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(4)意識作用のプロセスの理解 [2022年09月27日(Tue)]

マインドフルネス心理療法、SIMTとは
 (4)意識作用のプロセスの理解
 〜 家庭、職場などで生活する時

 人生には、快も不快もありますが、とにかく生きていかねばなりません。生き抜いていくために、自分の日常生活における意識の起こり方を観察して、病気にならないように、犯罪にならないように、他者を苦しめないように、意識作用の全体を観察します。

 瞑想(坐禅)時だけではありません。快・不快の感情が起きる家庭、学校、職場、生活場面で、常にです。その時の、応答の仕方で、結果的に人間関係を悪化させたり、ハラスメントと批判されたり、するからです。

★意識作用の観察
 意識作用、常識的には、「心の作用」「心の働き」と呼ばれているものには、どんなものがあるかを観察します。
 見る、聞く、など5つの感覚、思考、感情、欲求、行為などがあります。行為には、発語、態度、身体行動があります。この違いを観察します。まず、瞑想時に観察します。わかったら、家族や職場などでの対面時、何か(論文、作品、手紙、ネットでの書き込みなど)を作る時にも、観察します。 (ほかに、意識されにくいエゴイズムの心理がありますが、後で述べます)

★意識作用の前後関係の観察
 意識作用の区別が観察によって、理解できたら、次には、その前後関係、プロセスを観察によって、理解します。「観察によって」というところが、「瞑想」「実践」になります。言葉での理解は、思考にすぎません。実践が伴わないと、現実の生活場面で活かされません。

 前後関係ですが、大体、次のような前後関係、プロセスになっていることを観察によって理解します。

 五感覚右矢印1感情右矢印1欲求右矢印1行動(発言、態度、身体行為)

 五感覚右矢印1思考右矢印1感情右矢印1欲求右矢印1行動(発言、態度、身体行為)

 思考右矢印1感情右矢印1欲求右矢印1行動(発言、態度、身体行為)

 欲求は、意識されず、無意識のうちに、行動になっている場合もあるはずです。観察によって理解します。気がついたら(意識したら)、ひどい言葉を言っていた、犯罪行為になっていた、・・。このように、意識しないで、行動(発言、態度、身体行為)すると、まずいわけです。

 対人場面では、上記の行動(発言、態度、身体行為)に続くプロセスがあります。 相手が反応するので、自分の側では、その反応を見る、聞く、をします。そして、また感情(2次的)を起こします。

行動(発言、態度、身体行為)右矢印1(相手が、発言、態度、身体行動するので、自分は) 右矢印1それを見る、聞く右矢印1(それにより自分は)右矢印1感情右矢印1(続きます)

 2次の感情は、一次の感情とは違うものです。たとえば、自分が家族のある行為を見て、不満、イライラの感情(一次)を起こして、「そんなことをするな」(行動=発言)という。すると、相手は(感情を起こして)「うるさい」と言い返す。それを自分は、聞く。
 そして、今度は怒りの感情(2次)が起きて、「うるさい」とは何だ」という発言。

 こういうふうになります。家庭でも、職場でも、こういう意識作用のプロセスがありますので、瞑想時も、対面時も、観察するのが、自己洞察瞑想療法、SIMTです。
 こういう感情の連続は、人間関係を悪化させ、こころの病気になったりするので。賢明な反応に変えなければなりません。

(続く)

【参照文献】
大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社
大田健次郎(2022)『「死」と向き合うためのマインドフルネス実践』佼成出版社


https://blog.canpan.info/jitou/archive/5042
【連続記事】マインドフルネス心理療法、SIMTとは
Posted by MF総研/大田 at 07:22 | SDGs | この記事のURL