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【目次】マインドフルネスは、第1世代から第2世代へ [2024年01月01日(Mon)]

【目次】マインドフルネスは、第1世代から第2世代へ
〜 孤独孤立の対策・自殺の防止対策
〜 大震災からのうつ病、自殺の予防に
〜 至誠・社会創造・平等・無差別・無闘争・共生

 次の記事で、もうすでに第2世代マインドフルネスもあることをみようと予告しました。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5295
2023年、 日本、世界で種々の事件、紛争が勃発した時点で「マインドフルネス再考」
マインドフルネスは第2世代にはいった
 〜 第4世代の認知行動療法へ

 しかし、第1世代マインドフルネスへの「批判」を紹介するので一杯になりました。 あらためて、これを「マインドフルネスは、第1世代から第2世代へ」として、新しい流れを概観していきます。

 雑誌『精神科治療学』(2023年1月号)が「マインドフルネス再考」を特集しました。これを見ると、マインドフルネスは「無評価で観察の瞑想」(これを第1世代マインドフルネスという)から、それを超えたマインドフルネスに入っている。これを第2世代マインドフルネスという。第2世代は、多種多様なものが予想されます。第1世代も多くあったように。たとえば、MBSR、簡素化MBSR、MBCT、ACT、弁証法的行動療法、のように。

  (雑誌『精神科治療学』2023年1月号、星和書店、
 特集 マインドフルネス再考 〜様々な対象、領域での応用)

 第1世代のマインドフルネスは、MBSR、MBCTに見られる。さらに、MBSRの7つの観察態度のうち第1だけの定義によるマインドフルネスも含まれる。
 このマインドフルネスを種々の領域に応用した認知行動療法を「第3世代の認知行動療法」と称した。

 第1世代は「無評価」と「瞑想」が強調される。これが批判される事態が指摘されてきた。これらは、不正、差別、ハラスメントなどの無視、傍観の態度の助長や深刻な精神社会問題や精神疾患の治療には用いられることがないなど、限界が指摘されるようになった。

 無評価で観察する瞑想にたいする批判が起きた。その内容を見た。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5296
【目次】第1世代マインドフルネスに向けられた批判
 〜 主にMBSR、MBCTの弊害

 次の論文で指摘された。
    (B) 池埜聡・内田範子「第2世代マインドフルネス」の出現と今後の展望ー社会正義の価値に資する「関係性」への視座を踏まえてー、Human Welfare, 12:87-102,2020年 (これは、上記雑誌、1月号で、林紀行氏が注9)で紹介している。(p15) )
 仏教では、初期仏教から大乗仏教へ、そして、日本仏教へと、もっと広く観察されていたこともあり、「マインドフルネス」も第1世代の マインドフルネスを超えた観察法を研究、開発することが始まっている。
 もちろん、第2世代マインドフルネスは、第1世代の「マインドフルネス」(MD)の完全否定ではなく、それでは解決できない領域のために、これを超えた観察法の開発、導入が始まっているという。「第2世代のマインドフルネス」と称する動きだという。
 私は、自分がうつ病になったことから、うつ病の実情を知っており、MBSR、MBCT、簡素化MDは、うつ病などの治療法にならない、自殺防止には限界があると言ってきた。そういう深刻な問題を、こともあろうに、学者、医師でさえも「無視・傍観」していると指摘してきた。患者の立場に立っていないと感じてきた。(もちろんすべての学者、医師ではない)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5126
★地方創生SDGs3.4 自殺の減少を
 〜 自殺防止 2023年 >

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5166
★苦しんでいるひとが多いのに「自分は幸福だ」と思う学者・宗教者
 〜 現実の社会は「無評価」ではない

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5186
★今のままでは、長引く「うつ病」を治す医師も心理士もいない
 新しい対策を

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5204
★孤独孤立対策〜現在の問題点。

 そして、うつ病になり深い禅により完治した自分の体験と、西田哲学・鈴木哲学に教えられて、心理現象の観察を瞑想時だけでなく行動時まで観察し、しかも「無評価」ではない観察法を開発して「自己洞察瞑想療法」(SIMT)と名づけた。試行錯誤で改善を重ねて、うつ病、不安症、PTSD、過食症などに一定の「完治」の効果があることがわかった。今後、さらに、特定領域への応用を研究していかねばならない。

 最近、SIMTを「第4世代の認知行動療法」の一つと位置づけた。第4世代の認知行動療法も多数考えられる。SIMTも領域によって多数のSIMTを研究していかねばならない。  雑誌「精神科治療学」2023年1月号で、二元論、非二元論のマインドフルネスが議論されているが、第1世代は浅い二元論である。第2世代はやや深い二元論から非二元論まである。二元論のなかでも、種々の配慮がある。それは、ヴィクトール・フランクルも言っている。

 西田幾多郎、鈴木大拙(そして、竹村牧男氏)によれば、「非二元論」は、宗教意識レベルまである。このレベルのマインドフルネスは、特に深いものとなるが、理解する人が少ないかもしれないが、最近深刻な問題となっている、カルト被害の支援、がん患者の死の不安・自殺の防止、種々のマイノリティの差別の批判、宗教・人種・国の違いなく「人間の平等」、戦争の否定、などには必要であると思われる。ここは、宗教的レベルであり、「第3世代のマインドフルネス」「第5世代の認知行動療法」というのだろうか。「マインドフルネス学」が学問というならば避けてとおるわけにはいかない。

 重ねて強調するが、第2世代マインドフルネスは、第1世代を排除せず、包摂する。第1世代を必要、十分とするかなり多数の人がいるだろう。必要とするひとが行えばいい、人間は自由である、しかし、それを超えたマインドフルネスを排除してはならない。第1世代では「この問題は解決できない」という人が第2世代のマインドフルネスを研究していく。大学などでも、どれかを排除せず、両方とも研究し学生、社会人に教育し、共生の態度のモデルを示してほしい。そして、苦悩していない「エリート層」同志でなくて、苦悩する人の支援の臨床、支援に乗り出し、応援してほしい。 第2世代は、「エリート層による癒しの事業」にならないでほしい。

  孤独・孤立対策推進法が、本年に施行される。孤独孤立には「こころ」が大きく関係している。うつ病、不安症などが治らないで、「孤立」して いる人もいる。がん患者も「死の不安」孤独を感じるひともいる。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5158

 「孤独・孤立対策」にも、第2世代マインドフルネスが貢献できると信じる。その理由はすでに述べてきた。これからは、現実化の段階である。  まだ、日本でも支援者がほとんどいない。第2世代のマインドフルネスは、欧米でも開発された。日本創始の第2世代も多数の「流派」が考えられる。闘争、排除しあうのでなく、「みんなちがって みんないい」(金子みすゞ)のであり、必要とする人々がいるのだから、「共存」「共生」でいきたい。
 欧米でも、日本でもマインドフルネスは新しい時代に入っていると言える。その萌芽をみておきたい。この記事は、その目次としたい。

【目次】マインドフルネスは、第1世代から第2世代へ
 〜 孤独孤立の対策・自殺の防止対策
 〜 大震災からのうつ病、自殺の予防に
 〜 至誠・社会創造・平等・無差別・無闘争・共生


https://blog.canpan.info/jitou/archive/5342
見て見ぬふりをすることで、その社会問題自体が存在しない

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5340
(3)見捨てられている重大な日本の社会問題
  〜 C)非二元論の哲学がない

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5330
(2)見捨てられている重大な日本の社会問題
  〜 B)実践の方向となる「哲学」がない

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5326
(2)見捨てられている重大な日本の社会問題
  〜 A)治りにくいうつ病や不安症

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5325
(1)池埜内田論文の指摘
★第2世代、今後の課題

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5324
★第2世代マインドフルネスの実際−アメリカ

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5323
3) 「社会変容」へのまなざし

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5322
2) 「関係性」への再帰

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5321
★批判された特徴を克服する第2世代マインドフルネス
1)「倫理性」の再獲得

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5320
★マインドフルネス心理療法SIMTは第2世代マインドフルネス
 〜30年かけて実際の現場で支援してきた

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5312
★第1世代マインドフルネスは 批判も多く、それほど効果がみられず、第2世代に
第4世代の認知行動療法を活用します
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5348 【目次】第4世代の認知行動療法としての自己洞察瞑想療法SIMT

【ほかの関連領域】

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5338
★【目次】孤独孤立対策

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5346
★【目次】子どものいじめ被害・うつ病など精神疾患、自殺防止対策
Posted by MF総研/大田 at 10:55 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL