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【目次】仏教学、哲学、臨床心理学における「非二元論」マインドフルネスのゆくえ [2024年01月05日(Fri)]

【目次】仏教学、哲学、臨床心理学における「非二元論」マインドフルネスのゆくえ

 日本社会にも、世界中にも、苦悩する人々で充満しています。 そこには、為政者、多数派、エリート層のエゴイズムがみられます。 みな人間として平等であるのに、一部のひとのエゴイズムで、弱い立場のひとが苦しめられています。差別、排除、ハラスメント、誹謗中傷などをする加害者側、それにより苦しめられる被害者側、無関心な傍観者。

 昔は、宗教が苦しむ人の「苦悩」を救いたいとして仏教が起こりました。近代には臨床心理学や精神医学などの「科学」が、人々の「苦悩」からの救済の役割の大部分を担っています。

 ただし、今もなお、これらの「科学(二元論の科学)」でもなお救うことができない問題で「苦悩」する人々が多くて、「科学」では救いきれていません。

 ここ3,40年に 「マインドフルネス」が起こり、第1世代と第2世代が実際に現場で実践されて、従来の「科学」で救済できなかった問題(の一部)を解決できることがわかりました。

第1世代のマインドフルネス〜MBSRを中心として

 第1世代のマインドフルネス(MBSR)は、従来の医療では治らない「痛み」を軽くすることに貢献できることがわかりました。また、うつ病の再発予防の効果があることがわかりました。これは、初期仏教の「正念」(マインドフルネス)の自己の意識現象の観察の手法にヒントを得て、意識現象のごく一部を観察する方法です。

 全世界で臨床的に用いられましたが、うつ病などを「治す」効果は顕著ではないことが明らかになりました。うつ病の軽減の効果はみられますが、完治というところまでは確認されません。

 自殺念慮のある人には、第1世代のマインドフルネスは、かえって苦しみを増すようで、自傷、自殺のリスクを高めることが報告されました。

 また、第1世代のマインドフルネスは、倫理性、社会問題の無視傍観の態度助長、スピリチュアルな問題の回避などの問題を助長するなどの批判が続いています。次の記事で概観しました。

 次の論文で指摘された。
    (B) 池埜聡・内田範子「第2世代マインドフルネス」の出現と今後の展望ー社会正義の価値に資する「関係性」への視座を踏まえてー、Human Welfare, 12:87-102,2020年 (これは、上記雑誌、1月号で、林紀行氏が注9)で紹介している。(p15) )
 その内容を次の記事で見た。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5296
【目次】第1世代マインドフルネスに向けられた批判
 〜 主にMBSR、MBCTの弊害

 人々の「苦悩」は結局、まだ、ほとんど解決の方法を見つけていません。

第2世代のマインドフルネスへ

 第2世代マインドフルネスの批判を紹介した池埜内田論文では、第2世代マインドフルネスの萌芽を伝えています。

 一方、雑誌「精神科治療学」2023年1月号の特集「マインドフルネス再考」の一部を見ました。ここで今後の「マインドフルネス」に必要なのが「非二元論」であるということを2つの論文で確認しました。西田哲学、鈴木哲学を理解できる人は、「マインドフルネス」の希望をここに見ています。井筒俊彦の言語哲学もそうです。しかし、「非二元論」を理解できず、西田幾多郎や鈴木大拙、井筒俊彦等を否定する学者もみられます。

 (無理解、誤解、かたくなな思い込みがあると見ています。西田哲学、鈴木哲学の最終的に示してくれたものまで、否定する学者は、それに代わって、現代の問題を解決できるようなご自分の哲学を発表してもらいたい。認識論、実在論、実践論のすべてを矛盾なく。)

 この対立は、非常に重大な問題です。なぜなら、自殺が多い日本の種々の「苦悩」の解決の一つに「第2世代のマインドフルネス」(それは第4世代の認知行動療法)になりうるかどうかという問題だからです。
 そして、西田、鈴木、井筒を紹介する学者(大学における)が少なく、否定する学者(仏教学、哲学)が多い状況は、将来の日本をになう学生に情報が偏ってしまい、「非二元論」の深い仏教、深い哲学が社会問題の解決の可能性がある第2世代、第3世代のマインドフルネスへの可能性に気が付くことが遅れます。   このように、重大なテーマである「非二元論」マインドフルネスの哲学の期待と否定を概観します。

 これは、重大な学問上のテーマです。容易に決着はつかないでしょう。
 しかし、うつ病などが治らない、自殺が多い、ハラスメントが産業全体に充満している状況は、貴重な生命、若者の人生に重大な影響があり、待ったなし、です。だから、学問上の決着を待つことなく、第2世代マインドフルネス(第4世代の認知行動療法)の開発の試行を始めていただきたいと思います。
 折もおり、令和6年能登半島地震が起こりました。種々の状況の「こころの苦悩」が予想されます。臨床心理学、精神医学、哲学(自己存在、幸福論など)に関連する領域のかたは、第2世代のマインドフルネスも研究して、貢献できないか検討をお願いいたします。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5314
【目次】仏教学、哲学、臨床心理学における「非二元論」マインドフルネスのゆくえ

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5317
★すべての人が「超個の個」
 〜 鈴木大拙、西田幾多郎が明らかにした人間性(霊性)
 (2)西田幾多郎「自己は絶対者の自己否定」=非二元論

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5316
★すべての人が「超個の個」
 〜 鈴木大拙、西田幾多郎が明らかにした人間性(霊性)
 (1)鈴木大拙がいう「超個の個」=非二元論

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5315
★鈴木大拙、西田幾多郎が明らかにした人間性(霊性)はこれから重要になる

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5314
★問題の所在  目次


【参考記事】

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2519
★哲学者によれば、西洋と東洋では、2元観と一元観であるという。 深い問題、深い苦しみにマインドフルネスをという時には、この差異は決定的となる可能性がある。実践は、単なる思想の学習、知識習得にとどまるわけにはいかない。現実に苦脳する人が苦脳を克服しなければならない。マインドフルネスは単なる技法技術でとどまるわけにはいかないのだと思う。背景に自分の哲学をしっかりもたなければならないと思う。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3028
★井筒俊彦の言語哲学の一端

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3098
★「ある立場」「特定の立場」とは、井筒俊彦がいう、言語アラヤ識のレベル 。ゼロポイントを知らない、基体的自分を残している

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3161
★宗教を捏造する宗教者・研究者、そしてそれを信奉する推進者

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3178
★我々の自己の自覚の奥底には、どこまでも我々の意識的自己を越えたものがある
Posted by MF総研/大田 at 09:22 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL