教員の精神疾患による離職が過去最高になった [2023年08月12日(Sat)]
教員の精神疾患による離職が過去最高になった心の病で休職の公立校教員が過去最多だったと、 昨年、報道があったことをお伝えしていました。https://blog.canpan.info/jitou/archive/5009 ★小中高の学校の教師のうつ病による休退職、自殺 昨年12月26日、文科省が昨年度の公立学校の教職員の精神疾患による休職について発表しました。 初めて1万人を超えて、過去最高である。 「職場に復帰しても、再び精神疾患になって休職を繰り返し、最終的に退職するケースが少なくない」 ところで、今度は、離職も最高であったとの報道がありました。 7月28日、文科省が発表しました。 https://www.fnn.jp/articles/-/563806 ★FNNプライムオンライン 「2021年度に精神疾患を理由に離職した公立の小中高校の教員は953人にのぼり、過去最多だった。」 「また、「転職」のため離職した公立の小中高校の教員数も4000人にのぼり、調査を始めた1977年度以降、最多となった。」 「業務量の多さ、保護者からの過度な要求など」から、うつ病を発症し、休職するが治らない人もいて、離職。また、そういう環境から教員をやめて離職していく。 繰り返し言っているが、うつ病になると薬物療法で軽くなるが、再発する人も多い。薬物療法に加えて、認知行動療法を受けられる仕組みがない。そういう支援をする専門家が極めて少ない。 これからも、教員のうつ病、離職が増えていくだろう。 うつ病の前段階でも、職務を十分に遂行することが難しくなって、子どものいじめ、悩みなどの相談にも十分、心をくばることも難しくなるだろう。 過労、不眠、心理的ストレスなどから、免疫細胞ミクログリアから炎症性サイトカインが 分泌されて、背外側前頭前野、眼窩前頭皮質などの脳領域に炎症を起こして、うつ病が発症すると推測される(最近ではセロトニン仮説ではなくて、神経炎症説が有力)。 薬物療法は、セロトニン神経に作用するが、こうした領域を十分には回復させない。 認知行動療法(CBT、第2世代、第4世代)は、そうした部位を用いることで、細胞部位の再生の効果をもたらして、回復すると推測されるが。しかし、認知行動療法を提供する専門家はほとんどいないので、完治しない。休職の後、再発し、結局離職するひとがいる。 教員に限らず、うつ病になって回復しない人、双極性障害になる人、離職する人、自殺するひとが多い。仕事の改革のほか、 CBTで支援できる専門家を置いた認知行動療法センターを各県に設置すべきだ。 私は、30年間、職業としてではなくて、ボランティアで、うつ病、パニック症などのかたをみてきたが、マインドフルネス心理療法SIMT(第4世代のCBT)でも、完治するひとがいる。職業とする専門家が研究提供すれば、さらにすぐれた心理療法を提供できるはずだ。薬物療法ばかりでなく、ここにも国の予算をまわすべきだ。尊い生命が、自殺によって失われていく。 https://blog.canpan.info/jitou/archive/4236 ★第4世代の認知行動療法 無評価で観察の瞑想の「マインドフルネス」は、第3世代のCBTといわれるが、うつ病はそのような簡単な観察で、治るような問題ではない。もっと深い心理療法が必要だ。SIMTはその一例だ。もっと完治率の高い心理療法も研究するべきだ。 https://blog.canpan.info/jitou/archive/4947 ★第3世代のCBT(無評価で観察のマインドフルネス)は、重いうつ病、パーソナリティ障害、双極性障害の患者で自殺念慮のある人には用いないほうがいいだろう。 https://blog.canpan.info/jitou/archive/4786 ★なぜうつ病になるのか なぜ自殺が起きるのか https://blog.canpan.info/jitou/archive/5119 【目次ー自殺予防2023年】 |
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