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がんになった人のうつ病・自殺対策 [2022年05月13日(Fri)]
【連続記事】今年こそマインドフルネスでSDGs3.4 自殺の減少を
 〜 自殺防止 2022年
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がんになった人のうつ病・自殺対策

 がんになると、ストレスが大きくて、うつ病になり、自殺もありえます。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/1783
★<目次>がん患者の心のケア、スピリチャルケア、うつ、自殺予防

 国立がん研究センターが「がん医療における自殺対策の手引き(2019年度版)」を発表しています。

https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/icsppc/060/index.html
★がん医療における自殺対策の手引き(2019年度版)

 手引書のP10-11に要旨があります。これを参照させていただいて、「死」を乗り越えるマインドフルネス心理療法の視点から私のコメントを加えます。

第 1 章 がん患者の自殺実態調査。

がんと診断されたがん患者のうち、がん診断後 6 ヶ 月以内に 145 人が自殺で死亡していた(全がん患者の 0.17%)。 <東京都監察医務院における自殺検案事例の調査> がん既往のある自殺者は自殺者全体の約 5%を占め、7 割以上ががん治療中で あった。がん既往のある自殺者が死亡した場所の 7 割以上が自宅であり、 入院中の自殺は 5%であった。

第 2 章 がん患者の自殺対策 (総論)

1) がん患者の自殺の危険性は一般人口と比較して高く、特にがん診断直後が最も 危険性が高い。

2) がん患者全体に対する基本的な自殺対策に加え、@がん診断直後、A進行がん 患者、Bがんサバイバー(狭義)の 3 つの時期各々に対する特異的な自殺対策が 必要であると考えられる。

3) がん診断時からうつ状態や苦痛のスクリーニングを定期的に行うことは自殺 対策としても必要と考えられ、がん告知直後、がんの進行・再発、身体面などの 苦痛の出現時などのタイミングは特に注意をしながら精神症状や苦痛の評価を 行う必要であると考えられる。

4)うつ状態や希死・自殺念慮を有するがん患者は自殺の高リスク群と考えられ、 多職種によるケースマネジメントを行う必要があると考えられる。

(私のコメント)
 がん診断から期間が短いほど自殺の危険性が高く、がん診断後1カ月以内の自殺の危険性が最も高かった、というのです。 半年まで、自殺率が高いというのです。
 こういう状況から言えるのは、1ヶ月以内では、医療関係者がすぐに心理的な支援対策をとっていないと自殺を防止しにくいということです。 すなわち、患者や家族が心理的支援をしてくれる医師やカウンセラーを探す時間もないからです。
 家族はがんの検査を受けて,患者が自宅に帰ってきた時から、本人に変わった様子がみられないか注意が必要です。本人の「大丈夫」という言葉から、全く注意を払うのをやめるのはいけないでしょう。できれば、検査結果を聞きにいく時に、同行したほうがいいわけです。

第 3 章 がん診断直後の自殺対策

1) がん診断後 6 ヶ月以内、特にがん診断直後が自殺の危険性のピークであり、 初回入院前や退院直後の時期を中心とした自宅敷地内での自殺が多い。

2) がん診断直後の自殺には、がん告知による急性の精神的ストレスが影響してい る可能性がある。

3) がん告知を含めた悪い知らせの伝え方などの医療従事者のコミュニケーショ ン・スキル・トレーニングやがん診断時からのうつ状態や苦痛のスクリーニング、 がん診断前後からの多職種による支援体制の充実が必要であると考えられる。

 (私のコメント)医療関係者は、上記の対策をとっていくでしょうが、本人や家族も、60歳になったら、がんになる可能性があるのだから、心理的ストレスへの対処法、生きる意味についての探求、死生観の確立をかねてから求められれます。次の参考書は本人の実践ガイドです。
 (参考)大田健次郎『「死」と向き合うためのマインドフルネス実践』佼成出版社


https://blog.canpan.info/jitou/archive/4917
★本の内容

第 4 章 進行がん患者の自殺対策

1) 進行がん・終末期がん患者の自殺の実態について知見は乏しいが、希死・自殺 念慮が 10-20%程度の患者で報告されている。

2) 進行がん・終末期がん患者の希死・自殺念慮の背景には、多くの場合は掬い取 られてない患者ニードや緩和されていない苦痛があることが示唆されており、 希死・自殺念慮を表出する患者に対しては、受容と共感、傾聴を基本的態度とし ながら背景に存在する苦痛について評価を行う必要があると考えられる。

3) 進行がん・終末期がん患者の自殺対策では、うつ状態などの精神症状へのアプ ローチに加え、痛みなどの身体的苦痛や身体機能低下、実存的苦痛に対する症状 緩和とケアの提供を行う必要があると考えられる。

 (私のコメント)告知後のストレスを乗り越えても、終末期まで、うつ病になるおそれがあるので、患者本人はやはり、「死」と向き合うためのマインドフルネス実践をおすすめしたいです。

第 5 章 がんサバイバーの自殺対策

1) わが国における実態は明らかになっていないが、海外の調査ではがんサバイバ ーも自殺の危険性が高いと報告されている。

2) うつ状態や痛み、不良な身体状態などが存在する場合には、特に自殺の危険性 に注意する必要があると考えられる。

3) がんサバイバーの支援体制の充実は自殺対策としても重要であり、長期にわた る心理社会的な評価と精神・身体症状に応じたケアや治療、社会的要因に対する 支援などが必要であると考えられる。

 (私のコメント)
 がんサバイバーも、後に再発の不安を抱えるかもしれません。自殺の危険性が高いと報告されていますといいます。

 このように、医療関係者による対策がとられるでしょうから、それに期待します(それは社会的な支援でありポイエシスの支援です)。そして、なお、患者、家族側でできることは、自分でストレスに対処する心を身につけること、死生観を確立する機会を持つことが求められます(この内面のこころの支援がプラクシスの側面です)。
 がん患者さんの支援にも、両側面からのプログラムが有効でしょう。手引書にあるような医療関係者側からの種々の支援事業は、ポイエシスと言えるでしょう。マインドフルネス瞑想療法士により提供される事業は、内面のこころの用い方の助言であり、プラクシスと言えるでしょう。両者が協調、協働して行うことが効果的でしょう。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3310
★ポイエシス
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3311
★プラクシス
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3312
★ポイエシス即プラクシス


 そして、このような深いマインドフルネス心理療法は、がん患者さんだけに必要なのではありません。仏教、禅、マインドフルネスなどの専門家も実践していただきたいのです。なぜなら、専門家が、深い自己観察法を理解せず、こういう人生の幸福を求める普通の人々をしばしば、妨害し、排除し、苦しめ、うつ病に追い込み、自殺に追い込むことがあるからです。
 哲学者佐伯啓思氏のいうことに関係があります。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4979
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3034
仏教、禅、マインドフルネスから、少数派のこのような深いもの、死生観に関係するものが排除されています。

 また、ハラスメントや自殺された事件があった後、第三者による調査で、周囲の専門家のうつ病についての無知、軽視から不適切な対処であったことが報告されています。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4714
★地方創生SDGs 3.4={自殺の減少」
 がん患者の自殺の防止は、死生観にかかわるマインドフルネス心理療法

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4719
★地方創生SDGs 4=「質の高い教育をみんなに」
  学校教育で、社会教育で  

【マインドフルネス心理療法ならば、教育を受けられるところ】
http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/kikansi/hp-07/8-all-katudou.pdf


https://blog.canpan.info/jitou/archive/4893
【連続記事】今年こそマインドフルネスでSDGs3.4 自殺の減少を
 〜 自殺防止 2022年


Posted by MF総研/大田 at 18:05 | がん・ターミナルケア | この記事のURL