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NHK宗教の時間 竹村牧男 「鈴木大拙 願行に生きる」 [2023年03月25日(Sat)]

NHK宗教の時間 竹村牧男
 「鈴木大拙 願行に生きる」

 竹村牧男氏(東洋大学名誉教授、前学長)によるラジオ放送が4月から始まります。

 NHK宗教の時間 毎月第2日曜日、午前8:30−9:00

 テキスト「鈴木大拙 願行に生きる」(上)竹村牧男、NHK出版
 (4月→9月)
 (10月→3月は秋に出版されるでしょう)

 副題が「その生涯と西田幾多郎との交遊」とあるように、西田幾多郎にもしばしば触れられます。西田と鈴木のいずれかがなかったら、大乗仏教、浄土真宗、道元白隠などの禅もキリスト教も真髄がわかりくくかったと思います。西田は、場所的論理と逆対応の論理で、浅いものから深いものまで意識作用を説明しました。

 人間の意識作用には、浅いものから、感覚、思考、<目的への行動をする>意志作用、<各人の叡智的価値実現のために無数の目的的意志作用を取捨選択していく>行為的直観、そして<すべての叡智的世界の根源である>創造的直観となります。(西田哲学)
 このような意識の階層の哲学でいえば、無評価で観察は、どこを観察しているかおわかりでしょう。ひとはみな、各人の叡智的世界で、行為的直観を駆使しないと幸福感を得ないようです。

 禅、仏教の真髄は、絶対無(各人の行為的直観を可能にする根底からの働き)を体験した(最も深いマインドフルネス)ひとでないと間違って解釈されそうですが、 現代では、覚者ではただ一人の学者であられる竹村氏。道元も、自己都合よく解釈してしまう対象的自己のままただ坐禅する(社会建設をしていない瞑想)だけではなくて、創造的直観レベルであったと 明らかにされた( 『道元の哲学』春秋社 )。過去の学問で教えられた人は、この真相をしりません。
 マインドフルネスも自己洞察瞑想療法SIMTは、行為的直観レベルでうつ病などを改善するレベルですが、「難しいのは少数しかするひとはいないから大学では無用だ」と排除されます。多数派学者のエゴ(オルテガが批判)。大学の学問とは、いったい何なのでしょう。
 発達した当時の環境に制約され、広さ、深さがまちまち、誤解も多い仏教、禅、マインドフルネス、闘争しあう専門家。そのごく一部分を教えられる学生、社会人。魅力なくカルトに向かい苦しめられる国民。仏教、禅の専門家、マインドフルネスの専門家もぜひ、聴いていただきたいと思います。

 大拙のことは、たびたび、紹介されます。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2599

 大拙もまた、戦争という異常な時代の言葉が不適切であったと批判もされる。戦争は普通の人を異常な心理にする。ふつうならしないことをする。だからこそ、戦争をしてはならない。すべての人間の根源の平等をいう大乗仏教、それを発展紹介する西田、大拙、竹村などの核心を排除しないで、活かしていきたい。他者を殺すこと、戦争は絶対してはならないことを確認するためにも、西田、大拙、竹村をとおして、東洋哲学、大乗仏教、そして西田哲学(かれも他国侵略を肯定したと批判されるがそれは西田哲学を理解できない人の誤解ですが、これも竹村氏の説明があるようです=テキスト6回)、鈴木禅哲学を理解したいものです。
 そして、西田哲学は、浅い行為的直観のところの説明で、うつ病やPTSD、不安症、カルト被害、虐待被害などで苦しむひとの救済に活かすことができることで、具体的な実践法を研究開発して活かすことは、後世の私たちの使命です。
 鈴木大拙は仏教、禅を世界に紹介した人です。英語を駆使できて、禅の覚者であった、 この人がいなかったら、深い禅が世界にしらされることはなかったでしょう。

 すべての人間の根源の平等性、そして、物理的地球世界に、各人がそれぞれの叡智的世界を展開している重層的な世界。共生できるはずなのに、自分さえよければと、他者の叡智的世界を抹殺しようとするエゴイズムを批判した大拙。このひとは、一部のひとの世界に、永遠に保存されています。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3518
★西田哲学と鈴木禅学は互いに補完

 毎月1回、1年続きます。放送が終わりましたら、その都度、感想を述べさせていただきます。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3594
★初期仏教は利他をしないと大乗仏教が批判した
 それを明らかにした竹村牧男氏

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3592
★仏教も現代化が必要という竹村氏

(注)
 創造的直観レベルのマインドフルネスが、「宗教」レベルになります。マインドフルネスSIMTは、すべての階層レベルがありますが、精神疾患の予防、改善を求めるところでは、通常は行為的直観ですみます。「死」のことが関係するところでだけ、深いマインドフルネスを説明します。 SIMTは、宗教ではありません。哲学と脳神経生理学を基礎の理論とした実践です。
 なお、宗教レベルの実践は、日本の只管打坐、公案、念仏のほか、大乗仏教の六波羅密によるもの、唯識観によるものがあったのでしょう。これらは、それぞれの時代に貢献したでしょうが、現代人のためには、西田哲学で論理的に理解しながら「至誠」の実践によることを提案しているのが、SIMTです。研究改善、応用していく社会的課題が山積しています。
 最近でも、こどものいじめ/不登校/自殺、虐待された子、カルト宗教2世、原発事故の避難者にPTSD4割か?、孤独・孤立対策が要請される、薬でうつ病/PTSD/パニック症がなおらず苦しみ「死にたくなる」人々、・・・。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3904
★自殺念慮は消えにくい・日本財団の発表


https://blog.canpan.info/jitou/archive/5125
【連続記事】マインドフルネス心の世界遺産ー2023

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5141
【目次】竹村牧男氏によるラジオNHK宗教の時間 〜 「鈴木大拙 願行に生きる」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5153
★第2回=自由への気概 ー 禅に基づく自由論

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5147
第1回=大拙の生涯と西田との出会い
Posted by MF総研/大田 at 18:05 | マインドフルネス心の世界遺産 | この記事のURL