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教員の精神疾患による離職が過去最高になった [2023年12月22日(Fri)]

教員の精神疾患による離職が過去最高になった

 心の病で休職の公立校教員が過去最多だったと、 昨年、報道があったことをお伝えしていました。

 また、「心の病気」で休職した公立学校の教員が、過去最高との報道がありました。

◆「心の病」で休職した公立教員、過去最多 前年度比10.9%増
(毎日新聞、2023/12/22)
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6485824

◆精神的な不調で離職の教員、過去最多に 働き方改革急務 文科省調査
https://www.asahi.com/articles/ASR7W66VWR7WUTIL006.html
(朝日新聞、2023/12/23)

 この問題は、対策がすすまず、頻繁に報道されてきました。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5009
(2022/6/24)
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5116
(2022/12/28)
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5195
(2023/8/12)

 いったん「うつ病」になると、治療を受けても、完治しないひとがいます。構造的な問題の対策をして、予防しないと、休職、退職を減少できません。
 治療法も、薬物療法だけではなくて、認知行動療法での支援もしてほしいものです。 その検討がされていないのではありませんか。
 構造的な予防対策と、うつ病になってしまった教員のための治療対策、の両面の対策をとらないと、教員になる志望者が少なくなっていくおそれがあります。

 そして、教員のメンタルヘルスが厳しい状況であると、教員が子どものメンタル的に危機的状況にある言葉、態度を「いじめではないか」「うつ病ではないか」と「評価判断」することができない心の状態にもなるでしょう。いじめの見落としの「重大事態」になってしまうかもしれません。
 教師の「評価判断」のミスを責められるでしょうが、無評価でただ観る、という「マインドフルネス(第1世代)」では責められないように見えます(注)。教師にうつ病が多いのは、教師個人だけの問題ではなくて、「教師という職場」の構造的な問題があるのでしょう。別の記事で、このことも、考えておきます。

(注)
「無評価で観察」のマインドフルネスがブームですが、批判も起きています。 MBCTでは、次のように言っています。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5287
子どもが「死にたい」「いじめられてつらい」をいうのを聞いた時、常識人ならば「これは厳しいことが起きているようだ、重大なことだ」と判断して、「何があるの」「どうしたの」などと詳しい事情をきいてあげようとするのでしょうが。

【関連記事】


https://blog.canpan.info/jitou/archive/4236
★第4世代の認知行動療法
 無評価で観察の瞑想の「マインドフルネス」は、第3世代のCBTといわれるが、うつ病はそのような簡単な観察で、治るような問題ではない。もっと深い認知行動療法(CBT)が必要だ。SIMTはその一例だ。教員の職務に特化したCBT(SIMTも)を開発して、もっと完治率の高い心理療法も研究するべきだ。教員の支援をしている精神科医、心理士が検討していただきたい。

標準的なSIMTでこのように治る
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4563
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4564
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4565
◆教員のうつ病の治療に特化した「応用SIMT」を開発すれば、教員のうつ病も完治率が高まると思う。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4947
★第3世代のCBT(無評価で観察のマインドフルネス)は、重いうつ病、パーソナリティ障害、双極性障害の患者で自殺念慮のある人には用いないほうがいいだろう。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4786
★なぜうつ病になるのか なぜ自殺が起きるのか 

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5119
【目次ー自殺予防2023年】

Posted by MF総研/大田 at 21:27 | うつ病の予防 | この記事のURL