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孤独・孤立対策は、地方創生SDGs ゴール4「質の高い教育をみんなに」とも密接に関係 [2023年09月18日(Mon)]

孤独・孤立対策は、地方創生SDGs ゴール4「質の高い教育をみんなに」とも密接に関係

 来年施行される孤独・孤立対策推進法は、地方創生SDGs、ターゲット3.4「自殺の減少」 と密接に関連することは、前の記事で説明しました。

 そして、孤独・孤立対策は、地方創生SDGs ゴール4「質の高い教育をみんなに」とも密接に関係しています。「自殺」は「いのち」がかかっています。「いのち」を救うために、十分な教育がなされているでしょうか。学校教育でも社会教育でも「自殺」させないために、十分な教育がされているでしょうか。

 種々の領域において、孤独・孤立の人々が支援も受けられず、孤独感を深めて、うつの症状が起こり、孤独で支援もうけられないと、抑うつ症状の自殺念慮が重くなるのです。
 「いのち」がかかわる、うつ病に関連ある科学、学問の領域の成果が学校教育で社会教育で国民に教育されているとはいえないところが見受けられます。
 「いのち」がかかわるうつ病、および、苦悩を救うはずの宗教の学問については、多数派の説だけではなくて、現状を批判する少数の学説も教育しないと公平とはいえません。なぜなら、多数派の学説では、現代の人の「いのち」を十分に守るような効果や期待が感じられないからです。

 「うつ病」「苦悩の解決」「自殺」などが関係する科学、学問において、仏教学、禅学、マインドフルネス学、精神医学、哲学(人生、生きるということ、自己、幸福とは、などの哲学)などが関係するでしょうが、大学では、多数派説のみが教育されています。社会教育でも、あまり見られないようです。

 苦悩を解決するために、宗教や哲学があるはずで、仏教、哲学やマインドフルネス学において、宗教者、僧侶も研究を発表しています。
 学者や僧侶が、いくら「これこそ釈尊、〇〇の真相だ」という膨大な書籍を発表しても、「昔はそれでよかったかもしれない。しかし、今は時代が違う。それが、「私自身の現実の苦しみの解決」「私が生きがいをもって取り組んでいる社会問題の解決」に直接的に、現実に応用できないのであれば、高く評価しない。」こういうでしょう。

 結局、評価基準が違うのです。「マインドフルネス」は無評価だというが、それがいいと評価しているのです。しかし、そ れだけが自己観察の学問だと思わせるような教育は問題です。現実の生きる現場は「評価」だらけです。脳も扁桃体で常に評価しています。無評価だけでは、 現実に苦しい人、今にも死にたいという人、難病でもういつ死ぬかわからない死におびえる人、犯罪の被害で苦しむ人、親の愛を感じない虐待された苦をかかえる人には、響かないでしょう。現実の苦しいと評価せざるを得ない人々の問題を解決するための「マインドフルネス」の学問も必要であるはずです。

 最近、仏教、禅、マインドフルネス学の領域において、従来も今も大学などで教育されてきた多数説を批判する学説が発表されていますが、それが、大学や社会教育で教育されていないようです。魅力ある革新的な学問が教育されないのです。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3460
 (上の囲み)
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4859
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5115
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5049

 2022年、カルトによる被害があきらかになりました。深い誠実な宗教が大学でさえも教えられていないことも影響あるでしょう。
 三浦綾子も教えています。ひとは、自己中心的です。この自覚がなくて、僧侶も学者もエゴイズム的です。少数派の革新的、深いものが大学からも排除されています。苦悩する国民が魅力あるものを教えられません。カルト被害にあうのもこういう事情も影響しています。
 西田幾多郎や鈴木大拙が教えるような深い、誠実な宗教が大学でさえも教えられていません。カルトに抵抗できるような宗教が日本国民に教えられていないのです。  日本にもエゴイズムによる被害者が充満しています。仏教、禅や西田哲学には、エゴイズムの批判もあります。こういう教育が行われれば、企業や学者、宗教者のエゴイズムも減少するでしょうか。いじめも、エゴイズムです。悪意です。映画「君たちは、どう生きるか」のテーマでした。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4895
★無評価で観察だけではMBSRでもない
 種々の社会問題はそんな浅い自己洞察では解決しない。もっと深い観察法を排除しないでほしい

 宗教は、自分の苦の解決、社会の人の苦の解決や自己とは何かという問題に応えるものであるという。それなら理解できる。しかし、「縁起の思想の理解が仏教の真意だ」「開祖の思想は坐禅が尊いというのだ。坐禅さえすればいい。利他の実践は無用である。」というのが学問では正しい解釈であるとしても、今のこの時代の、この日本の、この私の家族がいて、この職場にいて、現実の苦悩を解決できないならば、そのような学問は、私には響かない、ということであろう。

 それならそれでいいのだが、本当にそれだけだろうか。平安末期から鎌倉時代初期の当時は、出家の自由はありませんでした。領主の制限で利他の実践もできませんでした。住民の苦悩は武家や公家がもたらしていた面もあるのですから。出家は家族、職業を捨てました。そんな時代には、外部の住民に向かって、苦の解決支援(利他)をすることは難しかったのです。だから、道元が坐禅をすることを強調したのは、当然でした。しかし、それだけではなかったのです。
 坐禅だけというのを批判する著作が竹村牧男氏から出版されました。道元もまた、大乗仏教がいうような深い根源を言っていたことを明らかにしました。
 また、大乗仏教は、ただ坐禅するだけだとは言わなかった、自己成長、自内證、利他を強調した(大竹晋氏)ことも新しい学問解釈です。そういう3つは、開祖にはないのか、学問がそういう面もあったことを明らかにしたとして、それを教育するところがほとんどありません。しかし、一部の仏教学者や哲学者は、道元、親鸞などにも、深い自己を自内證することがあるといいます。つまりは、学問的な解釈の違いです。違いは大きいです。現代の自己の救済、利他が特に大きいです。カルトの被害で現代も苦しむひとが多いのですが、仏教は支援できないのでしょうか。

 欧米から輸入の「マインドフルネス」が世界的にブームになっていましたが、坐禅に にています。人々のストレスの緩和や集中力の向上をしたいという問題の解決にかなり貢献しています。
 しかし、「無評価で観察の瞑想」だけは、MBSRの7つの態度を一つだけにしたものです。ヴィクトール・フランクルの批判した、画一主義、還元主義に似ています。もしそうであれば、排除された部分が社会貢献するかもしれないものを捨てたことになるでしょう。「マインドフルネス」が学問ならば真剣に検討すべきでしょう。

 中村元氏は、慈悲(=他者救済)に薄いのは、仏教ではないと慈悲を強調しました。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2553
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2555

 竹村牧男氏も仏教学、禅学は再検討すべきだというのは、こういう事情からでしょう。竹村氏は新しい道元解釈の本を出版されました。坐禅だけではなかったというのです。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3470
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3471
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3476

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5027
★仏教「再生」ー自然科学、西洋哲学、様々な分野の人によって。学会も。

 学問的な真相、納得できる質の高い教育を受けたい。「いのち」が関係していますから。

 質の高い公平な教育について考えています。

http://mindfulness.jp/sdgs/21-goal-4.pdf

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4750
http://mindfulness.jp/sdgs/21-goal-10.pdf
★男女平等の禅の哲学、西田哲学も

 現実の問題を解決できる基礎になる学問も教育すべきでしょう。学者が地位、名声をたてにして、現実の現場で取り組んでいる実務者を排除することがあるのはとんでもないことです。こういうことを是正しないと、目標4は実現しないでしょう。環境が激しく変化しています。
 哲学、仏教、禅、マインドフルネスの学問も少数説をも排除せず、公平な教育が受けられるような仕組みはどうやって実現するのでしょうか。

 埼玉新聞(2021年1月10日)に哲学者上智大特別研究員西島佑さんが、問題提起している記事があった。
 「意のままにならない相手とも、 それなりにやっていく日常の訓練が忘れられている。」

 学問的な批判であるのに、多数派、従来の説派は敵対して、少数派を排除する、そして分断。大学でも起きています。共生社会の建設に違反します。
 朝日新聞(2023年9月16日)で、岡崎明子氏が大学における教授らの有意な立場を利用したいじめ、アカデミック・ハラスメントの撲滅をいっています。科学学問の進展を妨害するアカハラをする教授らを罰することをすすめたほうがいいのです。

 自分の解釈、正義の執着、心の闇の観察、自己抑制が教育されず、教育者が学問的批判者を排除することが起きています。こういう傾向は、SDGsの共生にも違背するでしょう。心の探求に関連する哲学、仏教、禅、マインドフルネスの学問が現状の教育でいいのでしょうか。

精神医学の教育も十分でしょうか

 うつ病、不安症などが治りにくいひとには、認知行動療法もあることを教育しないでいいのでしょうか。うつ病にどうしてなるのか、薬物療法があるが治らない場合に認知行動療法があることを教育しているでしょうか。
 うつ病、不安症が治らないと、長期間社会復帰が難しい、自殺などの重大な人生の問題なのです。現状の教育で、SDGsゴール4を満たしているでしょうか。
 地方創生SGs、ゴール4「質の高い教育」が行われる社会の実現を望みたいのです。

 十分な教育がされておらず、うつ病などが治らず、自殺が多いので、ほそぼそと、講演や講座をさせていただいています。「いのち」がかかっているのですから、こういうことは、もっと広くやっていただくべきです。
 自殺対策という視点からの対策では、教育は不十分だったように見えます。孤独・孤立対策推進法も施行されますので、教育も広く行われるでしょうか。

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★学者による忖度で学問が進展しない。社会教育が必要という学者。

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★マインドフルネス学も

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★文学にも

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★)他者を不幸にしてまでも大将になりたい、金がほしい、地位名誉が欲しい

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★認知行動療法の学問

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★金子みすゞも、人間の深いこころを見た。皮相的な観察ではない。

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★文学にも(遠藤周作、三浦綾子など)

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★詩人、茨木のり子
【目次】孤独・孤立の対策&
  不登校・ひきこもり・自殺念慮対策(SDGs3.4)

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Posted by MF総研/大田 at 11:06 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL