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第4世代の認知行動療法 [2024年02月17日(Sat)]

自己洞察瞑想療法
 〜 第4世代の認知行動療法SIMTの特徴

 第4世代の認知行動療法とされた「無評価で観察瞑想のマインドフルネス」(瞑想時)は、 うつ病、不安症、PTSDなどの「治療」には、あまり効果が報告されていません。 そういうマインドフルネスが日本でもブームになっているのに、うつ病に効果がなく、自殺防止などに、用いられていません。
 第3世代の認知行動療法と第4世代の認知行動療法(CBT)の違いはこういうところにあります。

◆第1世代のマインドフルネスを付加した、第3世代の認知行動療法

 第3世代CBTは、無評価で観察する瞑想を付加しました。MBSR,MBCT,ACT,弁証法的行動療法などがあります。MBSRは、瞑想のみで、他の療法は瞑想のほかの手法を加えています。
 観察は、瞑想時のみです。行動時は、社会的参画場面、対人場面であり、無評価でないからです。

◆第2世代のマインドフルネスを付加した、第4世代の認知行動療法

 これに該当する心理療法も多種、開発されるでしょう。
 自己洞察瞑想療法、SIMTは、その一つですが、2つの領域についての本を出版しました。 うつ病などを治すSIMTと、がん患者など死を意識するひとのためのSIMTです。 次の特徴があります。認知のしかたと行動の仕方を変化させる、認知行動療法になります。

 社会的行動時、つまり、対面時が多いが、認知の局面、つまり感覚を通して受け取った時(見た時、聞いた時)、不快な感情を起こします。見た聞いた情報を評価して「感情」を起こしますが、その瞬間、自分の評価基準(本音)で、評価したので感情が起きたのだと認識する訓練をします。  もうひとつ、対面時など認識した途端に、即座に考えて、返事したり、行動します。この時の、返事の内容、行動が問題になります。自分にとって、うつ病に追い込んだり、うつ病を持続させたり、相手を傷つけたり、ハラスメントだと批判されたりします。つまり、思考内容、言語表現、行動表現が問題です。
 自分のうつ病などの発症、自分の症状の持続、相手をうつ病などに追い込むこと、ハラスメントなどと批判されるような思考、言語表現、行為を「価値崩壊の反応」と言います。 そうならない思考、言語、行為を「価値実現の反応」といいます。
 ストレス反応を起こす、扁桃体、HPA系、海馬、自律神経などの関係を理解しての「反応」です。価値崩壊と価値実現の反応を繰り返し、現実の場面で、訓練します。「瞑想時」にも訓練します。  思考、発言、行為の背景に、自己中心的な偏見、バイアス、闇の心理など(本音)がないかどうかを観察する訓練が重要になります。

 こういうことを訓練していくと、半年、1年、5年のうちに、認知と行動が変化します。

指導者による訓練期間

 基礎的な習得期間は、10か月です。うつ病、不安症、PTSDなどのひとが治したいとして取り組んだ場合、半年でかなり改善し完治に近い状態になるのは、1年ほど必要としました。脳内に生じた炎症が、こうした訓練で改善に回復するためには、それくらいの期間を必要とします。
 1年くらいかかることが経験的にわかったので、治療法としての心理療法SIMTは、基礎的な訓練法を10段階にして、やさしい観察法から複雑な観察法を段階的に訓練するように構成しました。
 治したいセッションの場合、10ー12か月が標準です。この間、真剣に実践してもらいます。あとは、自立して自分で実践します。治らないままに、ずるずると参加し続けてカウンセラーへの依存心を防止するためです。
 一方、精神疾患になっていない人(病気でないひともがんの人も)が、うつ病などを予防する目的の場合、同好会、「居場所」として、希望する限り何年も参加する場が別にあり、そういうふうに長く参加する人がいます。
 うつ病などを「治す」ためではなく、「自己」とは何かという「実在論」、いかにして生きるかという「生き方」「実践論」の人生哲学の「実践化」(理論だけではない)ですので、別に構成した方法を出版しました。(『「死」と向き合うためのマインドフルネス実践』)

期待される効果

◆精神疾患の治癒

 うつ病、不安症、PTSDなどは治る人がいます。脳内に炎症が生じていたのが回復するのです。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5236
★マインドフルネス心理療法SIMTの改善効果

 うつ病、非定型うつ病、不安症(パニック症を含む)、PTSD、過食症などが完治する事例が多い

◆精神疾患・自殺の予防

 すべての高齢者のうつ病の予防の効果があるでしょう。市立老人福祉センターで「心の健康体操」、自治会館で「心の健康クラブ」で定期的に開催しています。グループの開催です。回数を多くすれば孤独孤立対策としての「居場所」になる。
 また、大震災の被災地でのうつ病、PTSDなどの予防、自殺の減少の効果があるでしょう。
右矢印1 https://blog.canpan.info/jitou/archive/5313


◆家族の関係が改善

 自分勝手な基準で、不快な思いをさせていた家族関係が改善します。

◆がん患者の闘病のささえ

 がん患者の場合、「死」の不安が変化し、闘病しながら生活するので、うつ病にもならずに生活するでしょう。自己を超えた超越レベルの宗教的な救済を得る人もいます。

◆企業などがハラスメント、不正で批判されることの防止
 なお、弱い立場の人を苦しめる場合、被害者の苦悩は、被害者がSIMTの訓練で、うつ病などを発症を予防する効果があるでしょうが、限界があります。
 重大な社会問題ですから、加害者にやめてもらいたいのですが、現実には、大変厳しい状況です。
 いじめ、虐待、政治ビジネスの現場のエゴイズム、ハラスメントの言葉、行為で苦しめらる弱者が多いですね。宗教、大学などの組織内でも、学問、表現の自由がないですね。革新説が生まれません。
 責任者、加害者がSIMTを実践すれば、苦しむひとがなくなるのですが、残念ながら、そういうことをするひとは、実践しません。残念なことです。自殺者が出て、遺族から訴えられて、やっと気づくのですが、変化できるのかわかりません。
 企業、組織のトップが、構成員に教育(社内教育)すれば、少しは減少するでしょうか。

◆学校におけるいじめ

 小中高生のいじめは、重大事態になればいじめの加害してことが明らかにされて、いじめが加害者にも不都合なことになると教育すれば、減少する可能性があるでしょうか。
 いじめられると「死にたくなる」が、うつ病だということを教育して、保護者、担任、スクールカウンセラーなどに相談して「自殺」を減少させることができるでしょう。

(注)SIMT:Self Insight Meditation Therapy=自己洞察瞑想療法

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【目次】第4世代の認知行動療法としての自己洞察瞑想療法SIMT
Posted by MF総研/大田 at 19:46 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL