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医師による心理カウンセリング [2022年06月06日(Mon)]
【連続記事】今年こそマインドフルネスでSDGs3.4 自殺の減少を
 〜 自殺防止 2022年
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自殺対策 〜 心理職に期待(7)
 〜 医師による心理カウンセリング

 雑誌「臨床心理学」125号(2021年9月、金剛出版)は、特集「自殺学入門」。
 そのうち、「自殺対策と心理職―保健・医療における自殺対策と心理職に期待される役割」 (河西千秋氏、札幌医科大学)
 を見ました。

医師による心理カウンセリング

 薬物療法のみで心理的なカウンセリングのない診療が多い精神科医療の現状は、医師にとっても患者にとっても、 望ましい状況ではないとして、実際に対策をとっている医師がおられる。

 「現在の日本の精神医療は対人援助としては劣悪で、患者のニーズを満たしておらず、 改善の余地がある」(参考書、p138)

 「精神疾患に苦しむ患者は増加の一途をたどるなか、 臨床の現場では多くの精神科医が”5分診療”を余儀なくされています。」(p2)

 診療報酬の問題、患者の多いこと、薬物療法しか教育されないことなどが詳細に述べられている。 そして、これを改善するために、健康保険の枠内での治療に加えて、患者に自己負担(予約料という)してもらって心理カウンセリングを取り入れた診療を開始されている。

 「健康保険の枠内での治療に、十分な診療時間を確保できる自由診療を自在にとりいれることで、患者が抱える問題を発見し、回復までの適切なアプローチ を導く「端枝会モデル」です。患者の回転率を上げなくても収入が大きく減ることがないので、 病院経営も安定するスキームです。」(p3)

 カウンセリングを希望する患者には、予約で提供している。予約料は20分、40分、60分の枠で自己負担とする仕組みにしており、高額になるが、支払えない患者には、10分枠の診療を頻回に行うことで対応している。

 「とはいえ、予約料は決して安くはないので、健康保険の範囲内の治療費の支払いが精いっぱいでこれ以上は 払えないという患者はいます。 切実な援助を必要とする人も多いため、 予約料を取れないからといって、切り捨てることはできません。 こうした患者に対しては、予約料は取らず、1回10分の診療をなるべく 頻回に行うことで対応しています。」(p59)

 これも、うつ病を治す割合が高くなり自殺の減少になる対策の一つである。

 ただし、誰でもできるわけではないという。対人援助スキルを身につけなければならない。(p139)

 こうした試みがあると、自殺しないですむひとがふえるだろう。 対人援助スキルということでは、私は、なお、心理職が、マインドフルネス心理療法SIMTを 活用するクリニックもあってほしいと思う。そういう心理職は、 子どものうつ病や がん患者の深刻なうつ病にも対応できると思うからである。

 他のクリニックでも、心理職が医師の病院にくる患者に認知行動療法(マインドフルネスSIMTを含む)を提供する方法もある。集団認知行動療法(マインドフルネスSIMTも)を行うとして、その費用は 患者に3000〜5000円程度の自己負担費用を支払っていただく財源からまかなうことができるかもしれない。瑞枝会ではかなり高額の患者負担としていることから実現できるのではないだろうか。集団認知行動療法でできない患者は、別の自己負担で個別で行う。 心理職が認知行動療法(SIMTも)の理論(それぞれの療法の理論)とスキルを身につけることが鍵となる。

 もし、クリニックの医師が心理療法を提供する心理職と共同しないならば、もう心理職が単独で心理慮法を行う制度を作ることを検討すべき時ではないのだろうか。認知行動療法(第1世代〜4世代)で治る患者もいるとわかっているのだから、うつ病のひとが回復できるように、自殺しないですむように、新しい制度を作ることを検討していただきたい。これは、厚労省にお願いすればいいのだろうか。それても、自治体単独の財源でもきるだろうが、医師の立場を気にしてやりにくいだろう。治らずに苦しむ患者と家族の立場から、国の英断を期待する。うつ病だというならば、xカ月治療しても治らない患者には、心理職による心理療法をX回受けることができて、患者の費用を補助する制度はどうだろうか。
 心理職が、うつ病などを治す認知行動療法を提供することを本務にできるような制度を作ってほしい。

【参考書】
小椋 哲(2021)『医師を疲弊させない! 精神医療革命』幻冬舎メディアコンサルティング

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4938
★色々な壁がありましたが。

【第4世代の認知行動療法】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4236
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4887
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4947


 【自殺対策〜心理職に期待】
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https://blog.canpan.info/jitou/archive/4893
【連続記事】今年こそマインドフルネスでSDGs3.4 自殺の減少を
 〜 自殺防止 2022年
Posted by MF総研/大田 at 20:47 | 自殺防止は医者以外も | この記事のURL