりきらず、再び「ゼロ」になりそうな状況である。
 この日本社会は、「見てみぬふり」する社会、「見ようとしない」社会でありつづけるのか、それとも、どこかが若手に給与を保証する対策を導入するのだろうか。国か、自治体か、理解を示す裕福な個人や助成団体によるか。
 日本は、どうなるのか、見届けたいが、若いひとに任せるしかない。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5389
【目次】NHKが14年前とりあげたうつ病の実態
 〜 新しい治療法がすすんでいない



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【目次】今年も第2世代マインドフルネスでSDGs3.4 自殺の減少を

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【目次】地方創生SDGs 3.4 自殺の減少 〜 2023年

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4893
【SDGsターゲット3.4 自殺の問題】種々の問題がここに集約されています

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【目次】孤独孤立対策にうつ病の視点を

第4世代の認知行動療法を活用します
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5348
【目次】第4世代の認知行動療法としての自己洞察瞑想療法SIMT
Posted by MF総研/大田 at 09:37 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL