• もっと見る
«マインドフルネス心理療法SIMTを付加した種々のプログラム | Main | うつ病を治して自殺を減少してもらいたいが 支援者が多くない»
「シニア世代」が「若者世代」を搾取する研究業界 [2022年02月09日(Wed)]
【研究・学問の自由のない日本】2022年

「シニア世代」が「若者世代」を搾取する研究業界

 学問的研究において長老が自分の従来説を超える若手の業績を嫌い排除すると、いつまでも同じものが持続する。私は、仏教、禅、マインドフルネス、うつ病等の精神療法の研究において、日本では、それを感じている。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4100
★オルテガによる大学人の批判
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3811
★カミュ「ペスト」
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4382
★深いものは理解が難しいので愛されない、多数決で排除される

 アメリカでは、下記のハリファックスのように深い自己の本があるのに、日本ではほとんどなくなった。昭和の時代にはたくさんあった。

 アメリカでは広くうつ病などを改善支援する方法が研究開発されているのに、日本で開発されないでいる。日本はそんなに遅れるのか。

 研究においてある、別の形の差別を中川 まろみ氏が紹介している。ヨーロッパに住む中川氏から見れば、日本の研究職業界は異常に見える。

「シニア世代」が「若者世代」を搾取する…研究業界に見る日本社会の危機
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/82103

「私が最も危機感を覚えるのは、このような「暴走」に自分自身で気づくことすらできないレベルで時代遅れの価値観にとらわれた人たちが、政治にしても企業にしてもリーダーという立場に居座り続けているという「世代循環」の問題だ。」

「世代循環の遮断。日本社会の未来を左右するこの問題は、政治や企業に限らない。私は日本やアメリカ、ヨーロッパを中心に長年研究職を続けてきたが、私のよく知る日本の業界もいま、世代循環の危機に瀕している。」

「欧米を始めとした世界の多くの地域では、「競争」の平等性が日本より格段に高い。」

「何よりも残念なのは、影響力のある立場の研究者たちからこうした若者が置かれている惨状を改善する動きが起こらないことだ。一部のノーベル賞受賞者などが訴えてはいるが、実績のある研究者たちの多くにとって、自身の不利益にはならないこの若者搾取の構図を改善することは優先事項ではないのだ。」

「若い世代が搾取され、世代循環を起こす基盤作りの機会をも奪われる。これでは世代循環は起こりようがないし、業界を持続させることも難しい。そしてこのような世代循環の問題は、研究業界に限った話ではない。」

 仏教、禅、マインドフルネスの学問的研究も、若手からの革新説が出てこない。当然、このテーマには、深いものがあり、次の記事に紹介した。どうして、日本の若手からこういう深い説が出てこないのだろうか。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4917
★日本、欧米に深い自己の哲学がある

 昭和には、このレベルの多くの禅僧がいた。それなのに、今はもうこのレベルの仏教、禅などがほとんど出てこない。

 「マインドフルネス」も、無評価のものばかりだが、自由なアメリカでは、それを超えたマインドフルネスが出てきていた。
 日本的霊性、東洋的無、無分節という最も深い自己洞察レベルのマインドフルネスが、またもや、ハリファックスのものが輸入された。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4688
★ハリファックス
 無分節、日本的霊性レベルのマインドフルネス。日本が紹介した深いものが日本で失われて外国では生きていて、また輸入されたようだ。

 この本は「死にゆく人」自身が読者ではなく、寄り添う人を対象としている。死にゆく人を見守るマインドフルネスである。
 だが、これがあるのであれば、大田健次郎(2022/3)が書いた、本人の ための深いマインドフルネスの本もあるだろう。もう、翻訳が始まっているかもしれない。
 日本は、深い自己洞察の研究の自由が抑圧されているようだ。若手や弱いひとには、学問の自由も制限されている。これでは、未来の日本は危うい。

 「日本は若者世代にとって、もはや民主主義社会ではない」
という記事もある。

 研究分野は種々あるから、専門の研究職でもない私は、傍観してもいいのかもしれないが、こと生命にかかわる(治らないうつ病の人が自殺していく)から、心配でならない。うつ病、パニック症、PTSDなど、薬物療法で治らない人が多い。そして、一部の人が自殺していかれる。未来に日本を背負うはずの若い人たちがなくなっていく。

 仏教、禅、マインドフルネス、精神療法の研究が自由にできれば、死なずに済む方法を研究開発できると信じているから、長老は若手の研究の自由を奪わないでほしいと思うのだ。さもないと、これからも、うつ病などが治らないで自殺していくひとが続くだろう。外国からの研究を待つのでは日本は衰退するばかりだろう。

 ここに、研究者、宗教者の心の闇を紹介した本がある。公益よりも、自己を優先する。日本もひどいようにみえる、欧米には、まだ自由があるという。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3461
「見て見ぬふりをする社会」マーガレット・ヘファーナン、仁木めぐみ訳、河出書房新社
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4922
【研究・学問の自由のない日本】2022年

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4930
第3のモットー 得意なこと、好きなことで勝負せよ

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4929
第2のモットー ライバルの研究から学ぶ

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4928
第1のモットー 反対意見から学ぶ、堂々と議論する

「日本人へ!」 世界からの提言
ノーベル賞は「論争」から  真鍋叔郎


https://blog.canpan.info/jitou/archive/4924
4)大学におけるハラスメント 〜 閉鎖的な構造、対策は進まず

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4922
3)「シニア世代」が「若者世代」を搾取する研究業界
【研究・学問の自由のない日本】2021年

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4866
2)耳に痛い、真鍋さんの苦言 これで科学技術立国なのか 山極寿一さん

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4859
1)日本で研究したくない理由・ノーベル物理学賞に選ばれた真鍋氏
Posted by MF総研/大田 at 10:54 | エゴイズム | この記事のURL