(8)双極性障害(双極症)にも心理社会的支援が効果的だが提供できる専門家がいるのか [2023年08月10日(Thu)]
(8)双極性障害(双極症)にも心理社会的支援が効果的だが提供できる専門家がいるのか日本うつ病学会は、双極性障害の治療ガイドラインを発表した。ここに記事がある。 ヨミドクター 2023年7月6日 ★双極性障害の診療指針 日本うつ病学会が12年ぶりに改訂… 患者が身につけたい七つのポイント 上記の7つのポイントを教育できる医師、心理士が必要である。 上記は、初歩的な心理社会的支援である。 理想的には、次のことが提案されている。(参考書C、p101) @治療導入期には、短期間の7つのミニマムエッセンスを中心とした教育 A急性期には、薬物療法を中心としながら、「専門的な精神療法」を実施する。 B維持期には、高強度型の集団心理教育や、「専門的な精神療法」の活用が再発予防に有用。 うつ病が長引いて数年後に、双極性障害だったことが判明したり、双極性障害も長引き、つらい思いをしている患者が多い。薬物療法のほか、ここにも、精神療法を加えれば再発・再燃予防効果があるとされる(ガイドライン)。 この領域も、ひきこもり、孤独・孤立対策の問題、自殺問題の領域である。精神療法を提供できる専門家がすべての都道府県にいてほしい。「相談」機関、地域包括支援センターなどと連携する専門家がいてほしい。 マインドフルネス心理療法SIMT(第4世代の認知行動療法)では、うつ病、非定型うつ病、不安症(パニック症、社交不安症など)、PTSD、過食症には効果があった(「完治」する)。 学会が、ガイドラインを発表したが、心理社会的教育のミニマムエッセンスに、マインドフルネス心理療法SIMTは類似する(8月20日の講演会にて説明する予定)ので、SIMTは、双極性障害の支援にも貢献できると思う。 そこで、双極性障害には、SIMTがどこまで効果的か、本年から希望するひとに提供することとにした。こういう精神療法は、最初はだれか一人から開始するのだろう。何十年後に、RCT(ランダム化比較試験)が行われるのだろう。生命にかかわることだから、いつまでも待つことができないひとに、慎重に試していただく。 (注)「専門的な精神療法」=双極性障害のための認知行動療法、家族焦点化療法、対人関係・社会リズム療法 https://blog.canpan.info/jitou/archive/2323 ★外国のものの追試とか技法論でなく、日本の文化の特殊性から普遍性を引き出すような展開を 【参考書】 A)『精神科医の本音』益田祐介、SB新書 B)『精神科医にご用心!』西城有朋、PHP文庫 C) 日本うつ病学会診療ガイドライン 双極性障害(双極症)2023) (続く) https://blog.canpan.info/jitou/archive/5119 【目次ー自殺予防2023年】 https://blog.canpan.info/jitou/archive/5187 【目次】長引く「うつ病」を治す認知行動療法センターを都道府県に作って |
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Posted by
MF総研/大田
at 11:33
| 孤独孤立自殺うつ病不安症
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