(2)ジョン・カバット・ジン氏のマインドフルネスの定義に戻ると〜
(2)とらわれないこと [2021年12月24日(Fri)]
【連続記事】禅よりも普及したマインドフルネス =医療からビジネスへ (2)捨てられた定義7番目=とらわれないこと「科学」「学問」の名において、深い良心、よき仏教の精神を排除していくのでしょうか。苦しむひとがいるのに、無視、傍観、見てみぬふりも「無評価」に近いです。 無評価でいじめる、無評価で他者を排除する、無評価で詐欺をする、いじめられていても不正もハラスメントを見ても無評価で観察している。「死にたい」という人が多いのに、無評価で観察している。もっともおそろしいことが無評価で「〇〇す」。 全体的な位置から観察できる、学術会議やジャーナリズムに検討していただきたいことです。 1月から講座が開始されます 〜 うつ病、パニック症などの患者さんが改善する支援をするカウンセラー 無評価で観察するマインドフルネス(A1)を超えるマインドフルネスSIMTでは、このように慢性のうつ病などが改善しています。 https://blog.canpan.info/jitou/archive/4874 うつ病やパニック症などには薬物療法があります。治るひとはいいですが、一部の人が治らずに苦しんでいる人が大勢おられます。支援者になっていただきたく、お願いいたします。 1月から、八王子と福岡(オンライン)で、 マインドフルネス瞑想療法士の講座が開始します。 10カ月もかかる講座ですので、講座の機会は少ないです。 死にたくなるほどつらい人たちがたくさんおられますhttps://blog.canpan.info/jitou/archive/2736★患者の利益に立つ医療を https://blog.canpan.info/jitou/archive/4883 ★「メディアの真の責任とは、科学者が知らせたくないニュースを人々に知らせることだ。」 https://blog.canpan.info/jitou/archive/4884 ★アカデミック・マイナリティの差別 学者は自分の学問の弱点を認識できない。批判説を排除しようとする「闇の心」に気がつきにくい。困るのは国民。 https://blog.canpan.info/jitou/archive/4800 ★臨床が好きでないのでやらない学者 ★臨床してみないと、その理論の不備、欠陥がわからない=学問として深化しないでとどまる。 ★臨床を生きがいとしたいという人がいないとうつ病などを改善できません。 ★臨床してみないと理論(=学問ではあっても)の不備欠陥があきらかになりません。学問として発展しません。 ★「宗教者」「医師」「心理士」「心理学者」「仏教学者」なども大歓迎です。 これに近いですから。共通点は、人々の苦しみからの解放です。特定の自己の目的ではないことです。自分だけの利益、自分の出世、自分の地位、自分の収入が第一の目的ではないこと。 これが、ジョン・カバットジン氏の「マインドフルネス」が特定の目標、目的を持たないこと(p93)に近いでしょう。 このことをジョン・カバットジン氏の定義を再検討しましょう。ブームになっている「マインドフルネス」が排除してしまったもの6つ。 ジョン・カバットジンの(7)とらわれないこと元来、ジョン・カバット・ジン氏のMBSRのマインドフルネスの定義は広いものを含んでいたのです。(A)元々は、7つの態度でした。 (1)自分で評価をくださないこと (2)忍耐づよいこと (3)初心を忘れないこと (4)自分を信じること (5)むやみに努力しないこと (6)受け入れること (7)とらわれないこと (7つの態度の説明のリンクへの目次) 排除された態度の7です。 (A7)とらわれないこと わかりやすくいえば「良心を働かせること」です。 「とらわれないということは、あるがままのものごとを受けとめる ための方法です。自分の心が何かにとらわれたり、何かを追いやろう としていることに気がついたら、そういう衝動を意識的にとき放って 、そのあと、どんなことが起きるかを観察するようにしてみてくださ い。そのとき、あなたが自分の体験を評価しているということに気が ついたら、その評価自体にはこだわらないで、手放すようにしてくだ さい。評価したことは認めるにしても、それ以上の深追いはやめるの です。その事実は認めながら、手放すのです。」(ジョン・カバットジン,p67) これは、非常に重要な心の用い方です。 「良心」を働かせるということです。マインドフルネスSIMTでは、こういう執着(好き)と嫌いの心理を「本音」といい、観察することを重視します。自分の都合から見た、自分の経験から見た、自分の選択した職業から見た「評価基準」だからです。自分の精神疾患の回復を遅らせたり、経営者や管理者や権力ある者が弱い立場の他者を精神疾患に追い込んだり、自殺に追い込むからです。 SIMTの本では、( 大田健次郎、1993)p111です。 カバットジン氏も、誰もが、自分の執着や嫌悪の「評価」をするものだ、それに気がついて、それにとらわれない行為(言葉、態度、行動)をしなさいというのです。自分に執着、嫌悪の評価心があることを素直に認めるべきことを言っているのです。SIMTでは、これを強調します。 「自分の心が何かにとらわれたり」が自分の「執着」です。好きでたまらないことです。 「何かを追いやろう としていること」が、自分の嫌いなことです。相手の行動、言葉が嫌い、自分の学問的解釈を批判することも嫌いです。学者にはよくあることです。オルテガが指摘しています。 自分の執着、嫌悪に「気がついたら、そういう衝動を意識的にとき放って 、そのあと、どんなことが起きるかを観察するようにしてみてくださ い。」 とカバットジン氏がいうのは、SIMTではこうなります。「本音に気づいて、衝動的欲求が起きたことにも気づいて、それを抑制して、価値的反応(言葉、態度、行動)を瞬間的に選択してそれを表出します。[行動時自己洞察」です。 (大田健次郎、1993,p125) https://blog.canpan.info/jitou/archive/2414 ★衝動的反応の抑制 氏がいう、次のことも、つらい人の実際の臨床(うつ病などを治すことなど)をしないひとは誤解するでしょう。 「無評価」ではないのです。 「そのとき、あなたが自分の体験を評価しているということに気が ついたら、その評価自体にはこだわらないで、手放すようにしてくだ さい。評価したことは認めるにしても、それ以上の深追いはやめるの です。その事実は認めながら、手放すのです。」(ジョン・カバットジン,p67) 「自分の体験を評価しているということに気が ついたら」は、自分が自分のものがすぐれているとか自分のものを批判するのは不快だなどと評価していること(感情が起きます)にきづいたら、その基準にこだわらずに(執着せずに)、手放して、価値実現反応をとるのです。欲望や排除心が起きたことに気づき、欲望や排除の行為を抑制せよ、良心を働かせよということになります。 こういう微妙な執着心、嫌悪心のことを「本音」といいますが、これを強調しないから、 ブームの「マインドフルネス」は、ジョン・カバットジン氏のものを大きくかけはなれているのです。MBCTでさえも、その点があまり強調されないために、うつ病の「治療法」にまではならないのだろうと推測されます。 マインドフルネスSIMTは、このこともトレーニングするので、別の記事で紹介したように、数多くの改善事例をみているにだと思います。良心ある医師はぜひ、臨床試験をしていただくたいと思います。まだ、欧米にはない治療法です。臨床試験すれば、日本中に世界に発信できます。 (内緒ですが、このような言葉をきくと、精神科医のかたは、不愉快な気持ちがおこりませんか。それ、それです。カバットジン氏がいう、「 自分の体験を評価している(大田の言葉は気に食わない)ということに気が ついたら、その評価自体にはこだわらないで、手放すようにしてくだ さい。」 うつ病を改善するようなマインドフルネスや心理療法が開発されたら排除しないでください。患者さんがかわいそうです。自殺も起こります。) https://blog.canpan.info/jitou/archive/2736 ★患者の立場に立つ医療を (高齢につき、私は、臨床からも、マインドフルネスSIMTの専門家の育成講座からも撤退していきます。若手に継承してもらいます。未来の日本は若手のものです。若手の活躍を応援しないと日本の未来がありません。長老、名誉職にひいた専門家は、自分の従来のものにとらわれないで、若手の新しいものを排除せず応援していただきたい。「無評価で観察」のマインドフルネスを超えたものも、大学からも排除しないでいただきたい。学生がこの情報を得るのは大学です。うつ病の回復、自殺減少に貢献できる可能性があります。ごく少数の若手が日のあたらないところでほそぼそ活動しています。 コロナが収束したら、ジャーナリズムの協力を得て支援者の育成が緊急であることを知っていただきたい。知っている人、家族が自殺するのを防止したい。 種々のマインドフルネスがありますが、適応する領域や受益者が違うはずだから、排除せずに「共生」していくことを希望したい。A1だけ(無評価の観察)のマインドフルネスは、ビジネスで必要とされるでしょう。SIMT(A1〜A7)は、うつ病などの人に必要でしょう。対象が違いますから、みなあっていいのです。排除せずに、「共生」してください。) (続く) 【文献】 ジョン・カバットジン(2007)「マインドフルネスストレス低減法」春木豊訳、北大路書房 ジョン・カバトジン(1993)「生命力がよみがえる瞑想健康法」春 木豊訳、実務教育出版 SIMT=自己洞察瞑想療法、Self Insight Meditation Therapy(SIMT)。大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社 https://medical-tribune.co.jp/news/2021/1223542287/?utm_source=recent&utm_medium=email&utm_campaign=mailmag211224 ★今、医学研究に求められる倫理とは 大乗仏教にもありました。 https://blog.canpan.info/jitou/archive/3686 「科学」「学問」の名において、深い良心、よき仏教の精神を排除していくのでしょうか。 苦しむひとがいるのに、無視、傍観、見てみぬふりも「無評価」に近いです。 無評価でいじめる、無評価で他者を排除する、無評価で詐欺をする、いじめられていても不正もハラスメントを見ても無評価で観察している。「死にたい」という人が多いのに、無評価で観察している。もっともおそろしいことが無評価で「〇〇す」。 全体的な位置から観察できる、学術会議やジャーナリズムに検討していただきたいことです。 https://blog.canpan.info/jitou/archive/4887 【連続記事】禅よりも普及したマインドフルネス =医療からビジネスへ https://blog.canpan.info/jitou/archive/4875 【関連記事】無評価で観察のマインドフルネスを超えて |
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Posted by
MF総研/大田
at 06:46
| さまざまなマインドフルネス
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