• もっと見る
«自殺防止のために薬物療法で治らない精神疾患の心理療法を開発すべき | Main | 昨年度の自殺者数の確定値が発表された〜2万1,881人»
あれから12年 [2023年03月11日(Sat)]

あれから12年

 12年になるのですね。

 このブログに当時のころの記事が残っています。

★3月12日、震災の後、うつ病やPTSDのケアを思う
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2129

★3月17日、支援プログラム
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2130
石巻のかたの目にとまり、3年後に実現。

 阪神淡路大震災の経験から、震災後は、うつ病、PTSDなどに苦しむ人が多く、自殺もあることが知られていました。それで、東北の被災地でも起きるのではと心配していました。
 石巻のかたから声をかけていただきましたので、3年後に現地でのプログラムを開催させていただきました。
 この数年前から、マインドフルネス心理療法、SIMTの研究開発が進行していた時であり、以前は、6回を標準にしていて、不十分でありました。
 その後、経験を重ねて、こういう精神疾患が薬物療法で治らない場合、難治であり、最低、10回10カ月の支援プログラムにすべきであることが判明しました。
 震災前から、10回10カ月のプログラムでの経験から効果が確認されて、これに基づき執筆が進行していましたが、震災により太平洋岸の書籍販売網も混乱しており、出版を延期して、2013年に、出版されました。この本は、10回10カ月を標準にしています。
    大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社
 この本は、震災の前から執筆が進行しており、数年かけて出版にこぎつけました。

 あれから、12年。3年後に、現地でのカウンセリングと支援者育成のための講座が宮城県石巻で開催されました。

 この後、アメリカから「無評価で観察する瞑想」の「マインドフルネス」が怒涛のごとく紹介されて、ブームになりました。重い精神疾患の支援にもなるのかと期待しましたが、うつ病、PTSDなどの「治療法」にはなりませんでした。それほどに、うつ病は深刻な病気です。

 マインドフルネス心理療法のうちでも、瞑想時でなく、行動時の感情・欲求を現在進行形で観察し背後にある評価基準を観察することを重視する自己洞察瞑想療法(Self Insight Meditation Therapy,SIMT)は、うつ病、非定型うつ病、パニック症、広場恐怖症、社交不安症、PTSD、過食症などの「完治」に一定の効果をあげています。さらに、特定の領域への応用研究が必要と考えています。

 今も、各地で、うつ病やPTSDが治らずに困っている方がおられます。毎年、自殺が2万人も。そして、うつ病などが治らないひとは、おそらく、何百万人もおられるでしょう。 薬物療法も心理療法も希望するひとがどこでも受けられる仕組みができることを祈っています。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5119
【連続記事】今年も マインドフルネスでSDGs3.4 自殺の減少を
 〜 自殺防止 2023年
Posted by MF総研/大田 at 07:13 | 災害とストレス | この記事のURL