(4)うつ病はセロトニンではなくて、ミクログリアからの炎症性サイトカインで
前頭前野などに炎症 [2022年11月30日(Wed)]
(4)感染しないように注意して!
新型コロナ感染症は後遺症として
持続的うつ病等を残す
(4)うつ病はセロトニンではなくて、ミクログリアからの炎症性サイトカインで
前頭前野などに炎症
近藤一博氏の研究によって、HHV-6ウイルスの働きを抑制する新しい薬の開発が期待されます。しかし、全部、解決というわけにもいかないでしょう。薬で治らないが、認知行動療法(ベックの認知療法、マインドフルネスSIMTも、その一種(注3))でなら治る(もちろん一部です)疾患や問題がまだ残ります。
ウイルスHHV-6が、嗅球に感染している人は、うつ病になりやすい。
ただし、このウイルスがうつ病にするのではなくて、ストレスが加わると免疫細胞ミクログリアから分泌される炎症性サイトカインがうつ病にするのだ。
先の記事は、Diamond オンラインであった。
著書(注1)で確認してみよう。
「@HHV-6の中のSITH-1遺伝子が発現して、SITH-1を作る
ASITH-1が嗅球の一部にアポトーシスを引き起こす」(近藤p75)
HHV-6は、タンパク質SITH-1を作る(p73)。これが、嗅球の一部に細胞死を起こす。
「HHV-6は「嗅球」に潜伏感染していて」アポトーシス(細胞死)」を引き起こしています。」(近藤p76)
SITH-1がある人は、HHV-6が潜伏状態であり、ストレスや過労があると、炎症性サイトカインの分泌が増幅されて、うつ病になりやすいのだ。
「通常なら耐えられるはずのストレスを、SITH-1が数倍に増幅してしまうのです。」(近藤一博p135)
うつ病はセロトニンではなくて、ミクログリアからの炎症性サイトカインで
前頭前野などに炎症
うつ病の研究の進展によって、原因が違うというのが最近の多数説である。
「実はこのセロトニン原因説、今となっては、信じている学者がほとんどいない、「30年前に終わった過去の説」なのです。」(p25)
この新しい発見によって、新しい薬の開発の可能性があるという。
朗報である。うつ病のひとは、自殺などせずに、待っていればいいのだろうか。だが、10年はかかるという。
大田の考えでは、その後もなお、認知行動療法が必要な患者が残るだろうと思う。(次の記事)
薬物療法だけではなくて、心理職、看護職による手厚い心理療法を提供しないと、うつ病、不安症などが完治しないひとがかなり残るだろう。
注1)近藤一博『うつ病の原因はウイルスだった』扶桑社
注3)マインドフルネスSIMTは、「自己洞察瞑想療法」。見る局面だけではなくて、
見る、考える、欲求する、行為する、などすべての局面において、それらを動かす背後にある個人の評価基準である本音を観察して、価値実現の行動を選択することを習うことを通じて、
生きがいのある人生を生きていく手法。精神疾患の改善、予防、再発予防、人間関係の改善などに効果がみられる。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5011
★マインドフルネスSIMTの特徴
3つの公刊がある。
大田健次郎『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社
大田健次郎『 不安、ストレスが消える心の鍛え方――マインドフルネス入門』清流出版
大田健次郎『「死」と向き合うためのマインドフルネス実践』佼成出版社
また、SIMTによる支援者を「マインドフルネス瞑想療法士 」といい、かれらの研究論文が
「マインドフルネス精神療法」で発表されている。
感染しないように注意して!
新型コロナ感染症は後遺症として
持続的うつ病等を残す
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5092
この連続テーマの(1)
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5093
(2)あるウイルス(新型コロナ感染症のウイルスではない)が、うつ病にかかりやすくする
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5094
(3)うつ病の神経炎症説(この記事)
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5095
(4)別のウイルスHHV-6の悪影響
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5096
(5)新薬の期待となお残る課題
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Posted by
MF総研/大田
at 12:51
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さまざまなマインドフルネス
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