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地域での自殺対策に心理職の関与が少ない、その事情は?(2) [2022年05月25日(Wed)]
【連続記事】今年こそマインドフルネスでSDGs3.4 自殺の減少を
 〜 自殺防止 2022年
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自殺対策 〜 心理職に期待(3)
 〜 地域での自殺対策に心理職の関与が少ない、その事情は?(2)

 雑誌「臨床心理学」125号(2021年9月、金剛出版)は、特集「自殺学入門」。
 そのうち、「自殺対策と心理職―保健・医療における自殺対策と心理職に期待される役割」 (河西千秋氏、札幌医科大学)
 を見ています。これまでの取り組みが紹介されていますが、 私が提案したいこと、医師以外の人も、うつ病などを「完治」させる支援をしてもらいたいことに関係が深い事情を述べてくださっています。そこを突破しないと、私の提案は実現しそうもなく、そこを紹介させていただきます。

心理職と自殺対策の関わりについて3つの印象

 自殺対策に、河西氏の周辺では、心理職が関与しているが、ほかでは、そうでもないような印象だそうです。

 「筆者の周辺以外では、心理職と自殺対策の関わりにおいて3つの印象を持っている。一つ目は、自殺対策について知識と技術をもつ方がかなり少ないということである。」(p533)

 「2つ目に、職能団体としての自殺対策関連研修企画が非常に少ないという印象がある。」

 「3つ目に、地域自殺対策に関わる心理職者が非常に少ないという印象がある。」

 心理職が、自殺対策については、こんな印象が起きている要因は、3つ目のところに詳しく述べられています。

 「実は精神科医も一緒なのだが、一つは地域で活躍することのできるようなフィールドやポスト・対価が用意されていない要因はあると思う。」(A)

 「だがもう一つの要因は、心理職や精神科医ほど自殺予防の難しさを知っている職種はないということなのかもしれない(要するに、自殺対策について後ろ向きになってしまうのかもしれない)。」(B)

 地域が期待していないとも言われます。

 「地域ではそもそも心理職や精神科医が地域に来てくれるとは想像もしておらず、端から期待されていないのも残念ながら事実である。」(以上,p533)

 以上のような要因はあるが、それでも、心理職が地域で自殺対策に関わってほしいといいます。

 「そのリスク(自殺:大田注)が生じるのはほとんどの場合、地域であり、また自殺が生じる現場もまた地域であることから、地域で自殺対策に関わる人材が必要である。コミュニティ心理学がこの領域をカバーして下さることにも期待したい。」(p533-534)

 河西氏のところでは、自殺予防のための研修会が行われています。地域における心理職に自殺対策にかかわってほしいといいます。

 精神科医が薬物療法で多くの患者をみないと経営が成り立たないという現実から、やはり患者が多くないだろうと見込む地域には、精神科医は赴けません。心理職が、地域の自殺対策をになってほしいです。その時に、心理職がうつ病を精神療法で治す支援ができて、そのスキルを身につけていれば、やってもいいという心理職がおられるはずです。
 (B)だが、電話相談も大変難しいことだと思うが、それを志願するひとがかなりおられます。それと同様に、知識、スキルを教育してくれれば、自殺対策に志願する心理職はおられるはずです、
 鍵の一つは、うつ病を治す精神療法の開発であり、一つは、心理職への待遇です。

 そのためには、どこかの病院で、うつ病の薬物療法の効果がみられない患者に精神療法を提供する臨床試験をやっていただきたいです。そして、河西氏のところの確立された自殺対策の教育に加えて、さらに上述の臨床試験で効果があった「治す」新しいスキルを心理職に教育して、心理職が地域に赴任してもいいという状況を作ることでしょう。さもないと、精神科医がいる地域でも、薬物療法で効果がない患者の苦しみが続くし、精神科医がいない地域ではなおさら自殺対策がすすまないのではないでしょうか。

 もう一つ、重要なことが、(A)「地域で活躍することのできるようなフィールドやポスト・対価が用意されていること」です。
 このことを、自治体の関係者が理解して、心理職を自殺対策に招聘してほしいものです。内科医などは、ほとんどすべての地域にいるでしょう。内科医の薬物療法と心理職による精神慮法で地域のうつ病患者のかなり多くを個別に「治療」する支援ができると思います。そのことで、予防対策も出てくるでしょう。地域の住民へのうつ病、自殺予防の教育、その他の事業を考案できるでしょう。
 自殺が起きる精神疾患は、うつ病だけではないが、うつ病がかなり多いという(注)から、うつ病から。まず始めてもいいのではないでしょうか。

(注)河西氏の論文で紹介しているが、気分障害、物質依存症、統合失調症、パーソナリティ障害器質性精神障害、その他、不安障害、他の精神障害、適応障害、非精神疾患である(p528)。
このなかに、物質依存症、不安障害があるが、気になるクライアントさんがおられる。ベンゾジアゼピン依存症であるという。医師の処方のとおりに服用してきたが、症状がおちついたので、減薬したいが離脱症状がひどくてできない。危険な状態になることもあるという。自殺原因の一つに不安障害、物質依存があるが、、、。抗うつ薬は、順調に減薬断薬できるひとが多いが。

(続く)

【第4世代の認知行動療法】
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 【自殺対策〜心理職に期待】
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Posted by MF総研/大田 at 20:26 | 自殺防止は医者以外も | この記事のURL