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(3)うつ病は炎症性サイトカインが前頭葉に炎症を起こす [2022年11月28日(Mon)]
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4939
◆現在の制度のままでは医師は経営的に精神療法を提供できそうもない  〜和田秀樹さん

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4947
★自殺念慮の強いうつ病には、無評価で観察を超えたマインドフルネスが必要

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4236
★「評価される」「評価する」場面でのマインドフルネスSIMT

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4988
◆心理療法でうつ病の完治・自殺対策 〜 心理職に期待

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5020
◆マインドフルネス総合研究所の活動・講演・体験・改善支援セッション

【改善事例】
★改善事例1〜マインドフルメイト
★改善事例2〜マインドフルネス総研および他のマインドフルネス瞑想療法士

(3)感染しないように注意して!
 新型コロナ感染症は後遺症として
  持続的うつ病等を残す 
 (3)うつ病は炎症性サイトカインが前頭葉に炎症を起こす
  新型コロナ感染症のウイルスも免疫細胞から炎症性サイトカインを分泌させて後遺症を残したと推測

 うつ病は、精神的ストレス(悩みから)、過労、睡眠不足などから発症しますが、うつ病になるのは、免疫細胞ミクログリアから炎症性サイトカインが分泌されるため、前頭前野などに炎症を生じて、社会的な行動が難しくなったというのが最近の説です。
 これと似たことがコロナ感染症の患者にも起きた、つまり、新型コロナ感染症のウイルスが引き起こした可能性があるのです。アメリカの研究者が推測したのもここでしょう。そうなると、コロナ後遺症が治らないひとには、うつ病の心理療法、とくに、マインドフルネスSIMTが効果がある可能性があるのです。
 医師は、薬物療法だけで精一杯であり(和田秀樹氏)、心理職や看護職による精神療法を受けられる制度を作らないと、うつ病もコロナ後遺症も長引くおそれがあるのです。

ストレスがHPA系を亢進、ストレスホルモンが分泌され、免疫細胞を刺激し炎症性サイトカインが前頭前野などに炎症

 今、社会の環境が厳しくて、職場ではつらいことが多いです。個人の対処能力を超えるようなストレスが多いようです。種々の悩ましいことがあって、「つらい、つらい」「いやだ、いやだ」などのつらい思考を渦まかせてしまいそうですが、HPA系の亢進、交感神経が亢進します。ストレスホルモン(コルチゾール)が分泌されます。

 「外部的なストレッサー(ストレス源)によって精神的・肉体的な負荷がかかると、視床下部や脳下垂体、最終的には副腎が副腎皮質ホルモン(コルチゾール)やアドレナリンを作る反応。「ストレス応答」ともいう。」 (近藤一博『うつ病の原因はウイルスだった!』扶桑社、p120)

 「身体のどこかでひどい炎症が起きると、炎症性サイトカインが大量に生まれます。血中を自由に移動できるサイトカインは脳に入り、グリア細胞に「炎症を起こせ!」のメッセージを伝達。
 こうして神経細胞が炎症を起こし、グリア細胞が放出する有毒物質が神経細胞を傷つけることで、抑うつ症状が起きると考えられています。」(同p48)

 副腎皮質ホルモン(ストレスホルモン、コルチゾール)も、血液脳関門を突破して脳にはいるといいます。また、身体の臓器に炎症が起きると、血中の免疫細胞の炎症性サイトカインを分泌します。これも、脳に入ります。
 これが、脳内にある免疫細部(グリア細胞、ミクログリア)が、脳の組織に、炎症を起こします。
 うつ病の患者の脳のうち、前頭前野、前帯状皮質、島皮質などに炎症反応がみられるという研究を紹介しています(注1)。
 そのほか、自殺念慮の重いうつ病の患者は、背外側前頭前野、腹外側前頭前野、前部帯状回、眼窩前頭前野、島、海馬、偏桃体、基底核の異常が認められ(注2)ています。

 前の記事で見たのは、ウイルスHHV-6が潜伏しているひとは、ストレス反応が増幅されて、上記の炎症が大きくなるということです。HHV-6だけでは、うつ病にならないが、その感染している人が、ストレスを受けるとか、過労になると、そうでないひとに比べて、12倍、炎症反応を強く起こして、うつ病になりやすいわけです。

 コロナ後遺症も、コロナのウイルスが炎症性サイトカインによる機能障害を起こして、その炎症がいつまでも回復しにくいのではないかと推測されます。
 近藤一博氏の研究によって、HHV-6ウイルスの働きを抑制する新しい薬の開発が期待されます。しかし、全部、解決というわけにもいかないでしょう。薬で治らないが、認知行動療法(ベックの認知療法、マインドフルネスSIMTも、その一種(注3))でなら治る(もちろん一部です)疾患や問題がまだ残ります。次の記事で、神経炎症説を確認してから、新薬の可能性と 、まだ残る課題を考えます。

注1)乾敏郎『感情とはそもそも何なのか』ミネルヴァ書房、p88
注2)原田舟・上村永・松尾幸治「神経画像研究からみた気分障害と自殺関連行動の最新知見」(精神科治療学、2021年9月、星和書店)
注3)マインドフルネスSIMTは、「自己洞察瞑想療法」。見る局面だけではなくて、 見る、考える、欲求する、行為する、などすべての局面において、それらを動かす背後にある個人の評価基準である本音を観察して、価値実現の行動を選択することを習うことを通じて、 生きがいのある人生を生きていく手法。精神疾患の改善、予防、再発予防、人間関係の改善などに効果がみられる。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5011
★マインドフルネスSIMTの特徴
3つの公刊がある。

大田健次郎『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社
大田健次郎『 不安、ストレスが消える心の鍛え方――マインドフルネス入門』清流出版
大田健次郎『「死」と向き合うためのマインドフルネス実践』佼成出版社
 また、SIMTによる支援者を「マインドフルネス瞑想療法士レジスタードマーク」といい、かれらの研究論文が 「マインドフルネス精神療法」で発表されている。
(以下、前の記事の主要部分)

http://www.jikei.ac.jp/branding/2017/topics/21.html
◆慈恵医科大学
ウイルス学講座・近藤一博教授らが、うつ病の原因遺伝子を発見し、論文がiScience誌(Cell Press)に掲載されました。

https://diamond.jp/articles/-/289323
◆Diamond Online
 炎症性サイトカインについて紹介する前に、うつ病になりやすいウイルス(HHV-6)に感染しているひとがいるということが発見されました。こちらにわかりやすく紹介されています。
    「セロトニン説は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が劇的に効いたことを根拠にブームになったもので、当初は「うつ病の原因はセロトニン不足による」と説明されていましたが間違いです。
     理由はいくつかありますが、一つはSSRIを抗うつ薬として投与し、セロトニンを補っても半分は治らないこと。もう一つは、うつ病患者の脳内物質を測った結果、セロトニンは減っていなかったことです。 」
 近藤一博氏らは、うつ病にかかりやすくするウイルス(HHV-6)が脳内に潜伏していることを発見しました。このウイルスを持つひとは、12倍、かかりやすいというのです。
     「この嗅球のアストロサイトでHHV-6が作り出すのが、潜伏感染タンパク質にして遺伝子情報も保有するSITH-1で、このSITH-1抗体が陽性の人はうつ病に約12倍なりやすくなります。」
     勘違いされたくないのは、HHV-6がうつ病の原因とは言っていないということです。HHV-6がやっているのはストレスを増幅する働きで、ストレスを増幅することによって起こる病気の代表格がうつ病です。」
 このウイルスが、うつ病の直接の原因ではなくて、ストレスにより、免疫細胞、ミクログリアから炎症性サイトカインが分泌されて、背外側前頭前野、島皮質、眼窩前頭皮質などに炎症を起こしている(これは、次の記事で)。その時、ウイルスHHV-6に感染している人は、それが、ストレスを増強させて、うつ病になりやすいといいます。
 うつ病になるのは、免疫細胞ミクログリアから炎症性サイトカインが分泌されるためです。(次の記事)

感染しないように注意して!
 新型コロナ感染症は後遺症として
  持続的うつ病等を残す


https://blog.canpan.info/jitou/archive/5092
この連続テーマの(1)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5093
(2)あるウイルス(新型コロナ感染症のウイルスではない)が、うつ病にかかりやすくする

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5094
(3)うつ病の神経炎症説(この記事)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5095
(4)別のウイルスHHV-6の悪影響

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5096
(5)新薬の期待となお残る課題