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(4)多数派の絆の強さが歪んでしまう「黒い羊効果」 [2022年07月14日(Thu)]
【連続記事】専門家の倫理〜学者・医師・宗教者・マインドフルネス者

(4)多数派の絆の強さが歪んでしまう「黒い羊効果」

 学者・医師・宗教者・マインドフルネス者で、高い「評価」、名声、地位を得ている人はすでに多数派です。自覚しない力があります。無意識の偏見、バイアス(アンコンシャス・バイアス)もあります。つらい人、孤独な人、不安を感じる人たち、伝統宗教も受け入れてくれない、学者の宗教学も魅力がない、つらい人たちの立場から遊離しているように感じる、批判する人を排除するバイアス、・・・。 多数派となる 学者・医師・宗教者・マインドフルネス者にも、人道的な倫理を持つ必要があるのではないでしょうか。

 多数派となったトップ、幹部が、強い絆で結託して、弱いひとを排除する傾向があると、社会心理学が教えています。

 「元来、「内集団ひいき」では、人は内集団のメンバーを外集団のメンバーより高く評価し、好みます。 ところが、時に内集団のパフォーマンスに貢献していないように見えるメンバーが目につくことがあります。
 パフォーマンスの低いメンバーがいたとき、人はとりわけ、そのメンバーを嫌うことが調査によって示されています。白い羊の集団のなかで黒い羊がいじめられて、のけ者にされることを模して、これを「黒い羊効果」と呼んでいます。内集団メンバーは本来、仲間であるはずなのに、パフォーマンスの低い内集団メンバーは外集団メンバーよりも嫌われてしまうのです。
」(北村p158)

 このようなグループは、トップの独裁であり、忖度する取り巻き連が甘い利益を得て、他のメンバーもあわれな子羊です。金子みすゞが夢みた「共生」社会ではありません。自由が束縛されています。トップ幹部による抑圧であり、民主主義による恩恵を受けているとは言えません。  「パフォーマンスの低いメンバー」には、2種あると思います。
A) トップの説を理解できない、実行できないメンバー
 北村氏の説明はこれのようです。
B) トップの説を理解している、そのうえで、批判する、もっといいものがあると、それを実行しようという人。
 このひともいじめられることがあります。大学人、宗教者もします。広い立場で見て、批判する人を 「カサンドラ」と呼ぶと、マーガレット・へファーナンが紹介しています。多数派を批判して追放されるカサンドラ。
 大学にいる多数派のことは オルテガ も指摘しています。オルテガがいう「大衆」=「多数派」=「大学の学者」。時代にあわなくなって従来の学問を批判するものが出てくるのを好まない。従来説で地位、職、収入をえているからでしょう。時代の問題を解決できるかもしれないような学問的な成果がなかなか日の目をみません。多数派となって、多数派の説を守る傾向があり、悩む国民の立場が失われていきます。種々の学会でも起きることです。 科学は世界の立場ではなく、ある立場にすぎないことを肝に銘じて、自分の説に執着しないで、環境、時代の変化に応じて発展させていかなければいけないと、西田哲学は教えています。医者、学者、宗教者など専門家の利益の保護ではなく、患者、学生、信者などの利益になる立場で、医療、学問、宗教などを研究発展させていくことでしょう。

 時代・環境の変化によって、従来説を超える学説も最初は少数派です。認められるまでに、時間がかかります。 村木厚子氏が教えているのも、 これに近いでしょう。まず、従来の多数説ではあてはまらことに、NPOが現場で新しいことをする。学者は、従来のまま。従来説にあきたらない若手の学者が、現場の新しいものをとりあげるのでしょう。
 ひどい場合には、新説を学者が妨害することがあるのです、オルテガが批判するのはこういうことでしょう。
    https://blog.canpan.info/jitou/archive/3873
    ★多数派についているほうが利益になり、批判せず、忖度する者が多いという
     仏教・禅を含めて宗教、精神療法、マインドフルネスなどの学問は、革新説が出ているでしょうか、忖度はないのでしょうか。大学で、誠実な宗教、精神療法を教えないと、孤独、悩みをかかえる学生、社会人が、反社会的なカルト(下記参考情報)や利益優先の組織の犠牲になるひとが絶えません。うつ病も自殺も起こります。
 黒い羊へのいじめは、多数決で種々の形で行われます。重要な地位(理事、教育担当など)につかせない、機関誌などへの寄稿をさせない、そして、集団からの追放です。カルトの場合、殺人までしていますね。

 こういう組織では、トップ、幹部以外のメンバーは、幸福なわけではありません。心理的に狭いところにとじこめられています。カルトの場合、「マインドコントロール」と呼ばれます。トップ、幹部の幸福のために、貴重な人生を捧げています。

【参考情報】
◆反社会的な宗教を「カルト」という

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3159
★「マインドフルネス」もカルトへの入口になるかもしれない

★日本人は宗教に何を求めるか
  親の宗教で苦しむこども

◆悪いカウンセラーがいる
うつ病や不安気味の人は、悪いカウンセラーやカルトの犠牲になる可能性が高いと感じていました。自分がうつ病になり救済法を探索した1985年頃から知っていました。その後、オウム事件が起こりました。
 以前は、研修会、ヨーガなどでカルトを隠して接近すると言われていましたが、現在では「マインドフルネス」、リトリートも、その入口になるかもしれません。主催者の住所氏名が確かであるか、信頼できる団体の認定であるかなどが、こころを扱うサイトには必要です。
 著名な人、欧米の学者などのお墨つきがあるというのはあてにできません。嘘かもしれないし、ただ、そこに参加しただけかもしれないからです。

(続く)



「あなたにも無意識の偏見アンコンシャスバイアス」(北村秀哉)河出書房新社

(続く)



https://blog.canpan.info/jitou/archive/4855
★どうしたらいいのでしょうか
 〜 居心地悪いグループ・組織
 まっとうな意見、学問的な議論の自由もない
 (私のいたグループもそうでした。排除されます。)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4859
【連続記事】研究・学問の自由のない日本

 ある組織では、十分な議論もせずに、人事権を持っている人物の意見には批判せず、同調していました。そういう組織では、周囲、クライアントの期待に十分応えないでしょう。

 ビジネスの現場などでは、権力ある者の言葉、行為が「よくない」と評価すべきはずです。批判もしないでいると、この組織は雰囲気が悪くなり、メンバーが幸福ではない、つぶれる、衰退するかもしれない、盲従することは悪いと評価すべきはずです。

 重要な命題について、長い年月、変更されないことがありますね。学問的な議論がされないのですね。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2672
★フランクル、還元主義による多数派教育のゆがみ
 〜 簡単なものに還元したものが多数説となり、それのみが教育される

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3031
★医師の宗教観が、倫理に関係
 フランクルは医師でしたが、宗教レベルは宗教者にまかせるといい、医学と宗教を峻別しました。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3159
★マインドフルネスは危険なこともある

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3855
★正しさをゴリ押し 〜 学者、医師、宗教者がすると大きな影響

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4879
★良心を目覚めさせる、特に科学者の(1)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2787
★専門家はみなエゴイズムになりやすい
 学者、医師、宗教者、マインドフルネス指導者は叡智的自己の典型。大丈夫でしょうか。自分のものを最上だとみなす慢心高慢。深層意識の自分の利益、地位、立場、結局、自利。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2814
★田宮虎彦の小説

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3873
★忖度はびこる日本 〜 学問、医学、宗教、マインドフルネスの現場はどうでしょうか
 弱者、マイノリティ、少数派の声が排除される

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4413
★専門家多数派のエゴイズムを考える
 社会・世界の立場でなく自己の利益

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4974
★幸福の哲学
 学者、宗教者、権力を持つ者が弱い立場の人の幸福を奪わないように

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4760
★自分の頭で善悪評価判断しなくなることを嘆く哲学者

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4208
★思考停止、判断停止はいけません。悪には、毅然と対抗。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3461
★「見て見ぬふりをする社会」
 非意識、または、確信犯的に見て見ぬふりも。そこに専門家の自己保身。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3611
★誇大誇張広告 自利優先 生命を失うかもしれないのに
 「寛解」「改善の効果」は「完治」とは違う

 「無評価」のつもりは 「非意識の偏見、アンコンシャスバイアス」 の可能性が大です。

【連続記事】専門家の倫理〜学者・医師・宗教者・マインドフルネス者
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【連続記事】専門家の倫理〜学者・医師・宗教者・マインドフルネス者 (1)問題提起

(2)なぜ、エラい人は高圧的に振る舞ってしまう?

(3)多数派の「自覚なき力」に要注意
 〜 外よりも内をひいきする心のメカニズム

(4)多数派の絆の強さが歪んでしまう「黒い羊効果」

(5)内集団ひいきが社会の問題の解決をおくらせる弊害

Posted by MF総研/大田 at 12:37 | エゴイズム | この記事のURL