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(10)どうしても宗教的レベルの世界観自己観のマインドフルネス探求が必要なひとがいる [2022年10月05日(Wed)]
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「自殺の減少のため治りにくいうつ病やパニック症などを回復、予防」


★講座 「うつ病・自殺予防の心得」11月12日
 蓮田市養育委員会企画
  他でも開催しますので、ご連絡ください


◆マインドフルネス体験会(東京) 〜 10月29日 
 佼成出版社の企画
『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』
『「死」と向き合うためのマインドフルネス実践』

◆毎月開催、「マインドフルネス心の健康クラブ」(埼玉県蓮田市)
(主催:マインドフルネス総合研究所)
1993年から30年継続している実践会。
 参観したいかたはメールでおしらせください。
★そのほか、こちら 「募集しています」

マインドフルネス心理療法、SIMTとは
(10)どうしても宗教的レベルの世界観自己観のマインドフルネス探求が必要なひとがいる

 作家、三浦綾子さんは、ギブスベッドに7年臥ていた。治る見込みがなかった。

 「わたしには長いこと、ギブスベッドに絶対安静を強いられていた日々があった。ギブスベッドは、石膏の粉の溶液の中に繃帯を浸し、それをうつ伏せにした患者の背中から腰にかけて二十巻ほどのせ、乾かして作る。すなわち体の形のままにできた石のように堅いベッドである。むろん、寝返りをうつことなどはできない。 体は固定されたままである。食事は胸の上に膳を置き、手鏡でそれをうつしながらとる。洗面も排便も、読書も書くことも、一切が仰臥のままである。」(『光あるうちに』新潮文庫p66)

 そのような彼女が生き抜いたのは、恋人の愛と、その人が教えてくれる宗教であった。彼女が入院していた病院に、男性が訪れて、聖書を読むことをすすめて、宗教の教えを説いた。現実の人間を絶対視させるようなカルトではなかった。すべてのひとが包まれている神の愛であった。

 彼女は治って、その人と結婚した。後に小説を書く。

 人生には苦悩がある。耐えきれずに自殺する人も多い。一部の人は他のことでは救われず、どうしても宗教的な救済が必要なひとがいる。重い病気になって治る見込みがなくて、死にたくなっている人や、特に病院に入院するほど重くて死を意識する人がそうだろう。多くの患者を看取った医師がいう。死を意識する患者は、宗教を求めたという。

 治るかわからない、身動きもできない、そのような深刻なひとにも、こころの救いのみちがある。こころの救いであるから、精神科医の領域にも近い。オーストリアの精神科医,フランクル は、ロゴセラピーを開発したことで有名であるが、そういう宗教的な救いがあることを言う。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2635
★精神衛生的観点から宗教による救いも必要

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3194
★宗教的無意識
 人が自分の価値とするものに没頭するのをフランクルは「精神的無意識」というが、その意識作用を西田哲学は「行為的直観」という。これよりも深い働きがあるといい、フランクルは「宗教的無意識」と言っている。
 自分は自分の意識作用よりも深く、自分を超えた働きに包まれているという意識、宗教的であるとされる。日本の哲学者は、超個、絶対無、無分節、東洋的無などという。 西田哲学は、場所的論理と逆対応の論理で説明した。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2338
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3099
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3029
 この境地の働きを「自覚的直観」といい、自分の意識が自分のものではなくて、絶対が否定して成ったものとして生きる自己を「人格的自己」という。フランクルの宗教的無意識に生きる自己でもある。筆者の著作(2022年)は、このレベルの実践書である。「マインドフルネス」として、文字で説明することを心がけた。身につけるためには実践が必要である。
 禅、仏教のひとに多いのであるが、キリスト教の人にもいる。作家では、遠藤周作が似たことをいう。



(外出したので、述べる時間がなくなりました。明日以降にします。 作家を紹介します。外国にもおられるので、東西に関わらない真理なのである。 日本には、仏教者に数多くおり、芸術家も多い。哲学者もそれを指摘する。
 こういう深刻な苦悩を救うマインドフルネス(=自己の観察)もあるのだが、それを知らずして、否定したり、それを主張する人を排除する。無知、無理解により、苦悩する人の救済を妨害する罪である。三浦綾子がいう「原罪」である。宗教にかかわらず「原罪」を犯すひとは多い。大学に多いというのが、 オルテガ である。自分が嫌悪するか、または理解できない哲学、宗教学の領域のことを理解せずして否定、排除するのである。苦悩するひとが「カルト」の被害にあう遠因を作ることになる。深い禅を否定することが多いせいか、日本では、病院で死を意識する患者が希望する教えを病院で教える仏教者が少ない。三浦綾子の周囲には、深いキリスト教を教える牧師、信者が多く現れている。)

(続く)



SIMT=自己洞察瞑想療法。Self Insight Meditation Therapy(SIMT)
【SIMTの参照文献】
大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社
大田健次郎(2014)『 不安、ストレスが消える心の鍛え方――マインドフルネス入門』清流出版
大田健次郎(2022)『「死」と向き合うためのマインドフルネス実践』佼成出版社
 以下、関連記事です。

【参考】坐禅のほかにも大切なことがある仏教

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2687

瞑想でない場面では必ず評価するされるのが人生

 家庭でも、職場でも、ネット空間でも、言葉が飛んできます。身体行為も来ます。その瞬間、自分の本音で評価するから感情が起きます。

 評価して感情が起きるのは、当然です。家屋、職業を持たない出家ならば、感情が起きない時間が多いでしょうが、そうでないひとは、感情が起きます。当然です、周囲のひとが、自分を評価して、言葉、態度、行為を表出してくるからです。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3589
★対人場面、仕事の現場の感覚思考行動は価値的に評価

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4146
★評価、判断とは

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2787
★人間の本質は、叡智的自己。自分の地位、収入を得るものを重視する。他者のものを侵害しても自分のものを執着するエゴイストが多い。だからこそ、家庭や学校教育で、多様性、共生を尊重する心を成させるべきだが、日本は、それをしなくなっている。自己中心的な人間が多い。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2424
プラクシス、自己成長ー職業で必要なスキル、技術、概念ではない

どの領域にでもあるエゴイズム

 人はみな、自己中心的な見方をするものだということを、仏教(大乗仏教) もキリスト教もおしえているようです。人間は、自分の命を保護するため、そこから、派生して、自分の地位、名誉、職業、職場を執着します。宗教者、学者もまぬかれません。批判説を許さない、排除する。メンバーの幾人かは、自分の身があやういので、トップ、幹部に忖度する、追従する。彼らも幹部になる。いつまでも、従来のものが多数派を形成して、継続される。そこにあてはまらない問題が出てくるので、従来説を超える説をいう革新説は排除される、変化は起こらない。このようであると、社会問題や難病の解決策が排除される。だから、大乗仏教の龍樹は、どこんも定義づけするなといった。それが宗教なのだろう。
 大乗仏教にも日本仏教にも深い人間哲学があったようで、新しい問題、難しい苦悩に取り組まないと苦しみ続ける人を救済せず活躍の機会を奪い、国全体の力が衰退します。世界における日本全体の力が衰えていきます。
 大学の学者のエゴイズムは、オルテガ、ほか多数の社会心理学者が教えています。

 力のない立場のひとが力を持つ者から苦しめられます。うつ病、ひきこもり、過労(幹部が配慮がない)、過労死、自殺に追い込まれる傾向があります。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3795
★暗いボタン。闇の心だ。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2669
★専門家の還元主義によって犠牲になっている市民

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4922
★シニア、長老が若者を搾取、伸ばさない。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5021
★誠実な少数派を排除し、自分たちの利益を重視する多数派、それが社会を害することを「自覚がない」 〜 外よりも内をひいきする闇の心

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4583
★社会に数々の本音、つまり、我利、我執、独断、偏見、権力への忖度、多数派による誠実なものの排除、いじめ、自分の生きがいや好きなものさえ守ればいいというエゴイズムが横行

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3616
★専門家のエゴイズム、闇のこころ

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3461
★みてみぬふりする

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4067
★無視、傍観される病、うつ病
 専門家はほかのことに関心を持って人生の価値として「幸福だ」と感じている。「うつ病を治す」「自殺をなくす」ということを人生価値にする専門家が大変少ない。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2367
★西田哲学もまた現実に生かされていない
禅も深いものがある。世界的にエゴイズムが爆発して、世界中が不幸になっているが、現代の世界に貢献するかもしれないのに。 理解せずに西田幾多郎、鈴木大拙を否定する学者も。日本のすぐれた心の遺産を何と日本人が否定する。「自分が一番わかっている」という驕り。そういうことを批判した大乗仏教のはずなのに。 人間とは実に複雑。わからないことだらけ。わかれば、世界から紛争がなくなるのだが。どうしてあんなことをするのだろうか、やめられないのだろうか。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4100
★オルテガ=大学人がエゴイズム的になりやすい 〜 学生から批判されない、専門でない他の教授から批判されない、一般から批判されない 〜 何をしてもしなくても倒産することがない 地位、収入が安定している

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5018
★専門家の倫理
 実際、臨床せずに、文字だけいう者が多かったので、批判された
 論文を書ける者が実際の臨床ができるわけではない
 実際臨床は(生身の人間との対面行動)難しくて時間を多くさくので、研究や著作(思考作用を使うにすぎない)する余裕がない

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2425
★大乗仏教−龍樹。とどまるな、押しつけるな。そこはらはずれたところで苦悩があるのだ。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4417
★普遍的真理、誰ももらさない救済をせず、内部でしか通用しない論理で執着し、メンバーにおしつけて、他者の苦をみない、自己満足。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4859
★学問的な議論も許さないない〜批判、新説を排除する長老。結果、古い学説が続く。企業なら時代や周囲の求めるものからずれて、倒産するのだが。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2369
★マインドフルネス支援者の倫理

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3099
★心理療法やマインドフルネスの領域でも、支援者側のエゴイズムが働く

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3853
★正しさをごり押しする人間

力ある者によるエゴイズムを無くすために

 いい思いをしているのは、権力者の一部。多数の国民は苦しんでいます。状況を改善して、みな幸福になるためには、正当な批判、革新説を受け入れる。そのために、することは?

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3002
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3577
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4903
★権力は腐敗し自分の利益をはかる〜それを監視するジャーナリズム

 ジャーナリズムでなくても、革新、批判が活かされる場をどうしたらできるのだろうか?

 家庭における教育、学校教育、社会人教育、???

 今の学校教育は偏っている。エゴイズムの批判のある倫理(仏教にあるが)、哲学、社会心理学などを教えていない。

SIMT=自己洞察瞑想療法。Self Insight Meditation Therapy(SIMT)
【SIMTの参照文献】
大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社
大田健次郎(2022)『「死」と向き合うためのマインドフルネス実践』佼成出版社


https://blog.canpan.info/jitou/archive/5042
【連続記事】マインドフルネス心理療法、SIMTとは

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4905
【連続記事】マインドフルネス心の世界遺産ー2022年
Posted by MF総研/大田 at 11:21 | SDGs | この記事のURL