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うつ病が1,2年治らない場合、認知行動療法を [2023年09月06日(Wed)]

うつ病が1,2年治らない場合、認知行動療法を

 双極性障害にも認知行動療法(CBT)が効果があると報告されています。(日本うつ病学会)
 CBT単独または併用すると、治療後およびCBT提供中に有用な結果をもたらすと考えられています。
 CBTにより、抑うつ症状や躁の症状の軽減、再発再燃の減少、心理社会的機能レベルの向上が期待できるとされています。マインドフルネスは瞑想を付加する方法(第3世代の認知行動療法)ががブームになっていますが、それは、症状が重いうつ病の治療には向いていません。自傷や自殺念慮を高めてしまうと報告されました。第3世代は、自殺念慮の重い人には不向きです。
 しかしSIMTは、瞑想を超えます。うつ病、非定型うつ病、パニック症、過食症なども治る人がいます。SIMTは、瞑想だけではなくて、日常生活のすべての場面の瞬間での認知、行動の変容をめざす動的認知行動療法です。それで、私は第4世代のCBTと呼んでいます。これができる専門家は少なくて、次の時代に取り入れられるでしょう。

 今は、双極性障害にも試験的に実践していただきます。

うつ病が数年治らないと1割が双極性へ

 双極性障害、は初めは抑うつエピソードで始まることが多いため、うつ病と診断される。そして、双極性障害と診断されるまで6−9年だという。双極性障害には抗うつ薬は悪化させるものがある(「心の病の脳科学」講談社)。それなのに、そういう抗うつ薬を服用するために、双極性になってしまう。

過眠症状にある抑うつは「双極性障害」かも

 過眠症状があるのは「非定型うつ病」が多いが、「双極性障害」の一部にもみられる。  この2つには、抗うつ薬を服用しても治りにくい。特に後者ならば、数年後に「双極だった。抗うつ薬がまずかった」ということにもなりかねない。 「危険だ」という医師もいる。(下記注)

 初めは抑うつ状態から始まるかもしれない。1年、薬物療法で治らない抑うつ症状(うつ病、非定型うつ病、双極性障害のいずれかがあとで判明)には、認知行動療法を併用すれば、うつ病も治り、躁病エピソードも起こらないのかもしれない。なぜなら、双極性障害は遺伝的素因、薬の影響、環境要因などがからんでいるとされる。

 うつ病学会は、うつ病にも双極性障害にも、CBTが有効と認めている。しかし、それを推進できないのは、健康保険の対象にならず、安価で患者に提供できなから、医師、心理士や作業療法士などの職業にならないからのようだ。
 双極性障害は死亡率が一般よりも高いと言われる。自殺、事故などで寿命が短くなってしまう。長引くうつ病のひとにも、CBTを提供すれば、一部の患者さんが治るだろう。
 何か、財政的な支援ができないのだろうか。CBTを提供する人に、職業とするだけの報酬を保証しないと、するひとが現れない。うつ病や双極性障害の治らないひとは、孤独のなかにある。

(注)双極性障害に抗うつ薬は危険
 こういう事情があることを後の記事に述べた。
 https://blog.canpan.info/jitou/archive/5459

★日本うつ病学会診療ガイドライン  双極性障害(双極症)2023) 第5章
★林(高木朗子)・加藤忠史編著『「心の病」の脳科学』講談社 

★SIMT=マインドフルネス自己洞察瞑想療法。Self Insight Meditation Therapy(SIMT)
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5197
【目次ー双極性障害(双極症)に、マインドフルネス自己洞察瞑想療法SIMT

Posted by MF総研/大田 at 11:52 | 双極性障害(双極症) | この記事のURL