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(1) 無評価で観察のマインドフルネスを超えて [2021年12月01日(Wed)]
人生の現場は評価の連続
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4022
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4024
だから、無評価で観察は、現場でないところで!

★すべての現場で、すべてのひとが、自己の言葉行為が公益にかなっているか、倫理的、人道的であるか評価観察するマインドフルネスの書籍を発行します。後期西田哲学の実践指針では、「至誠」であるかどうか常に評価せよと。(2022年3月)

無評価で観察のマインドフルネスを超えて(1)

 アメリカでは、認知行動療法(第2世代)でも改善しないうつ病、パーソナリティ障害などに、「マインドフルネス」を織り込んだ精神療法で、そういう疾患の改善に活用されてきました。

 それでも、なお、よく改善しない疾患があるわけです。 マインドフルネス認知療法(MBCT)は、再発予防法が中核です。「治療法」としては、 いまひとつです。実際8週間ではとても改善しない重症、慢性のうつ病、非定型うつ病の人が多数おられます。
 慢性の痛みも、8週間のプログラムとしての「マインドフルネス・ストレス低減プログラム(MBSR)は、痛みの緩和法として、定評が高いのですが、それぐらいでは治らない慢性疼痛のひとがたくさんおられます。
 こうした、慢性うつ病、慢性の痛みが、10ー18か月のマインドフルネスSIMT(自己洞察瞑想療法)で治る患者さんがおられます。それで、「無評価で観察」が、第三世代ならば、SIMTのような精神療法は、第3世代とはかなり違うので、私は、第4世代と称することにしました。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4236
★第二世代の認知行動療法でも改善しない問題を第3世代の認知行動療法でと言われたがそれでも改善しない苦悩が、マインドフルネスSIMTで改善。第4世代とよぶ。

 日本では、精神療法を提供する医師が少なくて、うつ病などが治らない患者さんが、精神療法を受けられる環境がととのっていません。SIMTでなら、一部は治って、薬から解放され、自殺もしないですむひとがいるのに。ほかにも、効果ある精神療法があるかもしれません。希望するひとが受けられるようになっていません。この領域は遅れています。
 新しい精神療法は、最近は輸入ばかりです。フランクルのロゴセラピー、MBSR,MBCT,弁証法的行動療法が輸入されました。
 日本では、うつ病、非定型うつ病が治らずに、苦しみ、自殺していかれる患者さんが多いです。いじめからも、働く人の過労、ハラスメントからもうつ病、自殺があります。 日本では、うつ病がいったん薬物療法で治らないと、なかなか精神療法を受けられないありさまです。私は、こんな状況をみて、こういってきました。
「無視・傍観・軽視・放置・見放される病」
https://blog.canpan.info/jitou/archive/1812

 医師、心理士、宗教者(宗教的苦悩、たとえば、死、自己)、哲学者は心理の専門家ですが、 難治性のうつ病の患者さんのすぐそばに、専門家がおられます。 無視、傍観、あきらめられている、見て見ぬふりされているように見えます。

 昔の2世紀のひと,龍樹が、自己満足して、支援を忘れて見捨ててはいけないようなことをいっていたのです。大乗仏教の崇高、至誠の精神です。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2425

 現代の専門家は「これがいい、これでいい」と枠をはめているような気がします。その枠を超えたところで苦しむひとがいるわけです。龍樹は、どこにもとどまってはいけないといっていたのです。2世紀の仏教者がこんなことを言っていたのです。つまり、仏教は「これさえすればいい」といってはならない、人々の苦悩がある限り、それを支援すべきと。そして、苦悩は、時代により、場所により違っていきます。

 「今の状況に満足できない。もっとすすんだ治療法を開発すべきだ」という専門家が研究していただきたい。もっともっと、すぐれた治療法でないと治らない患者さんがいるのだから、さらにそれを解決する方法を開発しなければいけない。現状にとどまってはいけない、ということだろうと思います。若手が、従来の方法を超えた革新説を提案した場合、長老が排除することは避けるべきでしょう。未来の長い人生は若手のものです。現状を憂えるのは当然です。現状の問題を解決したい、さもないと、未来があぶない。長老が若手の革新説を排除するのはさけていただきたい。
 科学はとどまってはいけないでしょう。宗教者の思想や実践の解釈も、宗教学、仏教学などの学問であり、「科学」の側面があります。
 仏教(解釈や現代的課題の解決実践など)も、心理療法も、マインドフルネスも、時代、環境の変化、状況の違いに応じて、進歩すべきなのではないでしょうか。仏教については、西田幾多郎博士がそんなことを指摘していました。75年も前に。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4887
【連続記事】禅よりも普及したマインドフルネス=医療から利益目的のビジネスへ

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4875
【目次】無評価で観察のマインドフルネスを超えて


https://blog.canpan.info/jitou/archive/4888
(14)ジョン・カバットジンの(A7)とらわれないこと

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4887
(13)ジョン・カバット・ジン氏のマインドフルネスの観察態度に戻ると
 (A1)無評価で観察だけではない、(A1−7)であり、(B)(C)を背景にしたもの。大乗仏教、道元、西田哲学、井筒俊彦に通じるもの。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4886
(12)うつ病にならない、なっても治る、自殺させない精神医療を

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4885
(11)うつ病の治療法としての認知行動療法の普及を
 〜 ジャーナリズムへの期待

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4884
(10)アカデミック・マイナリティの差別

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4883
(9)良心を目覚めさせる、特に科学者の(5)
 「メディアの真の責任とは、政府が知らせたくないニュースを人々に知らせることだ。」
 「メディアの真の責任とは、科学者が知らせたくないニュースを人々に知らせることだ。」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4882
(8)良心を目覚めさせる、特に科学者の(4)
 〜 ジャーナリズムが「読者の知性と良心を目覚めさせる」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4881
(7)良心を目覚めさせる、特に科学者の(3)
 〜 学者も公益よりも自己の利益をはかることがある

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4880
(6)良心を目覚めさせる、特に科学者の(2)
 〜 「慣習的智慧」のほか、既存の秩序を批判する「転換的知恵」が重要

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4879
(5)良心を目覚めさせる、特に科学者の(1)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4878
(4)ドストエフスキーのキリスト教は少数派説

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4877
(3)研究者は偏ろうとも、教育者は偏らないで

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4876
(2)見て、考えて、行動、そうするものは何か

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4875
(1)第3世代の認知行動療法

Posted by MF総研/大田 at 20:59 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL