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日本では宗教も精神療法もともに検討の余地 [2023年10月30日(Mon)]

日本では宗教も精神療法もともに検討の余地
 〜多くの国民が両分野でつらい状況にある

 日本では、宗教も精神療法も、共に不十分だ。

 宗教と精神療法の2つは、別の領域を持ち、峻別すべきとフランクルはいう。 宗教者は、心の病気を扱わない、医師は宗教問題を扱わない。

 「なぜかというと、宗教がその効果からみていかに精神療法的に有効であるといっても、宗教の動機はもともとなんら精神療法的なものではないからである。また、宗教が心の健康や心の平衡のような事柄に二次的にいかに良好な影響を及ぼすものであっても、宗教の目的は心の治療にあるのではなく、心の浄福にあるのである。 宗教は平穏な生活や、コンプレックスからの可能な限りの解放や、あるいはその他のいかなる精神衛生的な目的設定であれ、いずれにしてもそのようなものを保証するものではない。 宗教は人間に向かって、精神療法の与える以上のものを与えるのであり、また精神療法の要求以上のものを人間に要求する。 この両分野はその効果において互いに重なり合いはしようが、それぞれの志向するところは互いに無関係なのであって、これを混同することは原理的にはっきりといましめねばならない。 」 (ヴィクトール・フランクル『識られざる神』みすず書房、佐野利勝、木村敏訳)

 宗教者は、宗教的問題からの救済を担う。医師は病気からの救済に応える。ともに、現代日本人の問題に十分とは言えまい。
 うつ病になり医師による治療を受けても、完治率が低い。それによる自殺も多い。がんなどで入院していた患者が病院で自殺することもある。自殺防止の精神療法のとしての医療が不十分である。

 宗教者が、禅を宗教だというが、「無評価で観察の瞑想」(マインドフルネス)とほぼ同じだ。宗教的問題からの救済に応えてくれない。マインドフルネスと同じ程度の禅(超越を言わない禅)からいえば、カルトがどうしておかしいのか批判もできないだろう。
 宗教学者量義治氏のいう「宗教の条件」にあっているのかわからない。坐禅堂での坐禅が宗教ならば、対人場面でない瞑想のマインドフルネスも宗教といってよいほど酷似する。その程度なら、宗教者でない「マインドフルネス」の人が担当できる。
 病気の人も、そうでない人も宗教的問題に苦悩することがあるが、医師が扱ってはいけないとフランクルはいう。宗教者が扱えという。では、禅だけでなく、日本の仏教は日本人の宗教的問題からの「救済」に応えてくれているのだろうか。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2961
★無評価で観察のマインドフルネスは浅い

 うつ病が治らず、自殺するひとが多い。宗教的問題で苦しむ人も多い。宗教も医療もまだ十分ではない。不足するところを研究しようとする若者をその長老が排除、妨害してはならない。従来のものを欲する人も多いのだから、新と旧と「共生」すればいい。
 不十分でないところを若者が研究しようとする自由を与えて、さらに積極的に支援してほしい。 日本は、うつ病の精神療法も普及していない。宗教的問題からの救済も十分でないのだから。苦悩するひとへの苦の「共感」と、自分ができないことに挑戦する若者と「共生」を。
 私も超高齢だから旧いので、引退して、若者に任せる。長老、中年がやらなくて解決できない問題に取り組んでいただきたい。さもないと、あなたがたが、そして子どもが心の病気と宗教的問題で苦悩する時、救済されないから。他人事としないでいただきたい。

【参考記事】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4988
★自殺対策 〜 心理職に期待
 孤独孤立対策にも


https://blog.canpan.info/jitou/archive/1951
★(2010年)薬の開発が後退の恐れ

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2483
★日本〜若い人は「夢」を抱いていたのに、自分さえよければいいという、独断偏見我執で苦痛を与えて自殺に追い込む日本人。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4882
★ジャーナリストも学者も

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2588
★宗教の条件「救済」
 「苦からの救済」が宗教の重要な条件。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2221
★「技術者(専門家)の我執、個人の苦悩、世界の歪曲」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3658
★組織と個人のエゴイズムの問題

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5018
★専門家の倫理

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3729
★思想的怠惰

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3251
★道元〜我利我執を観察して抑制せよ

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4650
★「見て見ぬふりをする社会」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3541
★あなたの組織には言論、学問の自由がありますか

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2063
★ごくごく簡単にいうと
 大乗仏教や後期西田哲学の実践は、価値崩壊の反応パターン(苦悩の中の反応)ではなく、価値実現の反応パターン(苦悩から乗り越え)への実践

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3202
★ある立場、定義によるが、、、、・
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4417
★内部だけでしか通用しない理論枠に縛られ

【つらい人の相談先】
 新聞記事の最後に記載されています。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5168
【連続記事】孤独・孤立の対策&
  不登校・ひきこもり・自殺念慮対策(SDGs3.4)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5259
【目次】専門家のエゴイズムー2023
  〜 宗教者、学者、種々の専門家


Posted by MF総研/大田 at 21:20 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL