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日本における「マインドフルネス」周辺の学者、医師などにある構造的な問題の不可視化 見たい [2023年12月25日(Mon)]

2023年、 日本、世界で種々の事件、紛争が勃発した時点で「マインドフルネス再考」
第1世代マインドフルネスに向けられた批判
 〜 主にMBSR、MBCTの弊害

「マインドフルネス」(第1世代)は組織構造的、社会的問題を見えにくくする(4)
 〜 日本でも、社会問題、構造的問題を見てみぬふりを助長するおそれ
 〜マインドフルネス学に近い学問領域の学者の場合

 次の論文で指摘された「マインドフルネス」に対する批判について紹介するとともに、私見を述べている。
    (B) 池埜聡・内田範子「第2世代マインドフルネス」の出現と今後の展望ー社会正義の価値に資する「関係性」への視座を踏まえてー、Human Welfare, 12:87-102,2020年 (これは、上記雑誌、1月号で、林紀行氏が注9)で紹介している。(p15) )
 3つの批判があるという。1)2)3)
    1)倫理性のあいまいさ 

    2) 組織構造的、社会的問題の不可視化
      「見て見ぬふりを助長」
      この問題は、2つに分けられる。企業と社会全般。
    A) 企業マインドフルネス
     ☆組織内にはびこる「見て見ぬふり」、マインドフルネス助長するおそれ。 

    B) 企業マインドフルネスにとどまらない
     ☆社会全体に問題を見て見ぬふり
     ☆池埜内田論文による「マインドフルネス」批判
      ☆日本における「マインドフルネス」周辺の学者、医師などにある構造的な問題の不可視化
     この記事は、この批判についての私(大田)の意見である。

    3)スピリチュアル・バイパッシングの危険性

2) 組織構造的、社会的問題の不可視化
 〜日本における「マインドフルネス」周辺の学者、医師などにある構造的な問題の不可視化

 欧米では、「マインドフルネス」(第1世代)は、(2)社会全般に差別、無視、傍観を助長するおそれがあるという批判があるという。日本でもそういう傾向を助長するおそれがマインドフルネスを学んだひとにひろがるおそれを前の記事で見た。
 そういう危惧について、日本における「マインドフルネス」に関わる「学者」「精神科医」などの態度を見たい。

 組織構造的・社会的問題への無関心、見て見ぬふりは、日本では関連する専門家(宗教者、学者)による不可視化、見てみぬふりが起きているのではないかという懸念がある。

 オルテガが大学人の多数派を批判したことが「マインドフルネス」の周辺の学問にも起きているのではないかという懸念である。そのことが、構造的な問題の不可視化となる懸念である。
 第1世代のマインドフルネスに対しては、アメリカでは、社会問題を見て見ぬふりすることを助長するおそれがあると指摘されているのに、なぜ日本の学問は指摘しないのか。

 学問的に検討すべきはずが無視、傍観されている懸念のある点を数個、考えてみたい。真剣な検討をしていただきたい。さもないと、また、構造的な問題の解決をめざすマインドフルネスを創始できなくなるおそれがある。また、アメリカから輸入することになるだろう。「日本の西田哲学や鈴木哲学を「マインドフルネス」的な説明をしたものだ」とアメリカの開発者から言われつつ、日本は輸入することになるだろう。

1)うつ病、不安症などを改善するのは、宗教ではない(精神療法の枠内である)のに、日本ではなぜ、マインドフルネスを研究しないのか。

2)ジョン・カバットジン氏がMBSRは、東洋の深い実践(マインドフルネス)の「扉」にすぎないというのに、日本人は「扉」のうちや「全体性」を活用することに取り組まないのか。

3)マインドフルネスは宗教を排除したものという表現がされるのは、なぜなのか。それが深い問題の解決をめざすマインドフルネスの開発を阻んでいないのか。

4)マインドフルネスは仏教を活用して社会に貢献したいというのに、日本の仏教の学問が利他に貢献していないように見えることが、学問的に批判されないのはなぜなのか。

5)特に宗教的レベルのマインドフルネスについて、がん患者の死の不安による自殺防止やカルト被害の防止などに貢献できるはずなのに、なぜ研究されないのか。

 これらをもう少し詳しく述べたい。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5168
★【連続記事目次】孤独・孤立の対策&
  不登校・ひきこもり・自殺念慮対策(SDGs3.4)
 自殺防止対策にも、孤独孤立対策にも。

◆2023年、 日本、世界で種々の事件、紛争が勃発した時点で「マインドフルネス再考」
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5296
【目次】第1世代のマインドフルネスに対する批判
   〜 問題を克服するために第2世代マインドフルネスへ
Posted by MF総研/大田 at 20:03 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL