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孤独とうつ病・自殺は相互関係(3) 〜「うつ病から孤独へ」 [2024年03月12日(Tue)]

孤独とうつ病・自殺は相互関係(3)
 〜「うつ病から孤独へ」

 4月から孤独孤立対策推進法が施行されます。

 そこに、うつ病が治らない人もいるという視点を無視しないでほしいと思います。

 前の記事で孤独の人は、うつ病になりやすい理由を考えました。  「孤独からうつ病へ」です。
 https://blog.canpan.info/jitou/archive/5370

 逆に、「うつ病から孤独へ」も起こります。孤独孤立していたのではないのに、種々の理由(いじめ、ハラスメント、職場のストレスなど)で、うつ病になって、そのうつ病が治らない場合です。

 うつ病の治療法は、日本では、薬物療法が中心です。 しかし、薬で完治する割合が高くありません。 次の記事でも治らないひとが多いことを述べています。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4798
★うつ病が治らない、心理療法の開発の遅れ

 うつ病が治らない人が「孤独感」に見舞われます。 図のような循環です。

K1c-3-孤独とうつ.jpg

 うつ病の症状が重いために、学校や職場に行けない状況になる人がいます。 すると、家族は昼間、学校や仕事で外出します。患者だけが家に残っています。 このために「みな元気で学校や仕事に行けるのに、 自分だけがとり残されている」と孤独感を深めます。
 「治療しているからまもなく復帰できる」という希望があれば、いいですが、 このケースは、医師による薬物療法が効果がない場合で、治る希望がない場合です。 だから、将来に希望がもてません。そう思うと孤独感を深めます。

 これが「うつ病から孤独へ」です。

 だから、孤独孤立対策には、うつ病(そして不安症、PTSD、双極症などの疾患も)の人を治す支援、励まし合う居場所を作る対策が大切だと思います。

 これは、大震災の被災地にも言えます。孤独孤立のひとが増えます。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5338
【目次】孤独孤立対策にうつ病の視点を

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5313
【目次】 能登で大地震 〜 長期にわたって  うつ病、PTSD、睡眠障害のおそれ

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5329
【目次】自殺防止対策にもうつ病など難治性の精神疾患の支援 2024年
Posted by MF総研/大田 at 20:53 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL